2000年3月9日木曜日

☆Pete Townshend:『Lifehouse Chronicles』(Eel Pie)

 『Lifehouse』は未完で終わったピート・タウンゼンドの大作で、その残骸で作った『Who's Next』がフーの最高傑作になったため、もし完成していればと、今や『Smile』のように永遠の幻の名作になっているのは、フーのファンなら誰でも知っていることだろう。その『Lifehouse』は昨年の12月5日のピート自身の手によりBBCでラジオドラマ化され、オン・エアーされた。ピートはネット販売でそのドラマをCD2枚に収録、さらにこの『Lifehouse』を30年ぶりに全貌を明らかにすべくさらに4枚のCDを加えて、CD6枚組のボックス・セットでネット販売した。LPサイズの豪華な箱に、46Pに及ぶブックレットを付け、それがなんとたったの40ポンドなのだから、安いのひとこと。これを買わなきゃもうロック・ファンとは名乗れないぞ。内容的な目玉はディスク1、2のCD2枚、24曲、132分に渡って収められたピートの当時のデモ集だ。ピートのデモの完成度が高いのは有名で、すでにフー時代のデモ集が2セット発売されているが、この『Lifehouse』のデモのクオリティは飛び切り高い。『Who's Next』のピートの全曲、シングルの「Join Together」「Relay」「Let's See Action」「I Don't Know Myself」、『Odds And Sods』の「Pure And Easy」「Too Much Of Anything」「Put The Money Down」、『By Numbers』の「Slip Kid」、『Who Are You』の「Who Are You」「Music Must Change」「Sister Disco」、未発表の「Teenage Wasteland」「Time Is Passing」「Mary」「Greyhound Girl」とそのどれもが素晴らしい。フーの曲はほとんどアレンジが完成されており、ピートの底知れぬ才能に驚かされるばかりだ。ディスク3は大半が最近のライブや新録音ヴァージョン。その中には「Who Are You」の“Gateway"ヴァージョンまである。ディスク4はラジオ・ドラマ用のオーケストラのスコア。そして残るディスク5、6がラジオ・ドラマという訳だ。さっそくeelpie.comへ申し込もう。petetownshend.co.ukよりも直接行ける。(佐野)


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