2002年7月12日金曜日

KAWADE夢ムック『ビーチ・ボーイズ』(河出書房新社)



 中山康樹さん監修の充実したビーチ・ボーイズ本が出版された。
やはりビーチ・ボーイズを本当に愛している人間が取り組むと、私のようなコアなファンもうならせる、ポイントを押さえた本が出来るものだ。
中山さんは今まで多くのビーチ・ボーイズ本を出してきた。つい最近でも東京FM出版の『ビーチ・ボーイズ』があり、今度はどうするのかなと思っていたら、中山さんは最小限書くのみで、中山さんの幅広い人脈をフル活用し、「人」を使ってそれぞれの「ビーチ・ボーイズ」をあぶり出した。
若手ミュージシャンからベテラン・ミュージシャン、音楽評論家のみならず文学者や美術作家、はたまたロニー・スペクターからの原稿もあり、いろんなスタンスのビーチ・ボーイズが楽しめた。
ジャン・ベリー、ハル・ブレイン、フィル・スペクターなどとビーチ・ボーイズとの関係のコラム、60年代ビーチ・ボーイズのリアル・タイマーの座談会も面白い。ビーチ・ボーイズ関連の洋書の紹介は初めてだろう。
 そして初めて実現した萩原健太さん、中山康樹さん、そして私を入れた3人でのビーチ・ボーイズのベスト10を選んだ座談会もある。昔NHKでの『Pet Sounds』を語る番組で、その時のコメンテーターにビーチ・ボーイズに興味がない近田春夫を呼んでいて不快なコメントを連発、なんでこんな奴を選んだのかと呆れた事があったが、やはり座談会は本当に好きな人間が集まらないと面白くない。萩原さんを呼んだ所で、この企画は成功していた。話した時間は実は4時間以上、かなり盛り上がった座談会だった。
(佐野)



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