2009年6月30日火曜日

☆Gary Lewis & The Playboys:『The Complete Liberty Singles』(Collector's Choice Music/CCM2013)

音楽誌は一切読まないのでインターネットのチェックだけが頼りの今日この頃、この大事なCDAmazonのオススメで気づいたという情けない有様だった。
さて我らがゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ。スナッフ・ギャレット、レオン・ラッセルの両巨頭にアル・キャップス、ジャック・ニッチェというポップスの達人が集まって作り上げた彼らの曲は、1965年から1966年に7曲連続の全米トップ10、その後もトップ203曲、トップ301曲と、輝かしい成績を残し、今も多くのポップス・ファン(特にソフト・ロック系のファン)に愛され続けているのはWeb VANDAの読者の皆さんなら周知のこと。山下達郎、大瀧詠一という日本のポップスの2大巨頭が揃ってゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのファンであり、自分の曲の中に彼らの曲を取り入れている(「土曜日の恋人」に「We'll Work It Out」、「君は天然色」に「Everybody Loves A Clown」)という事実だけでも、彼らの曲がどれだけ魅力的なのかよく分かるだろう。さて、このCDはタイトルのとおりゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズの歴史のほとんどといってもいい1965年から1970年までのリバティ時代の全シングル曲をAB面ともに集めたものだ。全45曲、18曲が初CD化、「May The Best Man Win」、「Main Street」、「Every Day I Have To Cry Some」、「Gary's Groove」の4曲がはじめてアルバム化された曲で、「Mister Memory」は未発表曲である。そのほとんどがディスク2、後半に集中している。ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのヒット曲がどれだけ素晴らしいかを書き始めるといくら紙面があっても足りないし、またWeb VANDAの読者の方は耳タコだろうから一切、書かない。いくつか気づいた点のみ書いておこう。未発表の「Mister Memory」は「Rhythm Of The Rain」に差し替えられてボツになってしまった曲だが、チャチで貧弱な「Rhythm Of The Rain」に比べ、メロディ、サウンドの全てで上回るなかなかの佳曲で収穫だった。初CD化の曲ではロン・ダンテが書いた「Ice Melts In The Sun」がキャッチーなチューンで注目、「Happiness」はエコーたっぷりでいかにもジャック・ニッチェだ。既にCD化されたがロッド・マクブライエンが2度もカバーした「Let's Be More Than Friends」も心惹かれるメロディを持つ傑作である。ちなみにこのCDで曲目としては全てがだぶってしまった『The Legendary Masters Series』だが、この盤の「My Heart's Symphony」のみイントロにスタジオノイズとカウントが入っているので、決して手離してはいけないので要注意。また私が選曲させていただいた東芝EMIの『ベスト・オブ・ゲイリー&ザ・プレイボーイズ』(これでしか聴けない「Young And Carefree」、「Elusive Butterfly」、「How Can I Thank You」という名曲もあるので未入手の方は是非)の「Sure Gonna Miss Her」はシンコペーションのついたキーボード(木琴?)が入った歯切れのいいシングル・ヴァージョンなのだが、今回のベストや前述の「Legendary...」など、他のベストの全てが音のスカスカなアルバム・ヴァージョンを使っているのは残念だ。特に本盤はシングル集と名づけているのでこれではCompleteとは言い難い。(佐野)




2009年6月22日月曜日

John Bromley:『Songs』(Rev-Ola/CRREV 281)


 John Bromley(ジョン・ブロムリー)は、60年代にThe KodellsやThe Three People(ピーター・ポール&マリー・スタイルの男女3人のヴォーカル・グループ)のメンバーとして活動後ソロに転向し、ソングライターとしても知られたマンチェスター出身のアーティストだ。 本作は69年にリリースされた、ブロムリーの唯一のソロアルバム『Sing』全曲と、ボーナストラック16曲を追加した初のCD音源である。

 ジャッキー・デシャノンの「Come On Down (From The Top Of That Hill)」(67年)の作者として、またはシャーリー・ベッシーのアルバム『I Capricorn』(72年)などのプロデューサーとして、熱心なポップス通に知られるブロムリーだが、アーティストとしての活動はアルバム『Sing』1枚とシングル5枚をリリースしたのみでその後は裏方に回った様だ。
 本作の元となったオリジナル・アルバム『Sing』のプロデューサーはSharon Tandyなどを手掛けたGraham Dee。オーケストレーションなどアレンジを主導したのはDeeとの仕事も多いGerry Shuryで、キーボーディストとしても貢献している。因みにShuryはトニー・マコウレイとThe Fantasticsを手掛けた他、ビージーズや「Kung Fu Fighting」で知られるカール・ダグラス(元ゴンザレス)などを手掛けるなど70年代も大いに活躍していた。
 アルバム全般でバッキングを担っているのは、第二期キング・クリムゾンに参加するゴードン・ハスケルや後にブリティッシュ・スワンプの名作ソロを発表するブリン・ハワースを配したFLEUR DE LYS(フラ・デ・リーズ)で、随所で彼らの名演が聴けるのもポイントの一つだ。 シンガーとしてのブロムリーはテクニックや表現力こそ一級とはいえないが、トニー・バロウズあたりを彷彿させる瞬間があって曲の世界を見事に描いている。
 アルバムのサウンド的特徴は、60年代中後期のサイケデリック・ムーブメントを通過したブリティッシュ・ロックを軸にバブルガム・ポップやソフトロックなどバラエティに富み、プロデューサーとしての視点が早くから開眼していたといえる。
 なお今回の目玉であるボーナストラックであるが、ファーストシングル「What A Woman Does」(68年)のB面「My My」と5枚目のシングル「Kick A Tin Can/Wonderland Avenue」(69年)のAB面のリリース音源3曲をはじめ、4枚目のシングル「Hold Me Woman」と『Sing』収録の4曲の他未発表曲を加えた計13曲のデモ・ヴァージョンが収録されている。


Melody Fayre / John Bromley

 それでは本作の聴きどころを少々説明しょう。3枚目のシングルにカットされたバブルガム・ポップ風味の「Melody Fayre」、ハワースのヘヴィなギター・リフの導入部からストリングスを配したパートへと展開するアレンジの完成度が高い「So Many Things」。 トラフィック時代のデイヴ・メイソンを思わせるアーシーなヴァースの流れからポップなリフレインが耳に残る「Sugar Love」、ポール・マッカートニー直系で木管を配したシャッフルの「Old Time Mover」や、オールドタイミーの麗しい「Weather Man」。
 ボーナストラックでは未発表曲が断然素晴らしく、ビートルズ初期のジョン・レノンのソングライティングを彷彿させるバラードの「For Once in My Life」や「All the People in the World」は、独特な喪失感を漂わせて好きにならずにいられない。 ロストサマー感覚でメランコリックな「Comic Conversation」は、ウエッブの「Wichita Lineman」やブライアンの「Surf's Up」にも引けを取らない隠れた名曲で、この1曲だけで本作を買う意味があるかも知れない。
 なおアマゾンで流通している2種の米盤だがどちらも内容は同じなので、5月末に取り扱いが始まった方が、安価で流通も安定しているのでそちらをお勧めする。

 (テキスト:ウチタカヒデ

2009年6月19日金曜日

Radio VANDA 第111回放送リスト(2009/7/2)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。



特集:Johnny Rivers


 1. Secret Agent Man

 2. Memphis

 3. Maybelline

 4. Mountain Of Love

 5. Midnight Special

 6. Poor Side Of Town

 7. Baby I Need Your Lovin'

 8. The Tracks Of My Tears

 9. By The Time I Get To Phoenix

 10. Carpet Man

 11. Tunesmith

 12. Sidewalk Songs/27th Street

 13. Do What You Gotta' Do

 14. Rosecrans Boulevard

 15. The Eleventh Song