2000年4月17日月曜日

☆Brian Hyland:『The Joker Went Wild』(Vivid Sound/VSCD742)

 このブライアン・ハイランドのアルバムは、ヒットが生まれなくなったハイランドが、当時ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズでヒットを連発していた敏腕プロデューサーのスナッフ・ギャレットにプロデュースを依頼して作った66年の快作である。アレンジャーはレオン・ラッセル、アル・キャップスと、ベストの「ギャレット組」で作り上げた。出来上がった音はそれまでのオールディーズ色を一掃、キラキラ輝くようなゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのサウンドそのものが再現された。そしてハイランドに若々しさが舞い戻る。このアルバムからは「The Joker Went Wild」が20位、「Run Run Look And See」が25位と、4年ぶりのトップ40ヒットが生まれたが、リフの使い方の上手さ、鉄きんの効果的な使い方はこれぞギャレット・サウンドという仕上がり。リフレインの盛り上げが見事な「When You Touch Me」、ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズと聴きわけがつかない「The Ginie」など「美味しい」曲が目白押し。トニー・ハッチの名作「Call Me」をボサノヴァでアレンジしたカバーも実に爽やかで、この曲はアルバムのハイライトになった。さらにジャック・ニッチェを意識したエコーたっぷりの「3000 Miles」、バッキンガムスのヒット曲のライターとして知られるジム・ホルヴェイとハイランドの共作の「One Night Jimmy」など、聴きどころたっぷり。ブライアン・ハイランドをオールディーズだと無視していた人は是非このCDを聴いてもらいたい。きっと気に入るはずだ。世界初のCD化である。(佐野)


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