2002年11月26日火曜日

☆Various:『Ed Sullivan's Rock'n'Roll Classics』(Rhino/R2 976082) DVD



99年に日本で LD ボックス( LD のみクリスマス・スペシャル番組のボーナス・ディスクあり) がリリースされ、その後昨年には DVD ボックス(5枚組)もリリースされたエド・サリヴァン・ショーだが、アメリカでリリースされたこの DVD ボックス(9枚組)は、なんと日本でリリースされたものとは選曲が違っていた。よってその違いのみ紹介しておきたい。
日本のものは99年に日本で LD ボックス( LD のみクリスマス・スペシャル番組のボーナス・ディスクあり) がリリースされ、その後昨年には DVD ボックス(5枚組)もリリースされたエド・サリヴァン・ショーだが、アメリカでリリースされたこの DVD ボックス(9枚組)は、なんと日本でリリースされたものとは選曲が違っていた。よってその違いのみ紹介しておきたい。
日本のものは99年12月29日のレビューを参照していただきたい。
さて、個人的な趣味で語らせてもらうが、アメリカ盤のみに入った主要なものを紹介すると、ビートルズの "All My Loving" 、ビーチ・ボーイズの "Wendy" (イントロのギターをカールが間違える)、ローリング・ストーンズの "Time Is On My Side" 、CCR "Fortunate Son" 、フィフス・ディメンション "Wedding Bell Blues" (寸劇調になっていて面白い)など。
逆に日本盤にしかないのがビートルズ "Help" (ジョンが歌詞を間違える)、ビーチ・ボーイズ "Good Vibrations" (よく見るカラーの映像)、ローリング・ストーンズ "Satisfaction" 、ヤング・ラスカルズ "Good Lovin'" 、 "Groovin'" (このボックスのハイライト。見事な演奏)、ラヴィン・スプーンフル "Daydream" 、スパンキー&アワ・ギャング "Sunday Will Never Be The Same" 、フィフス・ディメンション "Stoned Soul Picnic" があり、さらにバーズ、タートルズ、バンドは日本盤にしか入っていない。
トータルで見てどうみても日本盤の方が内容がいい。アメリカ盤はビートルズ、エルヴィス・プレスリーなど同じフィルムを2回使っているものが幾つもあり、Rhinoにしては首を傾げたくなるセレクトだ。
値段は日本盤ボックスが19,000円、アメリカ盤ボックスが20,608円 (どちらもamazon.co.jpの通販価格)とアメリカ盤の方が4枚も多くてほぼ値段が変わらないのは、高すぎる日本盤の価格を浮き彫りにする。
箱のレイアウトは文句なしアメリカ盤の勝ち。(佐野)


2002年11月25日月曜日

Radio VANDA 第 32 回選曲リスト(2002/12/05)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA
は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

特集Christmas

1. The Now Sound Of Christmas ... Free Design('68)15US Air ForceChristmas Special
 
The Proper Ornaments(Alternate Version) ... Free Design('68)
2.Let All Mortal Flesh Keep Silence ... Free Desin('68)
3.Close Your Mouth(Alternate Version) ... Free Design('68)
4.Christmas Is The Day(Alternate Version) ... Free Design('68)
5.Shepherds And Wisemen ... Free Design('68)
 
Reprise:The Now Sound Of Christmas ... Free Design('68)
6.Little Saint Nick(Single Version) ... Beach Boys('63)
7.Frosty The Snowman ... Ronettes('63)
8.Christmas(Baby Please Come Home) ... Darlene Love('63)
9.Excelsis Deo
O Come All Ye Faithful ... Four Seasons('62)
10.Have Yourself A Merry Little Christmas ... Happenings('66)
11.Rudolph The Red-Nosed Reindeer ... Ventures('65)
12.Happy Xmas ... John Lennon & Yoko Ono('71)
13.Wonderful Christmastime ... Paul McCartney('79)
14.Father Christmas ... Kinks('77)
15.On Christmas Day ... Brian Wilson('00)



2002年11月22日金曜日

オオタユキ: 『第七話』(HRCD-015)

 

世の中にはまだまだ若い才能が隠れているものだ。 今回紹介する『第七話』は、若干23歳の新鋭女性シンガー・ソングライター、オオタユキのファースト・ミニ・アルバムである。 

彼女の紡ぎ出す作品は一人の女性の極めて等身大の姿を綴った歌詞と、オールド・タイミーなテイストが漂う、独特の気怠さを持つ曲とが毛糸で編み上げられた様な優しさと温かさに溢れている。その透明感溢れる歌声も相まって、マリア・マルダーからリッキー・リー・ジョーンズらをこよなく愛する往年のファンにも好意的に受け入れられるかも知れない。各曲、生のピアノとギターを軸に最小限の打ち込みを足した演奏なのだが、彼女の世界を誇大演出する事無く効果的に構成されている。

冒頭の「メロディー」の歌詞には一瞬ドキリとさせられるが、幼気さが残るプリミティヴな言葉使いには魅力を感じてしまう。 ヴォーカルに呼応する右チャンネルのレイジーなギターのフレーズも心に浸み入る素晴らしさである。アレンジ的にも最も完成されているのは「36°C」だろう。ピアノを基調にハモンド・オルガンのアクセントがドラマティックに曲を展開させる。 70年代初期の典型的SSWサウンドがソウル・フィーリングで彩られた様に幸福な融合性が瑞々しいのだ。 これは古くならないアレンジの典型であり、有能なシンガー・ソングライターを陰で演出するプロフェッショナルなスタッフの存在をひしひしと感じさせる。
(ウチタカヒデ)

2002年11月21日木曜日

☆GARO:『アンソロジー1971-1977』(ソニー/MHCL183-4)



ガロの素晴らしい作品集がリリースされた。
このアルバムはガロの全シングルAB面をシングル・ヴァージョンで順に収め、未発表曲、解散後のソロ作品まで追加した究極のベストである。
まず6曲に及ぶアルバムとは異なるシングル・ヴァージョン/ミックスだが、例えば "一人でいくさ" が3分3秒と少し長いなど、こういう細かい所まできちんと配慮されていた。コレクターにはたまらない。
注目の未発表曲は "姫鏡台" と同時期に録音されたというすぎやまこういち作の "春のボート" 。全編スリーパートのハーモニーで歌われるガロらしい爽やかな佳曲である。
ガロ作品ではソロはマーク、トミー、ヴォーカルが各3曲づつ収められた。すべて初 CD 化のレア音源ばかり。
どれも個性が出ていて楽しめるが、個人的ベストはマーク(堀内)のソロ。キャッチーなフックで冒頭から引きこまれる "風の館" 、スリーフィンガーのギターとファルセットのハーモニーが実に美しい "眠い夜明け" 、そして解放感のあるポップなメロディ、サウンドが見事な "銀河旅行" は、トーネイドーズの "テルスター" のフレーズが織り込まれて最高の出来。トミー(日高)は徐々に盛り上がる構成のポップチューン "時の流れに" 、ブラスをフィーチャーしたステファン・スティルス調の "My City Girl" 、初期のガロを思わせるメロウなバラードの "夏の終わりに" で、ガロ初期のトミーの圧倒的なポップセンスまでは発揮されていないが、どれもトミーらしい十分な出来だ。
ボーカル(大野)は彼らしい日本的な香りを色濃く漂わせた3曲。選曲はVANDAでもお馴染みの高木龍太さんで、ソロも含めた完全なディスコグラフィー、詳細な解説もさすがだ。(佐野)

GOLDEN☆BEST/GARO アンソロジー 1971~1977