2001年5月9日水曜日

☆Mike Love:『First Love/Country Love』(Parkside/DP00-18-1/2)

マイク・ラブが1978年に制作し、そのままおクラ入りになってしまった2枚のアルバム『First Love』と『Country Love』がブートとして登場した。この内『First Love』は既にハニーズの5曲の未発表曲とカップリングで『The Honeys/Unreleased & Mike Love/First Love』というブートで聴くことが出来たのだが、その内容はメロディ、サウンド共に十分な出来で、発表されたカバー曲ばかりの『Looking Back With Love』をはるかに凌ぎ、なぜ未発表にしてしまったのか未だに理解できない快作だった。マイク・ラブを「ブライアンの才能にすがるだけの無能な男」のような書き方をする人がしばしばいるが、そんな偏見を軽く吹き飛ばす出来なので、ビーチ・ボーイズ・ファンは是非聴いて欲しい。曲はこの当時のコンテンポラリーな作りが施され、冒頭の軽快な "First Love"でまず引き込まれるだろう。キャッチーなコーラス・パートを持つ "Too Cruel"、牧歌的で優しいメロディ・ラインの "Viggie"、親しみやすいバラード "The Right Kind Of Love"に加えて、マイクの隠れた傑作 "Brian's Back"、翌年ビーチ・ボーイズで使われる日本語のない "Sumahama"が収められていた。加えてこのCDにはアルバムのアウトテイクが5曲収められた。『Country Love』はまったく初めて聴くもので、その名のとおり曲はみなカントリー。私は個人的にカントリーが苦手なので『First Love』の方が断然好きなのだが、その中では最もキャッチーな "Wrinkles"がコーラスも爽やかでおすすめ。ただこのCD、音質がよくないのが残念。『First Love』はハニーズと一緒のブートの方が音がいい。(佐野)



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