2001年10月2日火曜日

☆Various:『Buttercups & Rainbows,The Songs Of Macaulay & Macleod』(Sanctuary/347)



遂にトニー・マコウレイとジョン・マクレオドの作品集がリリースされた。これで2001年のリイシュー大賞は決まった。この後、どんなアルバムが出ようが、このクオリティを凌ぐものはない。全てのポップミュージックを愛する人は必ずこのアルバムを購入しなければいけない。これは義務。この CD を聴かずしてポップミュージックは語れない。35曲もの全英トップ20を生み出した天才ソングライター/プロデューサーのトニー・マコウレイだが、彼はパイ・レコードの専属プロデューサーとして60年代に多くの名曲をパイのアーティストに提供した。マコウレイが最も旬のこのパイ時代の作品を一挙43曲も集めた究極のソングブックが本作なのである。ファウンデーションズは "Baby Now That I've Found You" 他7曲、フライングマシーンは "Marie Take A Chance" 他3曲、ピケティウィッチは "(It's Like A) Sad Old Kinda Movie" 他3曲、ペーパードールスは "Someday" 他3曲、ロング・ジョン・ボードレーは "Let's The Heartaches Begin" 他3曲と、既に CD 化が完了している大物はまずおいしい所をしっかり押さえている。そしてジェフェーソンの "Baby Take Me In Your Arms" 、マーマレードの "Baby Make It Soon" ももちろん収録。さて、これからはお楽しみの初 CD 化の曲を追っていこう。まずは完全未発表だったジェファーソンの "Love Grows" にビックリ。あの上昇していくリフがないが、ヴォーカルの魅力はトニー・バロウズと対等だ。そして最も楽しみなのが曲自体、初めて聴くものになる。その中ではシャッフルビートの洒落たDavid Garrickの "Rainbows" 、キャッチーなメロディと流麗なサウンドが素晴らしいSweetcornの "Catch Me,Catch Me" をはじめ、高揚感のあるイントロと展開が心地よいDavid Essex "Just For Tonight" 、パワフルなヴォーカルとマコウレイ・サウンドが一体となったアップの Committee "Sleep Tight Honey" 、力強いビートが爽快な Sandra Barry "Stop Thief" 、親しみやすいCarl Wayne "You're A Star" が特に印象に残る。イントロから耳をひき、頭の4小節で心を捕らえ、マコウレイしか書けないキャッチーなフックで夢中にさせてしまうこれらの曲はまさに「マコウレイ・マジック」だ。あと、マコウレイの相棒であるジョン・マクレオドもいい曲を書くのだが、その7曲のマクレオド作品ではSaffronsの "Baby Baby I Can't Let You Go" が、そのキャッチーさ、爽やかさでマコウレイ作品と比べても一歩も劣らない。マクレオド作品にも是非、耳を傾けてほしい。(佐野)
Buttercups & Rainbows: The Songs Of Macauley & Macleod

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