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2026年5月17日日曜日

TOYONO:『夢の続き』

ネオシティポップへ リオからの回答

 和製ブラジル音楽シンガー・ソングライターのTOYONOが、音楽活動デビュー25周年記念を飾る今年、7thアルバム『A Delicadeza do Instante 瞬間の繊細さ』からの先行シングルとして、竹内まりやの『夢の続き』(unchantable records / UCT-065)をカバーして、アナログ7インチで5月27日にリリースする。


 前作『黒髪のサンバ』(VICL-64639)から、実に10年振りとなるニューアルバム『A Delicadeza do Instante』には期待が高まるばかりだが、その完成度を計り知れるのが、この7インチ『夢の続き』と言えるだろう。
 オリジナルは竹内まりやの15thシングルとして1987年7月にリリースされた、映画『ハワイアン・ドリーム』(監督:川島透)の主題歌で、竹内のソングライティング、夫である山下達郎がプロデュースとアレンジを務めていた。同年8月の7thアルバム『REQUEST』にも収録され、同アルバムはキャリア初のミリオンセラーとなり、竹内の代表作となったのは弊サイト読者ならご存知だろう。「夢の続き」はその重要曲とされるが、後の2010年代中期のシティポップ・リバイバルで世界的に注目された竹内の「プラスティック・ラヴ」(1984年4月)と同様、この曲もクラブDJに人気が高く、今回の7インチシングルにもAKAKAGEことDJ兼音楽プロデューサーの伊藤陽一郎による、フロア仕様リミックス・ヴァージョンをカップリグ収録している。因みに伊藤は『黒髪のサンバ』に収録された「brasilian colors」の作曲者でもあり、以前からTOYONOサウンドに貢献していた。

マルコス・スザーノ
(Marcos Suzano)

 日本においてブラジリアン・ミュージックに大きく貢献してきたTOYONOが、シティポップ・ナンバーの中でも人気の「夢の続き」を、リオデジャネイロ在住の現代MPBプロデューサー兼マルチプレイヤーのギリェルミ・ジェ(Gilherme Gê)と、オンラインにより共同で再構築した結晶がこのカバー・ヴァージョンなのだ。
 そもそもTOYONOにジェを推薦したのは彼女の師匠である、世界最高峰のパンデイロ(ブラジリアン・タンバリン)奏者のマルコス・スザーノ(Marcos Suzano)で、今回のリオ・レコーディングにも参加しているのが嬉しい。その他にもジェの音楽仲間のクラウディオ・インファンテ(Claudio Infante)がドラム、マルセロ・レゼンデ(Marcelo Rezende)がコーラスで加わっている。
 1990年代にパンデイロ奏法に革命を起こしたスザーノについては説明不要かも知れないが、日本の音楽界にも信奉者が多く、THE BOOMの宮沢和史から山崎まさよしなど著名アーティストにまでその影響力は及んでいる。なおスザーノがギタリストのレニーニとのユニットで1993年にリリースした『Olho De Peixe(魚眼)』は一家に一枚の必聴アルバムであることを付け加えておく。

TOYONO「夢の続き - Album Original version -」Teaser

 原曲では山下が好んで聴いていた、当時のCameoやIsley Jasper Isley等からの影響が強いプログラミングされたリズムトラックを主体とするサウンドで、サビは後に牧瀬里穂に提供した「Miracle Love」(1993年)などに発展していく”竹内まりやイズム“な作風だったが、ここでのカバー・ヴァージョンではBPMを落として、ジェによるアコースティックギターやエレクトリックピアノ、クラヴィネットの刻みに、スザーノの各種パーカッションとインファンテのドラミングが加わって、よりヒューマンなグルーヴになり風通しのよいサウンドになった。これはブラジリアン・ミュージシャンによるリオ・レコーディングのなせる業だろう。
 主役であるTOYONOのボーカルは東京のNK SOUND TOKYOでレコーディングされ、歌詞のテーマである不毛の恋愛からポジティブに立ち直ろうとする姿を、表現力豊かに一級の歌声で聴かせている。
 カップリグのAKAKAGE's Back to 90's Remixヴァージョンでは、シェイク系のややアップテンポなリズムトラックにアダプトされ、90年代ハウスミュージック風のピアノは、大阪を拠点に活動するキーボーディストの岩井ロングセラー(Iwai Longseller)がプレイして、クラブ仕様のサウンドに仕上げている。この7インチのアートワークにも触れるが、なんと、このリミックスをしたAKAKAGE=伊藤陽一郎自身が手掛けているおり、その多才さで八面六臂の活躍をしている。




 2026年にソロデビュー25周年を迎えたTOYONOは、その歩みと新たな挑戦を刻むリオ制作の記念アルバム『A Delicadeza do Instante 瞬間の繊細さ』を携え、5月23日にTOKYO FMホールにてアニバーサリー公演を開催する。
 リオ音楽の革新を牽引し、世界へ響きを広げてきた名手であり、デビュー前からTOYONOを導いてきた世界的パーカッショニストのマルコス・スザーノが、この公演のためだけに来日する。

TOYONO 25 周年記念公演
feat.マルコス・スザーノ(from Rio)
〜ブラジルへの憧れ、歌と鼓動〜

ソロデビュー25 周年を迎えた
ブラジル音楽シンガー・ソングライターTOYONO
その歩みと新たな挑戦を刻む記念アルバムを携え
デビュー前から彼女を導いてきた世界的パーカッショニスト
マルコス・スザーノをブラジルより迎え
TOKYO FM ホールでアニバーサリー公演を開催する。

【出 演】

TOYONO (vocal)

藤本一馬(guitar) / 榊原大(piano) / 宮地遼(bass) / 沼澤尚(drums)
/ maiko(violin) / 橋本歩(cello)

スペシャルゲスト:マルコス・スザーノ(percussion) 

【日 時】2026 年 5 月 23 日(土)

開場 16:30/開演 17:00

【会 場】TOKYO FM ホール

【料 金】全席指定 8,000 円(税込)

【予約】キャピタルヴィレッジ予約サイト:こちらをクリック

【主 催】TOKYO FM

【企画制作】ゲンプランニング/キャピタルヴィレッジ

【後 援】駐日ブラジル大使館/富士急行/調布 FM

【お問合せ】キャピタルヴィレッジ
Tel.03-3478-9999(平日 12:00~17:00)



TOYONO・プロフィール
OL時代に耳にしたブラジル音楽への想いが高まり、歌い手の道を志して単身でリオデジャネイロへ渡る。帰国後、東京を拠点に本格的な音楽活動を開始。
有名DJやブラジルを代表するアーティストとの作品を多数発表し、2016年ビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。
2018年よりFM番組「TOYONO moda brasil」のパーソナリティを務め、ブラジル音楽の魅力を広く発信。深い造詣と語学力を生かし、ブラジルの著名アーティストへ通訳を介さずポルトガル語でインタビューを行うなど、日本とブラジルの音楽的架け橋として活動している。
さらにナレーションや執筆など多方面でも才能を発揮し、新しいブラジル音楽シンガー像を確立している。代表曲「トレス・マリアス」はJAL国際線機内放送に採用されるなど高い評価を得ている。
TOYONO・オフィシャルサイト:https://toyonomoderno.jp/

※TOYONO 『夢の続き』 disk union 予約:こちらをクリック

 (テキスト:ウチタカヒデ/協力:グルーヴあんちゃん

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