2011年8月4日木曜日

『トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代』(P‐Vine BOOKs)



昨年10月米で刊行された、トッド・ラングレンのプロデュース・ワークスを綴った初のオフィシャル・ブック『A Wizard, A True Star : TODD RUNDGREN IN THE STUDIO』(ポール・マイヤーズ著)の全訳本が出版されたので紹介したい。

本書は68年にナッズのファースト・アルバムでレコード・アーティストとしてデビューし、その後ベアズヴィル・レコードのハウス・エンジニア及びプロデューサーとして裏方の仕事を経験したトッドが、スタジオの魔術師として開花していく姿を、本編全23章に渡り、トッド本人の他各時期に関わったアーティストやミュージシャン、エンジニアなどのべ80名を超える貴重な証言を元に編集され丁重に構成されている。翻訳を手掛けたのは、『フィル・スペクター 蘇る伝説』や『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』などでも知られる奥田祐士氏。

ザ・バンドからニューヨーク・ドールズ、グランド・ファンクからXTCまでとジャンルレスに関わった数多のアルバムは、大凡一人のプロデューサー(エンジニア)が手掛けたとは思えないのであるが、本書を読む進む内に彼なりのプロデュース・センスが垣間見てくるから面白い。
また何れのアーティストに対してもプロフェッショナルな姿勢を常に崩さず、的確にアドヴァイスし合理的に完成形へと導いていく。正に理想的なプロデューサーといえるが、ソロ・アーティストとしても一筋縄ではいかないトッドだけに、クライアントであるアーティストとの衝突も多かったようだ。
振り返れば彼が手掛けたアルバムが転換期になったアーティストは数多い。その裏付けとして彼がどれ程優秀なプロデューサーだったかを異口同音に語られていて胸が熱くなる。
トッドのファンは元より、ミュージシャンやエンジニアなど音楽に携わる全ての方も読むべき書であることは間違いない。
(ウチタカヒデ)


(第8章に登場するTV番組「ミッドナイト・スペシャル」での「Hello It's Me」のパフォーマンス)

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