フレネシ作★令和アイドル・アンセムの傑作!
新潟を拠点に日本国内で活動するアイドルグループ、MEWCATUNE(ミュキャチュン)が、才女フレネシからのタイトル曲提供によるニューシングル『もう物語なんていらない/きっと正解』を4 月1 日にリリースする。
世楽みこと、兎咲くるみ、夏萌りんな
彼女達MEWCATUNEは、2021 年の夏にローカルアイドルの聖地とも言われ、弊サイトでも紹介しているNegiccoやRYUTist(2024年12月に無期限活動休止)でも知られる新潟で結成された。「MEW=猫の鳴き声、CAT=猫、TUNE=旋律」をグループ・コンセプトとし、様々なジャンルで活躍するクリエイター陣から提供された楽曲とキュートなパフォーマンスを特徴とする新進気鋭の5 人組アイドルグループである。
月10 本程のペースで、ホームタウンである新潟だけに留まらず、都内や全国各地で積極的にライブパフォーマンスを披露している。今年2月と3月には東京(西永福JAM)と新潟(新潟LOTS)でワンマンライブを開催し、大盛況のうちに終了させている。
ここでは筆者による詳細解説に加え、本タイトル曲を提供して、Megu(Negicco)に提供した『めしませルルボン』も記憶に新しい、シンガーソングライターのフレネシへのインタビューと、ソングライティングやレコーディング時にイメージ作りで彼女が聴いていたプレイリストをお送りする。
タイトル曲「もう物語なんていらない」は、アップテンポでビートを強調しながら複雑な構成を持つアイドル・アンセム(賛歌)だ。散文詩的歌詞にはアイドルとその推し活層の機微がちりばめられていて、これまでのアイドル・ソングにはあまりなかったテーマといえよう。
ソングライティングとアレンジ的にはドラマティックなサビから始まる歌謡曲的転回で、フラットな歌唱がキュートで初期Perfumeの「wonder2」(「エレクトロ・ワールド」CW/2006年)に通じるバース1、それとサビを繋ぐアンニュイなバース2でサビに戻る。2コーラス目頭にはチャイニーズ・スケール風アルペジオを持つブリッジ・パートがあるなど、相対性理論をはじめとするゼロ年代サウンドのカラーが強く、作者であるフレネシのソロ作に通じる一筋縄ではいかぬエッセンスも潜んでいてまったく聴き飽きない。マニアックながらキャッチーなフックを持ったヒット性のあるシングル曲に仕上がっている。
全てのトラックのプログラミングはフレネシ自身が担当し、ブランクを全く感じさせない絶妙な譜割りのキック(バスドラム)やスネアの音色など、そのセンスは相変わらずだ。生のエレキベースはポップユニット“フラッシュバックあの人”を主宰し、フレネシのバックバンドにも参加していた山口洋輔がプレイしている。
カップリングの「きっと正解」は、京都を拠点とする音楽グループ“EMERALD FOUR”を主宰する足立大輔がソングライティングとアレンジを担当した躍動的なギター・ポップだ。足立がプレイしたと思しき複数のギターを構築して多重録音されており、ティンパニーを入れたり、唐突なマンボのパートが挿入されたりと楽器配置やアレンジにも工夫されていて、この曲も聴き飽きさせない。
特別インタビュー★ゲスト~フレネシ
”MEWCATUNEの5人が持つ、物語に頼らない
「個としての輝き」がこの曲には詰まっている”
●立て続けの楽曲提供で多忙な中、今回もありがとうございます。
プレス向け資料によると、今回MEWCATUNEさんに楽曲提供することになったきっかけは、フレネシさんが以前参加していたxxx of WONDER(オブ・ワンダー:南波志帆、Dr.Usui、フレネシ、岸田メル、Julie Watai)のレーベルA&Rマンが同じことだったからということで、それはいつ頃決まったんでしょうか?
またMEWCATUNEさんについてはオファーされた当時ご存知でしたか?
◎フレネシ:2025年の10月上旬に三宅さんと一度数年ぶりのオンライン会議をして、11月5日に正式オファーをいただきました。その時初めて、MEWCATUNEを知りました。
オファーを受けてから改めてプロデューサーの坂田さんを含めたMTGをし、年内にアレンジまでのFIXを目指して、制作を始めました。
●アイドルグループへの楽曲提供は今回が初めてでしょうか?
メンバーのソロとしては、これまでに最近のMeguさんをはじめ何回かあったと思いますが、声質の異なる複数のボーカリストによって歌うことを前提にする訳で大変だったかと。
パート毎にソロを取るメンバーを選んでいくとか、サビではユニゾンとハモらせるパートをどこで分けるなど、ソロとは違いますからね。
◎フレネシ:グループへの楽曲提供は初めての機会で、他の作家さんの提供曲をじっくりと聴きこみました。
各メンバーのパート分けはプロデューサーの坂田さんが担当しています。コーラスのラインについては試行錯誤しましたが、最終的にはユニゾンとなりました。
●正式オファーから曲作りとアレンジFIXまでのスケジュールがややタイトですね。本作「もう物語なんていらない」のテーマやコンセプト作りについてですが、MEWCATUNEさん側からはどのようなリクエストがあったでしょうか?
例えば、フレネシさんのこれまでのソロ曲の中から挙げられたとかですね。
◎フレネシ:坂田さん、三宅さんからリファレンスとして挙げていただいたのが、私の楽曲2曲で…「GO ROPEWAY」的な王道ギターポップ・ソング・テイスト、「渚のアンドロメダ」に入るドラム要素があると盛り上がりそう、と具体的にリクエストをいただきました。
これらの楽曲は、私の作品としてはやや異質なロックテイストで、得意分野ではないだけに「あの感じですね!」と即座に再現できるサウンドではなかったため、作詞作曲までの骨組みを完成させた後、実はアレンジでかなり苦戦しているのです。何をどれだけ足しても何か足りないまま、という。
●成る程、盛り上がるアップテンポな曲でというオーダーだったんですね、確かにフレネシさんの世界観からはやや異質だったかも知れません。
そんな状況下で曲作りやレコーディングの時期と特筆すべきエピソードをお聞かせ下さい。今回のレコーディングは一人多重録音ではなく、以前フレネシのサポート・メンバーでアレンジも手伝っていたベースの山口洋輔(フラッシュバックあの人)さんも参加していますね。このあたりの経緯は?
◎フレネシ:アレンジャーとしては私よりずっと先輩で、メジャー、インディー問わず数多くお仕事をこなしている彼とは、普段から音楽制作の相談に乗ってもらう間柄で…。今作では、ギターのプログラミングが入った時点で音源を聞いてもらったところ弾きたいと申し出てくれて、ベースのトラックを送ってくれました。それがばっちりハマり、さすがだなあと。山口君の音は、もはやフレネシサウンドの要ですね。生ベースの存在がグルーヴの輪郭を明らかにするというか。足しても足しても足りない何かを、ようやく埋めてくれたような。
そして、アレンジ段階でスランプに陥った際、長谷川カオナシさんにも相談しまして…「このラインにはコーラスがハマりそう」だとか「サビのキメはタイミング合わせるといいかも」など、具体的なアドバイスをいただき、ありがたかったです。それらのアイディアを本作のアレンジに取り入れています。
さらには、製作途中で迷いが生じた時、谷山浩子さんにも背中を押していただいて…相談できるミュージシャンが身近にいるありがたみを感じます。
●旧知の山口さんの他、昨年フレネシさんがアレンジャーとしてソロアルバムに参加した長谷川カオナシさん、そのアルバムに同じように参加されたレジェンド・シンガーソングライターの谷山浩子さんなど、音楽活動再開後に知り合った方まで相談できるミュージシャンが多くいることは頼もしく、ありがたいことですよね?
◎フレネシ:それは本当にその通りだと思います。
一人で悩んだ末にお蔵入りした曲は数知れず。悩みを言語化するだけでも、回路がつながって解決の糸口が見えることもあったりしますね。
●本作「もう物語なんていらない」の曲作りやアレンジ、レコーディング中のイメージ作りで聴いていたプレイリストをお願いします。
フレネシ・リファレンスプレイリスト
★MEWCATUNE『もう物語なんていらない』
Ma jeunesse fout le camp…/Françoise Hardy
(アルバム『Ma jeunesse fout le camp...』1967年)
GALZ XYPHER/COCONA from XG
(Single『GALZ XYPHER』2022年)
※アルバム未収録のデジタルリリース作品。
アイドルばかり聴かないで/Negicco
(アルバム『Melody Palette』2013年)
ラッキーカラー/SHY(アルバム『ずっとラプソディ』2007年)
Go Ropeway/フレネシ(アルバム『ドルフィノ』2013年)
渚のアンドロメダ/フレネシ(アルバム『ゲンダイ』2012年)
ミュンヘナーCMソング
(1980年代後半〜90年代初頭の静岡ローカルCMソングとして有名)
◎フレネシ:この内容で補足説明がないと「なぜ…」となりそうなので、一言ずついいでしょうか。?
フランソワーズ・アルディの『Ma jeunesse fout le camp...』が描く、若さが去りゆく際の空虚な美しさに、(音楽シーンに限らず)現代社会全体に蔓延る「物語への過度な依存」を重ね合わせたんです。
Negiccoの「アイドルばかり聴かないで」は、楽曲の主題を三宅さんに相談したところ「そういえばそんな曲ありましたよね、アイドルがアイドルばかり聴かないでって歌う…」とこの曲を挙げていて…無意識のうちに小西さんプロデュースのこの曲に影響を受けていたのだと思います。
ちなみに私の推しを一人挙げるとするならば、それはXGのCOCONAさんですが、今作のプロットを考える上で、最初に出会った衝撃のソロラップMVを振り返るなどしました。
ラッキーカラー/SHYは、プロアクティブのCMソングで00年代の後半によく流れていた曲なんですが、商品と映像とががっちりイメージできるこの曲みたいなポップさを目指したい、と参考にしました。
ミュンヘナーのCMソングも同じですね…これは、子供のころにしか聞ていないハズなのに今も歌える。キャッチーなCMソングには学びが多いです。
●最後に本作「もう物語なんていらない」のアピールをお願いします。
◎フレネシ:音楽の聴き方が2010年辺りから明らかに変わってきてるね、って話をスタッフと最近したところです。私たち(主語が大きいかもしれませんが)の世代を束ねて縛っていたスノビズムはもはや鳴りを潜め、体裁のための言い訳を用意せずとも堂々とオタクを名乗っていい時代。民主化したってことなのかな、とも思いますし、音楽自体は器で、物語を運ぶ装置になったようにも感じます。変化したというより、元来そういうものだったのかも。
本能に訴えかけてくる魅力には抗う必要もないのだけれど、音楽が音楽として教養や物語から独立してただ存在してもいいのではないか…という、私なりの問題提起でもあったりするのですが、そんな理屈は一旦置いておいて。
MEWCATUNEの5人が持つ、物語に頼らない「個としての輝き」がこの曲には詰まっています。発売日は奇しくもエイプリルフール。究極的には「物語なんていらない(いや、いるだろう)」かもしれないですし、4月1日、彼女たちの新しい一面に、ぜひ驚いてください。
●そう言えば、フレネシさん自身の新曲「Undo-Onchi」も3月13日に配信リリースされたばかりですが、”運動音痴”をテーマにしたということで、そんなユニークなテーマにしたきっかけと、同曲のアピールもお願いします。
脱力しそうなテーマと歌詞ですが、洒脱でコンチネンタルなコンポーズとアレンジは、イタリアン映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネやピエロ・ピッチオーニに通じて、好きにならずにいられません。
◎フレネシ:これは、私の何気ない日常からこぼれ落ちた歌ですね。
乙女社主宰のイタルさんが、私のブログに書いた「運動が苦手」という独白を拾い上げて、「運動音痴」というテーマを閃いたそうです。
最初にデモを聴いたときは、「本気でこれを……? 私は一体どんな顔をして歌えばいいの?」と正直戸惑いました(笑)。ですが、アレンジが進むにつれて思わず唸ってしまうほどの名曲に化けていきました。イタルさんの低音ボイスによる合いの手も、絶妙なアクセントになっています。
実は、イントロと間奏のハーモニカの旋律、そしてジャケットの切り絵イラストは私が手掛けています。特にイラストの「ちょっと不機嫌そうな表情」にはこだわりました。
周りの景色も雨も、世の中は案外暖かくて優しい。それなのに、自分だけが取り残されたように孤独で灰色、少しだけ憂鬱……。そんな私の内面を、イタルさんは恐ろしいほど正確に理解してくれているなと感心します。歌っていて、心の底から楽しいと思える一曲になりました。
インフレイションに続いて、いつか、この曲もカラオケに入ってほしいですね。運動音痴で方向音痴…きっと共感してくださる方も多いのではないかと…そんな気持ちでいます。
フレネシ・プロフィール
8歳で、ささやき声しか出なくなる。20歳で衝動的に音楽活動を開始し、大学卒業までの2年間に50曲余りを作曲。
2009年6月、乙女音楽研究社からリリースした初のフルアルバム『キュプラ』が、HMV インディーズチャート1位、カレッジチャート1位を獲得し注目を集める。
その後、『メルヘン』『ゲンダイ』『ドルフィノ』の3枚のアルバムを発表したのち、2014年12月27日のワンマンライブ「フレネシ学園 伝説の終業式」をもって活動を無期限休止。
2020年にストリーミング配信が開始されたことで海外の音楽ファンを中心に新たな注目を集め、 累計再生回数は数千万回に達し 「渋谷系のビョーク」とも称される。
2025年10月31日に11年ぶりの新作『除霊しないで』を発表し活動再開を宣言、さらには12月22日に『おやすみルナモス』を発表し、大きな話題を呼んでいる。
★フレネシofficial site:こちらをクリック
◎関連記事「MEWCATUNEに楽曲提供しました」:こちらをクリック
◎最新配信シングル「Undo-Onchi」
『もう物語なんていらない/きっと正解』:
各種サブスクリンクはこちらをクリック








0 件のコメント:
コメントを投稿