2011年11月6日日曜日

☆Association:『And Then...Along Comes』『Renaissance』『Insight Out』『Birthday』(Deluxe Expanded Mono Edition)(Now Sounds/Crnow25,27,29,15)

60年代のLPは、1968年頃まではステレオ盤とモノラル盤が並行して発売されていた。当時のリリースの後は、ステレオ盤が主流になり、モノラル盤は忘れられた存在になる場合が多かった。モノラルミックスは、特にビートルズの場合、そのために別に作業をしたため、一聴してわかる別ミックスが多く生まれ、コレクターズ・アイテムになっていたが、『Beatles In Mono』としてまとめてリイシューされ、大評判になったのは記憶に新しい。その後、Deluxe Editionという形でのリイシューだとステレオとモノの両ミックスを入れることが主流となったのは嬉しい限り。フーの『Sell Out』の「Our Love Was」のようにまったくの別テイクが使われている場合もあり、モノは今、最も待ち望まれているリイシューの方法である。ただ、まだローリング・ストーンズやビーチ・ボーイズのような大物のモノ化が進んでいない中、ポップス系はさらにお寒い状況だったのだが、今回、イギリスのNow Soundsが、アソシエイションのモノラル盤がリリースされていたアルバム4枚(内『Birthday』はDJコピーだけが作られた)を、2in1ではなく、モノラルだけでリイシューしたのは画期的なことだ。こういったモノ化の流れが60年代リイシューの基本になるよう、期待したい。
では『And Then...Along Comes』から。このアルバムに限らず、モノはヴォーカルがミックスの関係で力強く感じる場合が多く、そこが魅力なのだが、そのあたりはキリがないので、この4枚とも一切記述しない。このアルバムでは「Message Of Our Love」のモノが3秒長い。ボーナストラックに移るが、目玉はなんといっても初登場の未発表曲「Better Times」だ。カート・ベッチャーとリー・マロリーのミレニウム・コンビ共作による曲だが、Brother ChainActaレーベルからのシングルとして、カート自身がプロデュースしていた。その曲のアソシエイション版があったとは驚きで、今回のモノリイシューとは関係ないが、一番の発見である。ボールルーム風のポップな好ナンバーだが、この当時のアソシエイションには合わなかった感がある。ハーモニーも美しい。初リイシューの「Where Were You(=I'll Be Your Man」のシングル・ミックスには顕著な違いはない。「Along Comes Mary」「Remember」「Your Own Love」「Better Times」「Where Were You(=I'll Be Your Man」のインストは当然初登場だ。その他ヴァリアントの最初のシングルが入っていたが、既にリイシュー済の曲。ついでに「Enter The Young」の再録音版をここに入れてくれれば『Association's Greatest Hits』は不要になったのだが。
Renaissance』は、モノの「I'm The One」が11秒も長い。これは最後の繰り返しのコーラスが、ステレオが7回なのに比べモノは10回目の途中まで入っていた。「Looking Glass」はモノが最短、ステレオは5秒長く、モノのシングル・ヴァージョンは7秒長く最長だった。シングル・ヴァ―ジョンがサウンドも一番厚い。ライブでのメンバー紹介用に使っていた「The Machine」はRhinoの『Just The Right Sound』に続き収録されていたが、Rhino盤に入っていたアソシエイションのJubileeからのデビューシングル「Baby I'm Gonna Leave You」(Led Zeppelinでお馴染み)がここには入っていないし、そのB面の「Baby Can't You Hear Me Call Your Name」は今回のリイシューにも入らなかった。このあたりまで丁寧にやってもらいたかったが...。その他では「Memories Of You」「No Fair At All」「Songs In The Wind」「Angeline」「Pandora's Golden Heebie Jeebies」「Looking Glass」のインストが初登場。『Insight Out』のモノでは「Happiness Is」が8秒長く、最後のリフレインがステレオの6回に比べ8回だった。このCDのボーナストラックの目玉は、今回のリイシューのもうひとつの目玉である未発表曲の「Autumn Afternoon」である。アドリシ兄弟の書いたナンバーで、重なりあい余韻をひく極上のコーラスワークはアソシエイションそのもの。未発表だったのが惜しい好ナンバーである。「Sometimes」「Requiem For The Masses」のシングルヴァージョンは初リイシューだが顕著な違いは感じられなかった。「We Love Us」「When Love Comes To Me」「Windy」「Sometime」「Never My Love」「On A Quiet Night」のインストは初登場だ。Birthday』のモノには特にステレオに比べ長い曲はない。このCDのみボーナストラックがないが、ソフトロック史上、いやポップ史上に残るこの超名盤の、DJコピーのみ存在するモノラル盤が聴けるのだから、それだけで満足だ。(佐野)



アロング・カムズ・メアリーRenaissance (Deluxe Mono Edition)





 ウィンディバースデイ

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