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2021年6月15日火曜日

The Pen Friend Club:『Chinese Soup / Mind Connection』(サザナミレーベル/ SZDW1092)リリース・インタビュー

 
 The Pen Friend Club(ザ・ペンフレンドクラブ)が新作7インチ・シングル『Chinese Soup / Mind Connection』を6月12日にリリースした。
 昨年加入した5代目ボーカリストのMegumiが初参加した7インチ・シングル『一本の音楽/八月の雨の日』は即完売しており、コロナ渦で制限されながらもそのライブ・パフォーマンスで会場を盛り上げ、新たなバンドの看板としての彼女の活躍もめざましい。


 この7インチは、2008年4月からスタートしたレコードストアの文化を祝う、年に一度の祭典の一環として本年度の"RECORD STORE DAY 2021 (RSDDrops)"でエントリーしている限定商品(限定プレス)である。この記事を読んで興味をもった音楽ファンは、早期にキャンペーン参加店舗で入手して欲しい。(店舗は文中リンク先で検索可能)
 なおプリティなジャケット画のタッチに見覚えがあるファンもいると思うが、これは2018年12月にライヴ会場限定で発売したRYUTist とペンフレンドクラブ(以下ペンクラ)によるスプリットシングル『Christmas Delights / Auld Lang Syne』を手掛けた青山京子氏による描き下ろしである。

【FULL MV】Chinese Soup / The Pen Friend Club

 本作の解説に入るが、A面の「Chinese Soup(『チャイニーズ・スープ)」はユーミン・ファンなら直ぐに反応すると思うが、荒井由実時代の『Cobalt Hour』(75年)収録で、松任谷正隆がアレンジしTin Pan Alley(キャラメル・ママから移行)の手練なミュージシャン達が参加したオールド・タイミーなサウンドで知られる。同年吉田美奈子が『MINAKO』で取り上げた際は、佐藤博のアレンジによってテンポを上げてブギの要素を加味している。
 今回のペンクラのカバーは吉田のヴァージョンを下敷きにしており、よりハードなブギ・アレンジで料理したところに独自性を感じさせ聴き飽きない。バンド・リーダーである平川雄一のリード・ギターもこれまで彼がペンクラのレコーディングで残した中でもベストプレイである。


 一方B面の「Mind Connection(マインドコネクション)」は、平川以外のメンバーとしては初のオリジナル曲で、アコースティック・ギター兼コーラスのリカがソングライティングを担当しており、A面とのコントラストが面白いピースフルでソフトなサウンドが聴ける。「Country Air」(『Wild Honey』収録/67年)や『Friends』(68年)期のビーチボーイズを彷彿とさせるカントリー系のゆるいビートで、アコギの刻みにハモンド・オルガンの響きとエレキのリフがアクセントとなっている。間奏ではマンドリンが加わり、サックス・ソロになるという展開はペンクラならではだろう。
 さてここでは「Mind Connection」のソングライティングを担当したリカの独占インタビューをお送りする。彼女がソングライティング中に聴いていた楽曲をセレクトしたプレイリスト(サブスクで試聴可)を聴きながら読んでいただきたい。

     

リカ

~また会おうねっていうシンプルな気持ちが
歌詞全体にはこもっていると思います~ 

●まずは今回シングルのカップリングとして、楽曲提供するに至った経緯を聞かせて下さい。 

◎リカ:元々は次作の8thアルバムの為に作った曲でした。7インチ・シングルを出すにあたってB面の候補曲の中に「Mind Connection」が挙がっていたという感じです。 A面の「Chinese Soup」は子供の頃から大好きな曲だったので、そんな曲と自分が初めて作った曲がシングルになったらとても嬉しいなぁと思いました。

●初めて作った曲とのことですが、「Mind Connection」は詞曲共に人生で初めて作ったオリジナル曲ということでしょうか!? 事実なら、それがいきなりユーミンのカバー・シングル曲のカップリングに選ばれるということは快挙じゃないでしょうか! 

◎リカ:そうですね。若い頃は詩を書いたりするのはなんとなく好きでしたが、作曲をしたり、一曲にきちんと仕上げたりっていうのは今回が初めてでした。 私にとってはこのバンドに在籍している事がすでに快挙なので(笑)、本当にありがたい事だと思っています。

●この曲をソングライティングした時期とモチーフなどがあれば教えて下さい。 

◎リカ:この曲は2020年コロナ禍の中たくさんの方がステイホームをしていたあの時期に製作しました。歌詞はコロナ禍の前から少し書き溜めていたものと、ステイホーム中に感じた事を組み合わせて書いています。

●コロナ渦のステイホーム中に書き留めていた世界観が最も滲み出ている歌詞のラインはどの辺りでしょうか? 

◎リカ:Bメロ部分ですかね。物理的には離れていても、何かしらどこかしらで人々は繋がっていられるんだなぁと。今となっては至極当たり前ではあるんですが、良くも悪くも全く知らない人とでも繋がる瞬間が沢山あるのを改めて目の当たりにした感じがあって。
自分の生きている世界が狭いのには変わりないんですが不思議な感覚でした。でもどんな形で繋がっていたとしても、やっぱり大切な人達には会いたいよね、また会おうねっていうシンプルな気持ちが歌詞全体にはこもっていると思います。


~自分の作った曲が、自分の手から離れ、
どんな「ペンクラ・サウンド」に生まれ変わるのか~ 

●オリジナル曲の初レコーディングの様子やエピソードがあれば聞かせて下さい。

◎リカ:ボーカルのMegumiさんの歌録りの時にスタジオで初めてボーカル・ディレクションをさせてもらいました。自分の考えを言葉で伝えたり、その瞬間で判断したりっていうのがやっぱり難しくて、自分は誰かに指示を出したりっていうのは向いていないんだなぁ〜と改めて思いました(笑)。 結果的にMegumiさんがご自身で録った仮歌の方が良いと感じたのでそちらを採用してもらいました。

●ボーカル・ディレクションとは貴重な経験でしたね。作者として曲の世界観を表現させるのは大事ですからね。この曲のコーラス・アレンジもリカさんでしょうか? また「Chinese Soup」も含めリズム・セクションのレコーディンでのエピソードなどはなかったでしょうか? 

◎リカ:コーラスに限らずですが、全体のアレンジに関しては全てリーダーやメンバーにお任せしました。自分の作った曲が、自分の手から離れ、どんな「ペンクラ・サウンド」に生まれ変わるのか。それを一人のリスナーとしてワクワクしながら聴いてみたかったんだと思います。
「Chinese Soup」はシングル「Along Comes Mary」の時の様にドラムとベースは同時にレコーディングしていました。ブースの外からも見ていましたが、ライブの時のような2人のコンビネーションが感じられてやっぱり凄く良いですよね。
「Mind Connection」のドラムでは祥雲さんが2番のAメロにロールでのフィルを入れてくれて。録る前には「成功するか分からないけど」って言っていましたが、バッチリ決まって歌詞とリンクしているように感じるフレーズでとても気に入っている部分のひとつです。
メンバーみんなが自分の曲と向き合ってくれている時間を思うと、とてもありがたいですね。完成した曲を聴いた時は本当に感無量でした。


~『Friends』の空気感が合いそうと言われて、      
こちらから何も言わずともそこが伝わったのが
とても嬉しかったです~ 

●ソングライティング中、イメージ作りで聴いていた曲を10曲ほど挙げて下さい。 またその理由もコメントして下さい。 

 ■When A Man Needs A Woman / The Beach Boys 
 (『Friends』/ 1968年) 
◎この曲を聴いてこんな可愛い曲が作りたいなと思いました。1番のイメージソースです。Mind Connectionのアレンジを考える上で、リーダーからアルバム『Friends』の空気感が合いそうと言われて、こちらから何も言わずともそこが伝わったのがとても嬉しかったです。 

■Isn't It Time / The Beach Boys
 (『That’s Why God Made The Radio』/ 2012年) 
◎ペンフレンドクラブへの楽曲という事もありましたので、ビーチボーイズはやっぱりひと通り聴いて、この曲も可愛いくて良いなと思いました。リズミックな曲につい惹かれてしまいます。

■Dave's Song / Whitney(『Light Upon The Lake』/ 2016年)
◎曲を作るぞ〜ってなった時にホイットニーはよく聴いていました。近年のお気に入りバンドです。ポップさの中に哀愁や憂い、懐かしさや温かさもあって、そういう入り組んだ感情を呼び起こしてくれる楽曲が好きです。

■Found My Way To You / Stealers Wheel
 (『Right Or Wrong』/ 1975年)
アルバム製作の為に70年代の空気感を集めたくてその時代の音楽をよく聴いていました。Stealers Wheelはしっかりビートルズフォロワーだけど自分達の色に落とし込んでいる感じがしてとても好きです。ジャケも最高です。

■Happy Hawaii / ABBA(『Arrival』/ 1976年)
◎ABBAは有名曲しか知らなかったんですがアルバムを聴いたらかなり好みで、この曲はタイトル通りハワイアンなゆったりした雰囲気もあるけどビートが効いていてカッコいいなと思いました。

■Harlequin 2 / Heron(『Heron』/ 1970年) 
◎結構フォーク・ロックのような雰囲気にもハマっている時期でした。この曲は、イントロの不安感を煽ってくるような音がとても怖いし不思議な世界観ですが妙に癖になっていました。

■Help Me / Joni Michell(『Court And Spark』/ 1974年) 
◎確かステイホーム時の細野晴臣さんのラジオでこの曲のどなたかのCoverが流れてきて凄く気に入りました。ジョニ・ミッチェルはあまり聴いてこなかったのですが、とても独創的で美しい曲だなぁと思いました。

■Wah-Wah / George Harrison(『All Things Must Pass』/ 1970年) 
◎このアルバムを没頭して聴きながら夜中ひたすら歩いていた記憶があります。この曲のメロディーや歌声、音像を聴いた時のこの気持ちはうまく言葉で表せないですが、胸がギュッとなります。

■悲しみのない世界 / 坂本慎太郎(『まともがわからない』/ 2013年) 
◎これは曲の空気と自分の気分がマッチしている時があってリピートで聴いていたりしました。坂本さんは、生み出す世界観や、歌詞の語感、メロディーへの乗せ方などとてもリスペクトしている部分が多いです。この曲は男女のダブルボーカルなのもツボです。

■朝ごはんの歌 / 手嶌葵(『コクリコ坂から歌集』/ 2011年) 
◎映画「コクリコ坂から」の劇中で流れる曲で、昔から大好きでコピーしたりしていました。こちらは作曲時に聴いていたわけではないのですが、コード進行を考えている時にふとこの曲の事を思い出しました。



●最後に本作『Chinese Soup / Mind Connection』のアピールをお願いします。

◎リカ:ペンクラの中でもかなりノリノリでゴキゲンなロックンロールナンバーな「Chinese Soup」と、メンバーのお陰で優しく温かな楽曲に仕上がった「Mind Connection」。 
そんな両曲の対比と共に新しいペンクラ・サウンドぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです♪ 


(インタビュー設問作成/文:ウチタカヒデ) 

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