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2025年10月4日土曜日

Shel Naylor 「One Fine Day」

 前回の記事で触れた、『キンクト!~キンクス・ソング&セッションズ 1964~1971(PCD17745)』に、シェル・ネイラーの「One Fine Day」という、キンクスのギタリストのデイヴ・デイヴィスが提供した曲が収録されている。ザ・ベンチャーズの「Walk Don't Run」の影響を受けて作られた曲だそうだ。フリークビートのコンピレーション『The Freakbeat Scene』(Decca-772 467-6)(Deram-844 879-2)にも収録されているので、そこから知られることの方が多いのかもしれない。

One Fine Day / Shel Naylor

 この「One Fine Day」を歌うシェル・ネイラーというのはどういう人物なのか気になって調べてみると、70年代に人気のあったノベルティ・バンド、ルーテナント・ピジョンの中心人物として知られているロブ・ウッドワードが60年代初期に使用していた別名義だそうだ。

Mouldy Old Dough / Lieutenant Pigeon

 英国中部コヴェントリー出身のロブ・ウッドワードは17歳の時、キンクスやトロッグスのマネージャーとして知られるラリーペイジが開催していた、オーキッドボールルームでの新人発掘コンテストに参加。グランプリを受賞し、この時の賞品だったデッカレコードとのレコーディング契約が決まったそうだ。当時ラリー・ペイジは、リバプール・サウンドに匹敵する "コヴェントリー・サウンド" なるものを生み出そうと、地元の才能ある人材を集めていたらしい。プロデューサーとして、シェル・タルミー、マイク・ストーンを説得して参加させていた。"シェル・ネイラー" というのはラリー・ペイジが名付けたそうで、シェル・タルミーへのトリビュートの意味合いがあるよう。

 シェル・ネイラー名義では2枚のシングルがリリースされている。初のシングルはアーヴィング・バーリンのポピュラーソング「How Deep Is The Ocean」(Decca F.11776)。B面は「La Bamba」。「One Fine Day」は翌年の1964年にリリースされたものだ。この演奏には、後にレッドツェッぺリンとなるジミーペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加している。ドラムはおそらく、キンクスの「You Really Got Me」などの演奏でも知られるセッションドラマーのボビー・グラハムではないかと言われている。冒頭に書いた通り、作曲はデイヴ・デイヴィスだけれど、シングル盤にクレジットされたスペルには誤りがあり、"Davies"ではなく"Davis"になっている。B面は「It's Gonna Happen Soon」という曲で、エジソンライトハウス「恋のほのお」などで有名なセッションシンガーのトニー・バロウズ、英国の著名なソングライター、ロジャー・グリーナウェイ、J. Brooksの3人が作曲者にクレジットされている。J. Brooksについては詳しい情報が見あたらなかった。

 「One Fine Day」には、1965年にラリー・ペイジが結成したラリー・ペイジ・オーケストラによるバージョンも存在する。こちらが収録された『Kinky Music』(Decca LK4692)は、キンクスのヒット曲をインストゥルメンタルアレンジしたアルバムで、キンクスに無断で制作したことで裁判沙汰になったそう。このラリー・ペイジ・オーケストラでもジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加している。

One Fine Day / The Larry Page Orchestra



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■カバーアルバム『Back In The Pen Friend Club』
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