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2017年6月28日水曜日

☆Favorite Musician 全音源コレクティング第10回:THE RONETTES(Philles及び60's)


自分のコレクティングはUS/UK問わず60年代から70年代半ばまでの男性ミュージシャンに集中し、女性ヴォーカルはコンポーザーとプロデューサー関連で入るだけで、その比率は驚くほど少ない。女性グループ単品で集めているのは、ロネッツしかないと言っていいだろう。好きなのはフィル・スペクターのプロデュースでのPhilles時代である。スペクターは間違いなく自分のサウンドの美学は自分の妻になったヴェロニカがいるロネッツに傾注していて、Wall Of Soundはロネッツで完成させようとしたと思う。Philles時代のロネッツの未発表曲のクオリティは圧倒的で、他を寄せ付けないことで明らかだ。ロネッツはスペクターに出会う前のガールグループ時代の曲の魅力的なのでそれも加えてある。そしてこだわったのはPhilles時代のステレオ音源である。スペクターの「Back To MONO」のイメージ戦略、ブライアン・ウィルソンの片耳の聴力が悪いことから、ブライアンの才能が最も輝いた同時期の『Today!』『Summer Days』『Pet Sounds』がモノで作られたことから、「モノ至上主義」のようなリスナーがいるが、自分はステレオが好き。ビーチ・ボーイズのトゥルー・ステレオ化は最高の楽しみだったし、スペクターのステレオはとてもいいのに封印してしまっていることに納得がいかない。70年代にはLPでステレオ盤が普通に売っていたのだ。「ステレオは横の広がりだが、モノは縦の広がり」というスペクターの言葉は、未だに自分の心に響かない。シングルはモノ盤のほうのカッティングが良く迫力あるサウンドで楽しめることがある事は分かる。ただしAlternate Versionとしての比較でモノの勝ちといった印象。昔、お茶の水にあった半地下のレコード屋でシングルを買った時にオヤジに「家ではモノ針を使ってる?スピーカーもモノだよね?違うの?まだまだだね」と言われた時に非常に不快だった。ベストコンディションで聴いた方がいいのは分かるが、好き嫌いはこっちで決めるし、人には指図されなくない。ロネッツに話を戻すと、ヴェロニカは歌い方にクセがあり、70年代以降は興味がない。1990年代に六本木のSweet Basil139に来日した時に行ったが、あのパンパンに張ったダイナマイトボディ(?)には相当ひいた。見ない方が良かったな。

 

THE RONETTESPhilles及び60's

☆オリジナル・アルバム

1964 『Presenting The Fabulous Featuring Veronica2011 Reissue (Sony Legacy)※『Phil Spector Presents The Philles Album Collection(Box Set)』にモノラル盤が収録。なお1990年に日本のM&MからリリースされたCDのみステレオ盤。ステレオ盤はかなり違っているので、CD化しないのはもったいない。「Walking In The Rain」のステレオは6秒長くウォーオオーと上昇していくヴェロニカの声が聴こえる。「Do I Love You」と「(The Best Part Of) Breakin' Up」のステレオは5秒短い。「I Wonder」のステレオも10秒短いがバックのストリングスが大きくミックスされている。「Be My Baby」のステレオは5秒短いが間奏のストリングスの音圧が強くステレオは壁から飛び出してくるように聴こえるので個人的には内容は上。「You Baby」のステレオは6秒短いため、モノの最後のブレイク前にフェイドアウトしてしまう。「Baby I Love You」のステレオはフェイドアウトが15秒も短いが、間奏で飛び出すストリングスの音圧、歌が始まってからのリズム隊が迫力満点で、ステレオの方が「Be My Baby」以上に魅力がある。「How Does It Feel」は22秒、151秒、222秒で演奏がブレイクする時のコーラスがモノには歌詞があり、ステレオはウーウーウーウーウーで歌詞がない。そしてステレオは5秒短い。「Chapel Of Love」のステレオは3秒短くフェイドアウト時のアドリブヴォーカルが聴こえない。US96

 

☆必要なコンピレーション(ライブ参加含む)

1963  VariousA Christmas Gift For You From Philles Records』※単品でもモノラル盤が毎年リイシューされるクリスマス・スタンダードである。1991ReissurePhil Spector:Back To MonoBox Set)』(Abkco)にも単品収録されていて本作でRonettes3曲が単独作品。このクリスマスモノCD以外に本BOXだと他にPhilles時代の未発表曲「Keep On Dancing」「Soldier Baby Of Mine」「Woman In Love」、Crystals名義で後日発表されたがRonettesが歌っていた「Girl Can Tell」も収録されているので必要。これらの曲は1975年にPhil SpectorPhilles時代の未発表トラックを集めたVariousRare Masters Vol.1』(Phil Spector International)にロネッツの64年録音の「Girl Can Tell」、65年録音の「Paradise」「Soldier Baby Of Mine」「Woman In Love」と、VariousRare Masters Vol.2』(同)に64年録音の「Keep On Dancing」、65年録音の「Everything Under The Sun」「I Wish I Never Saw The Sunshine」「Here I Sit」が初登場し、そのクオリティの高さにみな驚愕したもの。なお、本クリスマス盤にはステレオ盤があり、1974年にWarner-Spectorから『Phil Spector’s Christmas Album』のタイトルで、ステレオで数年間リリースされた。しかしステレオはCD化されていないまま。ステレオの広がりも個人的には大好きで、ステレオのCD化を強く希望するが、フェイドアウトしないアレンジが多いので尺などの違いはない。

1963 CrystalsThe Crystals Sing The Greatest Hits Volume 1』※2011 ReissueSony Legacy)※VariousThe Philles Album Collection(Box Set)(Sony Legacyの中にオリジナルのタイトルで収録されているが、ここにはRonettesが歌った「The Twist」「Mashed Potato Time」「Hot Pastrami」とVeronicaではなくNedra Talleyがリードを取った「Wah Watusi」が収録されている。

1963 Murray The K.’s Holiday Revue:Live From The Brooklyn Fox1996 Reissue(Magrum)※「Be My Baby」の1963年のライブ収録。

1963 『KYA’s Memories Of The Cow Palace(Autumn)1963928日の「What’d I Say」のライブ収録。83年にRhinoからリイシュー。未CD化。

1965 『The Ronettes Featuring Veronica』※1992 Reissue The Complete Colpix & Buddah Yeas(Sequel)※オリジナルのLPは『The Ronettes Featuring Veronica』(Colpix)で、1961年から62年にPhil SpectorがプロデュースをしていないPhilles以前のColpixMayでリリースされたシングル9曲に未発表の2曲を足した11曲仕様。このCDはさらにコーラスなどが入った「Silhouettes」(Overdub Session)がプラスされている。なおこのリストの対象外だが本CDには70年代のBuddah時代の曲も4曲収録さてお徳用。Buddahはオマケなので重要ではなく、それ以外の11曲は『The Ronettes Featuring Veronica』(EMI Gold)『The Ronettes The Early Years ’61-‘62』(Rhino)など色々な会社でリリースされている。

1981 VariousThe Wall Of Sound』(Phil Spector International)。※Philles及び以降のDionの作品をLP9枚組にしたがその中の『The Ronettes Sing Their Greatest Hits Vol.2』にPhilles時代のさらなる未発表曲で65年録音の「Loves」収録。M&MVariousRare Masters』でCDになったが、未CD化。なお本BOXの『The Ronettes Greatest Hits』(= Presenting The Fabulous…のこと)と『Phil Spector’s Christmas Album』(=A Christmas Gift…のこと)はステレオで収録されている。

1992 『The Best Of The Ronettes(Abkco)※シングルのみのPhilles時代のA面曲「Born To Be Together」「Is This What I Get For Loving You」「Why Don't They Let Us Fall In Love」「You Came,You Saw,You Conquered(この曲のみA&M)Philles時代の未発表曲「Paradise」「Here I Sit」「I Wish I Never Saw The Sunshine」「Everything Under The Sun」さらにPhil SpectorがプロデュースしていないPhilles時代の「I Can Hear Music」も収録。2011年リリースの『Be My Baby:The Very Best Of The Ronettes(Sony Legacy)と同内容。

1995 『All The Hits』(Charly)※「Blues For Baby」(「Born To Be Together」のB面)、「Oh I Love You」(「Is This What I Get For Loving You」等のB面)収録。

2001 VariousWhere The Girls Are Volume4(Ace)62年にActoからリリースしたThe Heartbreakers名義のシングル「The Willow Wept/You Had Time」収録。Phil Spector以前の録音。

 

☆シングルのみ(未CD化)

1962 「You Bet I Would(May)Phil Spector以前のシングルだが、アルバム収録のものとはイントロのドラムの叩き方が違う。このシングルはロールの連続だけで最後にシンバルを叩かない。なおカップリングは「Silhouettes」。

 

オマケ〇シングル

63 Be My Baby-US2-UK4Baby I Love You-US24-UK1164 (The Best Part OfBreakinUp-US39-UK43Do I Love You-US34-UK35Walking In The Rain-US2365 Born To Be Together-US52Is This What I Get For Loving You-US7566 I Can Hear Music-US10069 You Saw You Came You Conqured-US100

 

(作成:佐野邦彦)




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