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2019年4月30日火曜日

FMおおつ Music Note 4月号


2019.4.27. 15:30~  再放送 2019.4.28. 8:00~

 今回はアニメーションにまつわる音源の特集です。まず最近のアニメの話題としては、昨年発表された細田守監督の『未来のミライ』が、第19回アカデミー賞の長編アニメーションにノミネートされました。残念ながら受賞はかないませんでしたが、この作品の主題歌<ミライのテーマ>を担当したのは私の長年のファンである山下達郎さんでした。
その達郎さんには日本初のテレビ・アニメ「鉄腕アトム」の作者漫画の神様手塚治虫先生をリスペクトしたのが<アトムの子>です。

この<アトムの子>ですが、手塚先生がお亡くなりになったとき、達郎さんはわずか10日間で完成させたそうです。完璧主義者ゆえ納得いくまでレコーディングに時間をかけることで有名な達郎さんにしては本当に珍しいことでした。それ故、達郎さんの手塚先生への並々ならぬリスペクトの想いが伝わってきます。


私も「鉄腕アトム」をはじめとする手塚作品の大ファンで、その憧れから漫画家を目指したこともありました。とはいえ、その当時は「漫画は悪書時代」で、「私が担任のうちは教え子には絶対漫画話読ません!」とPTAに宣言する教師もいたほどでした。何せ、神様手塚先生でさえ、教育委員会から呼び出しを受けて喚問されたという「漫画暗黒時代」でした。ただ私の学校には「価値ある漫画もある!」と図書室に漫画を蔵書にしてくれる金八先生のような理解者黒田昭八先生がいました。ちなみに彼の推薦本は、白土三平先生の「忍者武芸帳」。

では私が漫画やテレビ・アニメなどに夢中になっていた小中学生のころの、ヒーローものから「エイトマン/ 克美しげる」「スーパージェッター/ 上高田少年合唱団

まず「8マン(アニメは、カタカナ書きで「エイトマン」)」は、少年マガジンに連載されていたSF作家平井和正さん原作のSF漫画です。そのストーリーは殉職した刑事がロボットに生まれ変わって私立探偵として活躍するというものでした。そんな8マンのエネルギー補給はシガレット・タイプの吸引式(まるで「アイコス」か「ブルームテック」?)で、今のような「禁煙」が常識となった現在では信じられない設定でした。なお主人公の名前は東八郎(漫才のトリオスカイライン)、そうあの東MAXさんのお父さんと同姓同名!ついでながら、彼の一番弟子は何と「欽ちゃん(萩本欽一さん)」。

ちなみにこの主題歌の作詞は、大橋巨泉さんと共に昭和を代表する司会者の一人マエタケ(前田武彦)さん。
そして「スーパージェッター」ですが、未来からタイムマシン「流星号」に乗って来たタイムパトロール隊員が大活躍するSFアニメでした。私はジェッターの愛車流星号の大ファンで、プラモデルもスケール違いが発売されるほどでした。

中学のころには「流星号」を連想させるようなデザイン(と私は思っていた)の「HONDAクーペ9」に憧れ思っていました。

では「サイボーグ009の歌 / 東京マイスタージンガー」W3(ワンダー・スリー)/ ボーカル・ショップ, 白石冬美, 近石真介(ちかいししんすけフグ田マスオ), 小島康男」


まず「サイボーグ009」から、この漫画は手塚先生にも迫る早熟の天才/ 石ノ森章太郎(当時は、石森章太郎)先生の作品です。私同様、この作品で「サイボーグ」を知った方も多かったかのではないでしょうか?ストーリーはご存知の方も多いかと思いますが、001から009まで9人(性別年齢・国籍も別)のそれぞれ特殊な能力を持つサイボーグ戦士の戦いを描いたものでした。

とはいえ、その革新的な発想が先を行き過ぎていたためか、当時出版社からは受け入れてもらえず、やっと少年キングでスタートにこぎつけたそうです。ところがここでは未完に終わり、後に少年マガジンに引き継がれて完結しています。

ただここでのエンディングは、任務を果たした009002と宇宙空間から大気圏に突入して燃え尽きるという悲劇的なものでした。この設定は読者から抗議が舞い込み、その後先生は逝去される1998年まで出版社を変えて多くのストーリーを発表されていますが、ほとんどが未完でした。

その後、石ノ森先生は数多くの傑作を発表していますが、その中で最も有名なヒーローといえば、現在もその末裔ドラマが放映される「仮面ライダー」ではないでしょうか。余談になりますが、数年前に会社の旅行で石巻(宮城県)に行きました。そこで石ノ森萬画館に寄る機会を持ち、年甲斐もなく「009」や「仮面ライダー」の前で大はしゃぎ!

冒頭で「私は「漫画家志望」だった」とふれましたが、その頃の私は少年週刊誌を全て(サンデー、マガジン、キング、ジャンプ、チャンピオン)購入していました。また漫画家を目指したころには、石ノ森先生の著書『マンガ家入門』をバイブルに投稿を始めました。この本の読者からは数多くの漫画家が誕生したといわれています。

そして「W3(ワンダー・スリー)」。これは手塚先生の「ジャングル大帝」に続く3つ目のアニメ作品で、アメリカでも「The Amazing 3」として放映されています。この作品は当初少年マガジンでスタートしていますが、手塚先生を激怒させる「W3事件」と呼ばれるトラブルがあり、少年サンデーに移籍して別の設定で発表されています。ただ当時の私は全く知らず大人になってその事実を知り、国会図書館で当時の「少年マガジン」を閲覧し、噂どおりとある号で突然終了しており唖然としました。とはいえSF的な発想によるストーリーに夢中になり、中でもW3の愛車一輪駆動カーは憧れでした。
またこの作品でのもう一つの魅力は手塚先生の描く「動物キャラクター」でした。特にW3のリーダー、ボッコ隊長が姿を変えたウサギはとても愛らしかったです。なお先生の動物キャラといえば、大傑作「ジャングル大帝」で確立されていたので、この程度はおてのものだったと思います。補足ながら、個人的に私の好きな「動物ドラマ」は、月刊誌「少年ブック」に連載されていた三匹の犬が主人公の「フライング・ベン」です。

ここまでSFアニメについてお話しましたが、山下達郎さんも大のSFファンで、SFをモチーフにした曲がいくつかあります。その中から「夏への扉」「メリーゴーランド」

今聴いていただいた2曲、まず「夏への扉」はアメリカの作家ロバートAハインラインの同名小説がベースになっています。この曲は現在のライヴでも彼をバック・アップしているキーボード奏者難波弘之さんの1stアルバムへの提供曲でした。この曲を初めて聴いたのは、私が社会人になった197812月の渋谷公会堂のライヴで、その時に一目(耳?)惚れしました。なお達郎さんのヴァージョンは彼がブレイクした1980年のアルバム『Ride On Time』に収録されています。
そして「メリー・ゴー・ランド」は、彼のお気に入りの作家レイ・ブラドベリィの作風をイメージした曲で、名曲「クリスマス・イヴ」が収録され1983年の『Melodies』に収録されています。

SFに関する話はここまで、ここからは女の子向けアニメに移り、まずは「魔法使いサリー/スリー・グレイセス&薗田憲一」「ひみつのアッコちゃん/岡田恭子」

まず「サリーちゃん」ですが、「鉄人28号」や「伊賀の影丸」で知られる横山光輝先生が19667月から月刊誌「りぼん」に掲載開始した「魔法使いサニー」でした。この作品は後に数多く登場する魔法少女物の元祖で、女の子向けテレビ・アニメ第1号でした。ただアニメ化(NET/テレビ朝日:1966.12.)に際し、「サニー」の商標を持っていた家電メーカーSonyから許諾が取れず、「サリー」になったという話は有名です。

とはいうものの、この名前は19664月にニッサンが発売した小型乗用車(1965.12. 公募/800万の応募から1966.2.「サニー」に決定)の名前になっており、時期的にタイミングが悪かったのでは?と思っています。

タイトルが変更になったとはいえ、このアニメは女の子たちだけでなく、多くのアニメ・ファンに評判となっています。それは山田邦子さんによるアニメ最終回のサリーと親友よし子ちゃんの会話のモノマネ、「よっちゃん、本当は私魔法使いだったの」「え、ちっとも知らなかったわ!」が大うけしたことでもわかります
そのよし子ちゃんのセリフ「おやつあげないわよ!」が飛び出すエンディング・テーマ「いたずらのうた」や、初期のエンディング「魔法のマンボ」も主題歌以上に人気がありました。なおこのアニメに使われていた曲の作者は全て「寺内貫太郎役」で有名な小林亜星さん。
次に「ひみつのアッコちゃん」はギャグ・マンガの大家・赤塚不二夫先生が1962年「りぼん」に連載を始めた作品です。私はこのアッコちゃんを見たとき、「<おそ松くん>の彼女<トト子ちゃん>だ!」と思いました。とはいえ赤塚先生も手塚先生のように作品によってキャラが変わる、ディズニーの<スター・システム>(人気キャラが役を演じる)を採用?とも感じました(実際には違った)。

アニメの放映は、「サリー」が終了した翌月の1969年1月で、「サリー」以上に大評判となり、続編や劇場版さらには綾瀬はるかさんで実写化もされたほどの人気作品です。ちなみにこの主題歌の作曲も「サリー」同様小林亜星さんで、第一作アニメのエンディング・テーマでお馴染み<すきすきソング>(歌:水森亜土さん)も亜星さんです。

なおこのアニメは、何回もリニューアルされていると紹介しましたが、その度にパパとママの職業が変わっています。まず第一作では「船長と専業主婦」、二作目では「ニュースキャスターとイラストレーター」、そして三作になると「カメラマンと芸術家」になっていました。これは当時の女の子たちの憧れだったと言われています。あなたのリアタイ「アッコちゃん」は?

アニメから始まった、変身するときと戻るときの呪文,「テキマクマヤコン○○になぁれ」(テクニカル・マジック・マイ・コンパクト)と「ラミパスラミパス・ルルル」(スーパーミラーの逆さ読み)、これはアニメ化に際して考案されたものです。

では女の子向けアニメをもうひとつ、19674月に始まった「リボンの騎士」。この作品はあの『ベルサイユのばら』にも大きな影響を与えたともいわれたストーリー少女漫画の先駆けといわれる金字塔で、<モーニング娘>のキャストでミュージカル化もされています。なお主人公サファイヤのモデルは元タカラジェンヌの淡島千景さんです。
なおこの作品は4編あり、第一作は1953年「少女クラブ」、1958年にはサファイヤの子供たち(男女の双子)が主人公の続編(双子の騎士)が発表されました。その後1963年には第一作を大幅にリニューアルした物語が「なかよし」に連載され、アニメ化された67年には「少女フレンド」で、先生の原案で別の作家による書下ろし新作が発表されています。私は小学校の頃床屋にあった単行本「双子の騎士」を見たのが最初で、数年後に「手塚治虫大全集シリーズ」で「リニューアル版」が単行本となり、その重厚なストーリーにはまりました。ただ、ラスト作は手塚先生自身が<失敗作>と公言し、未だ単行本化されていません。これも「W3」同様に国会図書館で、発表当時の「少女フレンド」を閲覧し、確かに6話で終わらせてしまったのがわかるような無理な設定でした。

ちなみに主題歌には<インスト>、主語<僕>、主語<私>と3パターンあり、<私>ヴァージョンのみアレンジが違っています。エンディグの「リボンのマーチ」も含め、アニメのサントラはシンセサイザーの大御所冨田勲さんによるものです。彼は手塚先生のアニメ音楽を数多く手掛けており、代表作の一つに「ジャングル大帝」があります。

さて、最後はこの当時にお馴染みだったCMソングを聴いていただきます。まずは、「ジャングル大帝」のスポンサーだった(今は亡き)サンヨー電機のカラー・テレビ「サン・カラーの歌」、歌っているのはエノケンこと榎本健一さん。当時、サンヨー電機はカラー・テレビの販売推進のために、日本初のカラー・アニメーション番組のスポンサーになったと言われています。カラー・テレビの普及率が低かったころ、新聞のテレビ欄に「カラー放送」と印字、カラー放送番組にはブラウン管の隅に「カラー」とテロップが映っていました。

次はNHK連ドラの影響で「チキンラーメン」が発売以来最高の売れ行きとなっている「チキンラーメン」、同時期に発売された「エースコック・ワンタンメン」。この袋麺のCMも「ぶたぶたこぶた~」のフレーズでお馴染みでした。なお1980年頃には関西限定販売で、関西出身の後輩に土産を頼んでいたこともありました。
そして商品よりも「きん、ぎん、パぁ~る」のフレーズが有名だったライオンの洗濯洗剤「ブルーダイヤ」。このプレゼント・フェアは洗剤が発売された1965年から(1973年のオイル・ショックで一次中断)2008年まで、約40年も続いていたというから驚きです。ちなみに、景品は現物直接封印ではなく、「当選引換券」が入れてあったということです。この曲を書いたのはCMの達人、小林亜星さんで稀に彼本人の歌うヴァージョンが流れたこともあったようでした。

そしてCMのトリは「鉄腕アトム」のスポンサーだった明治製菓から、「ブルー・ダイヤ」と同じく亜星さん作のCMで「明治チェルシー」。この曲は「コカ・コーラ」のCM同様にいろいろな人たちが歌っていますが、きわめけつけといえば「こぉ~いびともいなぁ~いのにぃ~♪」のシモンズですね。

本日の「アニメ特集」のラストは、アコースティックギターの名手、押尾コータローさんのセカンド『Love Strings』に収録されていた「リボンの騎士主題歌」です。

ということで、今月から始まりました「Music Note」、来月は昨年516日に亡くなられた西城秀樹さんを一周忌に偲んで追悼特集をお届けする予定です。なおWOWOWではこの命日に秀樹のライブ映像を含む大特集が放映されます。
(鈴木英之)

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