2018年10月23日火曜日

FMおおつ(79.1MHz)へのラジオ出演について / 鈴木英之


113日(土)久々にFM番組に出演します。参加させていただくのは今年41日に滋賀県大津市に開局したFMおおつというコミュニティ局の「この人に聞きたい」(11001255)というインタビュー番組になります。なお私のFM出演は、著書『よみがえれ!昭和40年代』(小学館)を発売した2012年にFM清水以来となるので、約6年ぶりとなります。また放送メディアへの登場としては、昨年6月の『chouchou(シュシュ)』(テレビ朝日/ナビゲーター:夏目三久さん)以来なので、約1年のぶりブランクでということになります。



では、ゲスト出演させていただくFMおおつについて簡単に紹介しておきます。局の最寄駅としては、JR湖西線大津京、京阪石坂線大津京(旧:皇子山)になります。周波数は「79.1MHz」で、放送時間は6002100、送信出力は「10w」ということなので、受信可能地域は滋賀県大津市に限定されます。


今回出演のきっかけは、今年の1月に朝日新聞で開局の記事を発見しそこに書かれていた代表の古田誠氏のプロフィール記事に興味を持ったことに始まります。彼は「毎日新聞」の記者から、「和歌山放送」の編成技術部長を歴任された方です。学生時代には故大瀧詠一氏の「Go!Go!Niagara」のヘビー・ユーザーとして氏と親交も深く、何と大瀧氏の曲に作詞を提供したことがあります。その曲は1979年にKingレコードより発売された「ビックリハウス音頭」(GK-324)のB面で高橋章子さんが歌った「ある乙女の祈り」です。その事実は、よほどコアな大瀧ファンでもない限り知るはずのない事例で、このレコードを古田氏が所有されているかも不明です。そんな記事の末尾に「パーソナリティー随時募集」という記事を発見し、119日に面談に出かけ、面接担当者が同世代という事もあり30分予定が1時間を超すものとなりました。結果は「時間枠の改編状況待ち」ということで、採用時用のスナップ撮影を済ませ、クールの調整待ちということになっています。


今回のゲスト参加は、これまでいくつか企画を提出しているので、ウォーミング・アップのような出演になります。この日は「文化の日」に制定されている「レコードの日」を話題に、インタビューされるというものです。ちなみに、この日が制定されたのは2015年で、発起人となったのは、当時アジア圏で唯一となっていたレコードプレス工場を擁していた東洋化成社です。この日は現在低迷する音楽業界で復調の兆しを見せているアナログ・レコードを新旧織り交ぜて集中してリリース・ラッシュしようという活動で、いわばアナログ・レコードの祭典という催しです。



ということなので、113日はレコードが発明された日ではありません。ちなみにレコードの発明は1877126日にトーマス・エジソン(U.S.A.)が錫箔円筒(すずはくえんとう)蓄音機を公開実験した日になります。このシステムは「フォノグラフ」と命名され、後にこの日は「音の日」に制定されています。ただこの当時のシステムは、音楽用途の想定はなく、目の不自由な方むけの補助機器として開発されたようです。


そして現在のレコード(CDDVD,BDにも)につながる円盤型メディアの歴史は、18879月にエミール・ベルナU.S.A.)がワックスを塗った平円盤レコードと蓄音機を発明した「グラモフォン」に始まります。これが、現在のように水平のターンテーブルに載せて再生するシステムです。とはいえ、当時の収録時間は10インチ(25cm)で3分、12インチ(30cm)でも5分ほどだったらしいです。捕捉ながら、このシステムが日本で紹介されたのは、18996月東京・浅草に開店した蝋管蓄音機店三光堂になります。

今でも骨董品として一般にも有名な「朝顔型ホーン付円盤蓄音機」は19029月にRCA.VictorU.S.A.)から発売されました。これはポリ塩化ビニール盤を鉄針の振動を利用して再生するもので、現在のようなダイヤモンドやサファイヤの宝石を使用した永久針で再生するシステムが開発され、1948621日にColumbiaU.S.A.)から発売されています。その後、それまでの12インチでも30分という長時間収録できるLong PlayLP)が発売されました。さらに翌1949年にはRCA Victor17cmで58分収録できる「ドーナツ盤」が発売となり、これらは後のジュークボックスの攻勢に繋がっています。

このような歴史をたどってレコード(アナログ・ディスク)は誕生し、現在に至っているわけです。なお、アナログの売上は音楽産業の飛躍と共に巨大化の一途をたどり、ピークの1980年には1811.6億を記録するまでになっています。この金額を現在で例えるとすれば、「民泊事業」や「手芸業界」、大リーグのマイアミ・マーリンズの売り出し価格などに相当します。

ところが1980年代にはいりCDが登場するとレコードの売上は減少する一方で、10年後の1990年には約1/10相当の18.14まで衰退し、1989年には製造主力事業社だったソニー社がアナログ・レコードの生産から撤退しています。とはいうものの、もう一つのアナログ・ソフトであるカセットはウォークマンやカーステレオ向けに売上は上昇しています。1988年には何と1008.12億(最近の規模で例えるなら、くら寿司などの昨年業績)と、レコード売上げ(332.06億)の3倍を記録しています。これは車のCDデッキ搭載が高級車(TOYOTAのソアラやスープラなど)にしか装備されていなかった事や、カセット再生装置が安価でかつ年配者にも取り扱いやすいといった利点があったからではないかと判断されます。世界的に見ても、アフリカなどはかなりの時期までカセットが主流だったと聞きます。

とはいえ、日本においてデジタルメディアCDの売上は右肩上がりで上昇し、1998年に6060.1億(業界総計6256.26億)までに膨らみ、音楽産業は活況化の一途をたどっていきます。そんな業績好調のCDでしたが、21世紀入ると新しく登場した配信(ピークは2009909.82億)に浸食されるようになります。ところが、このように新しいメディアが登場したにもかかわらず、世の中の趣向の多様化(一般には携帯の大躍進といわれる)で2006年以降は業界全体の業績は毎年10%近いダウンというのが現実です。

このように業界全体が収縮傾向の中、2010年に1.7までしぼんだアナログ・レコードは、その後堅調ながら売上をアップさせていきます。そして、昨年2017年には1980年代末期並の19.16億(2001年以来の100万枚超え)を記録。そんなアナログ市場の活況化の兆しに大手のソニー社が2017年には再参入し、商業的なレベルで市場が活気づいています。さらに同社は2018321日に29年ぶりの自社生産レコード発売が報道されました。

このように、現在の音楽産業は厳しいものですが、今またアナログ・レコードが見直されています。そんな訳で、1970年の高校入学以来40数年という長年のコレクターの私が、アナログ・レコードの話題で、番組に登場します。聴取できる範囲のお住まいの方は、是非チェックしてください。なお放送内容は、オンエア終了後に投稿する予定です。

また、このFMおおつには「Niagara Moonがまた輝けば♪」という大瀧ファンが食指をそそるようなプログラムもあり、コミュニテイとはいえあなどれないFM局です。もし受信地区にお知り合いがいるようでしたら、一度79.1MHzの聴取をお奨めください。
(鈴木英之)

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