2003年8月1日金曜日

Lamp:『そよ風アパートメント201』 (MOTEL BLUE/MBR-003) Lampインタビュー



今年2003年4月に『そよ風アパートメント201』でデビューした男女3人組のグループ、Lamp(ランプ)。その瑞々しいサウンドに触れる度に「輝く季節」を感じてしまう。 そんな彼らにグループ結成の経緯やアルバム作りの話を聞いてみた。 

ウチタカヒデ(以下 U)先ず、Lamp結成の経緯について話してもらえますか?


染谷太陽(以下 S):永井(ヴォーカル&ベース)とは高校からずっと知り合いで、一つ年下だったんですよ。フォーク・ソング同好会で知り合って、ビートルズが好きってとこから意気投合して、一緒にやるようになりました。
それと、2000年の2月頃からボサノヴァを聴き始めたのも大きかったですね。自分が求めていたものが、凄くあるジャンルだったんですよね

U:ちなみにその時よく聴いていたアーティストというのは?

S:ジョアン・ジルベルトです。友達に借りたんですよ。アストラッド・ジルベルトのベストの中に入っいてた、ジョアンの声「イパネマの娘」のライブか何かで。

U:トム・ジョビンの曲だね。ボサノヴァにのめり込む正当的なパターンだよね。

S:そうですね。あれを聴いて、この表現方法はすごく自分に合っているなってそのコード進行の凝り方と、メロディーへの絡ませ方が凄い。だから僕はボサノヴァのリズムっていうより、ハーモニーの方に引かれたのかなって。
そんな時、高校時代の親友の家に遊びに行った時に「誰か知っている人で、こういう音楽好きな人いない?」って聞いてみたら、香保里さん(ヴォーカルetc)を紹介してくれて。
そしたら、アコーディオンとフルートも出来るっていうんで、まあそれでいけるんじゃないかなって。大学入ってから、そういうソフトな音楽を聴くようになって。
元々高校の時からビートルズとかサイモン&ガーファンクルとかポップスが好きっていうのはあったんですけど。ソフトロックでも友達が基本的なものから貸してくれて、先ずビーチボーイズやロジャニコとか。それでどんどん目覚めていって。

U:そうすると、現在のLampが目指す音楽というのは、ボサノヴァ・ベースなんだけど、ソフトロックのハーモニーも生かしたというものなのね。

S:はい。最近やっとまとまりをもってきましたね。

U:次にメンバーの中の役割っていうのは、それぞれの特性を活かしててるのかな?
例えば、ハーモニーは誰々がとか?

S:そうですね。今回のアルバムもハーモニーは大体、永井がつけた部分が多いし。香保里さんも結構やるんですけど。

U:基本的に、永井くんが作る曲は永井くんがリードで、染谷君が作る曲は榊原さんがリードって感じですか?

S:バランスがとれないと思うんですよね。僕が作る曲を永井が歌っちゃったら香保里さんが歌う曲がなくなるし。永井が作る曲を香保里さんが歌うっていうのを今考えていますけどね

U:成る程ね。じゃ、基本的に染谷君が作る曲は、もう榊原さんが歌うっていう前提なんだよね。そういう作家的なソングライティングとも言えるし。

S:まあ、さっきの話しにも関連しますけど、割と女性的な視線というか。難しい制約が多いですよね。永井の曲とか聴いて、なんか永井がこういうものを作ったから、同じ様な曲を作ってもしょうがないから、次のアルバムではバラエティにするために違うタイプの曲を作らなきゃなっていうのもありますし。

U:つまり、染谷君はバランサー的な役割をしている訳ね。
デビュー・アルバムについてですが、レコーディングはいつから始めて、何ヶ月位掛けたのかな?

S: 9月の半ばから10月の終わりですから、2ヶ月半位ですね。
リリースはもっと早くする予定だったんですけど、色々と延びたんですよね、いろいろな事情があって。

U:次に曲毎の着想と、モチーフを話して頂きたいのですけど。
先ずは、「町は雨降り」。これを聴いた時にニュー・ソウルっぽい匂いもするし、特にバース2からサビに転調するラインなんかは。

S:僕自身、転調するとこって考えて理論的に転調する場合と、偶然転調しちゃった場合があって、そっちは何だろ、例えば、イヴァン・リンスっぽい転調とかを意識的に使った時もあるし、サビ前なんかはメロディーが先に着て転調したって感じなんですよ。
だから、メロディーを歌ってみて合うコードを探して、それで転調してったって感じで。

U: そこの転調するコードのハモリ方がニュー・ソウルっぽいんだよね。だから、ブラジルのスティービー・ワンダーと言われるイヴァン・リンスなのかな。コード進行に独自性があって、何回聴いても飽きないよね。そこが、Lampの特徴になっているのかな。

S:目指している所の一つではあるんですよ何というか、僕の場合は1曲をモチーフにすることはなくて、最近好きな5、6曲を詰め込んでいく感じというか。イヴァンも特にコピーしたとかは無いんですけど、ああこういう転調してみたいな、とか。

U:刷り込まれている訳ね?自分の好きな音楽が。で、自分が曲作った時にも出てくる。染谷君の中でも気に入っている曲なんじゃ?

S:そうですね。ってか、普通に作って普通だなって思って。ライヴでやったら周りの人が「それ、いい。」っていうから、その反応が良かったっていう部分もあるんですけど。

U:後、歌詞の方にも触れたいんですけど。何ていうか凄く老成化しているよね文学的というか。

S:影響を受けているといえば、つげ義春とかの漫画の方なんですけど。漫画の雰囲気とかを言葉だけで出せたらって。まあ、そこまで考えてるかどうかはあれなんですけど。

U:次は「今夜の二人」。もうこれは、シュガー・ベイブ、伊藤銀次の流れだと思ったんだけど、やっぱりこれは意識したの?

永井裕介(以下 N):これは元々ロック寄りのハードな感じのバンドでやろうと思っていてもうちょっと歪んだ感じでやっていたんですよ。
そのバンドが終わって、染谷先輩の家でギター一本でフォークみたいな感じでやっいて、それをLampでやろうってことになって、染谷先輩が大体のアレンジをやって。直接シュガー・ベイブを意識したって事は全然ないですけど。

U:要するに結果的になったって事?自然に知らず知らずの内に刷り込まれているから
好きな音楽に近くなっていくって感じだ。

S:そうです。結果的に好きな音はいっちゃうかなっていう。

N:そうですね。自分達がやるとどうしても自分達の好きな感じにしかならないですからね。

S:逆に好きな感じじゃないとやりたくないからね。

N:で、未だ、S&Gからの影響は上手く出せてない。

S:でも、まあ、直接は出せてないけど間接的には何かしらやっぱり、ポール・サイモンからの詩の影響っていうのはあるね。
例えば「For Emily, Whenever I May Find Her 」の詩とか大好きなんですよ。でも、出ないんですよね。聴いてみても。

U:でも、それが潜在的な部分で表れているかも知れないからね。
では、ヴォーカリストとして榊原さんにですが、今回のアルバムの中で一番苦労した曲というのは、やはり「街は雨降り」かな?

榊原香保里(以下 K):そうですね。これは、そうですね。

S:でも、レコーディングの時はパッと歌えなかったかな?

K:私ってレコーディングの時はパッと歌えちゃう方なんで、余り時間は掛からないですね。
最初は駄目なんですけど、2、3回目位には。そうじゃないと、段々嫌になってきちゃって疲れちゃう。

U:成る程。ところで、今回はどういうスタジオで録ったの?

K:エンジニアの人の家だったんです。戸とか襖とかあって。

N:多分想像出来ないと思うんですけど、普通の日本家屋なんですよ。人里離れている訳でもないんですけど、周りに家が余りないんですよ、迷惑なんですけど(笑)畳の上でドラムセット用意して。

S&K:(笑)

U:凄い環境だね(笑)。何かもう70年代のウッドストック・サウンドとか「ホソノ・
ハウス」の世界じゃない。今日は本当に貴重な話をどうもありがとうございました。

Lamp:『そよ風アパートメント201』
ギターの染谷太陽、ヴォーカル、ベースの永井裕介、ヴォーカル、フルート、アコーディオンの榊原香保里からなるグループの1stミニ・アルバム。
染谷、永井とタイプの異なるソングライターが綴る曲には、独特な詩世界による情緒とメロウ・サウンドが溶け合う「輝く季節」を感じさせる。平均年齢23歳の彼らには今後も期待したい。
(ウチタカヒデ)

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