2015年12月9日水曜日

☆Beach Boys:『Beach Boys' Party Uncovered And Unplugged』(Capitol/B0023853-02)

本作は、1965年リリースの『The Beach Boys' Party』にプラス、50テイクに及ぶ膨大なこのアルバム用の未発表パーティー・セッションを収録したものだ。例によってamazonは相当前に予約したのに発売予定日を過ぎて入荷予定は1月というトンデモない対応、私は既に在庫があったディスクユニオンで購入したが、タワーでも買えたようだ。最近amazonは予約しても最初から在庫ショートと信用できないので、タワーの方が信頼できるかも。さてまず既発表の曲だが、このオリジナル・アルバムと『Good Vibrations Box』に「Ruby Baby」が入ったので、これらの曲は、完成ヴァージョン以外に2~5テイク程度収録されている。ただし「Papa-Oom-Mow-Mow」は1テイクのみだった。これらのテイクは、途中で笑いだして終わっていたり、それぞれ収録されたテイクまでの流れを聴いてみてほしい。ちなみに「Little Deuce Coupe」はある程度普通に歌ったヴァージョンとアルバムのリズムを変えた単独ヴァージョンがあり、「I Get Around」はおふざけで短く終わったものだけが単独であった。アルバムのものはリハーサルを積んだものというよりノリで歌ったメドレーがそのまま収録ヴァージョンになったことが分かる。「Barbara Ann」は最初短くブライアンがリードを取るがファルセットではなく、2テイク目からディーン・トーレンスがファルセットのリード・ヴォーカルを歌い完成していく。だから最後にThank you Deanという言葉が入っている訳だ。さてこれから未発表曲集。イントロこそコードだが、「California Girls」はハーモニーもスムーズで、いい出来だが、きれいに歌っても目立たないと判断されたのか、ボツになった。「Don't Worry Baby」は流れの中でイントロが演奏で出てきただけ。ビートルズ・カバーでは「Ticket To Ride」があったが、歌詞を覚えていないようでコーラスのみユニゾンで歌う適当なもの。逆に完全に使う寸前だったかなと思わせたのがローリング・ストーンズの「Satisfaction」で、あのリフを弦で弾くものとコードで弾くものが収録されたが、乗りも楽しさも十分で、アルバムに入っていても違和感はなかったが落とされていた。さらにボブ・ディランではアルが歌う「Blowin' In The Wind」があるが、これにはおふざけはまったくなく、単独で12弦ギターの弾き語りできれいに歌っていて、収録を検討したが、外されたのだろう。ソニー・ボノの1965年の当時最新ヒット「The Artists(Laugh At Me)」は形を変えて2回登場、がなって歌うタイプの曲なので、マイクの趣味のようだが収録レベルではない。マイクはレイバー=ストーラー作の曲が好きなようで、コースターズで1956年のスマッシュヒット「One Kiss Led To Another」と、ロビンズが歌った1954年の大ヒット「Riot In Cell Block No.9」(注:後に歌詞を変えて「Student Demonstration Time」として『Surf's Up』に収録)は2テイク、そして「Smokey' Joe's Cafe」と、みなハーモニーも付けられ、楽しいパーティー・セッションになっていたが、当落線上ではやや下のレベルだったことが分かる。その場のただのノリで入ったアドリブ曲もあり、マッコイズの「Hang On Sloopy」からライチャス・ブラザーズの「You've Lost That Lovin' Feelin'」、「Twist And Shout」であっという間終わるおふざけセッションや、「Heart And Soul」を歌っているうちに「Long Tall Sally」のリフレインで終わってしまうもの、最後の最後にブルースがニール・セダカ作の「The Diary」を一瞬歌うもの、演奏だけの「The Boy From New York City」もあった。なお、ビーチ・ボーイズ伝説のブートレッグ『Unsurpassed Masters Vol.10』がこの『Party』のアウトテイク集だったが、曲として使えるレベルだった「Blowin' In The Wind」「One Kiss Led To Another」「Riot In Cell Block No.9」「The Artists(Laugh At Me)はこのブートには入っておらず、「Ticket To Ride」や「Hang On Sloopy」~「You've Lost That Lovin' Feelin'」~「Twist And Shout」のおふざけセッションや、最後にブルースがニール・セダカ作の「The Diary」歌うセッション、演奏だけの「Don't Worry Baby」「The Boy From New York City」なども入っていなかった。そのかわり、本CDでは3テイクずつだった「Hully Gully」が9テイク、「Devoted To You」が6テイク、「Ruby Baby」が6テイク入っていたり、「Smokey' Joe's Cafe」のラフな練習が入っていたりしたが、目玉は無く、『Unsurpassed Masters Vol.10』は完敗である。なお『Hawthorne,CA』と『Made In California』に収録されていたパーティーノイズの無い「Barbara Ann」「Devoted To You」「There's No Other」などはダブるが、本CDは、オリジナル・アルバムの部分も含め強力なリミックスを施されているので、全て新ミックスと言っていいだろう。(佐野邦彦





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