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2014年2月2日日曜日

☆Small Faces:『Here Come The Nice The Immediate Years Box Set 1967-1969』(Charly/110BX)



全てのスモール・フェイセスのファン、いや、全てのブリティッシュ・ロック・ファンにとって感涙のボックス・セットがリリースされた。CD4+アナログEP4枚のセットだが、CD4枚の85曲中、41曲が初登場のテイクという驚異的な内容。アナログの内1枚はこれだけでしか聴けないミックスなので、42曲が初登場といえる。収録曲の録音日から録音に参加したメンバーに至るまで詳細にクレジットされた写真満載の72Pのブックレット、64Pもの歌詞の載せたブックレット、1968年のコンサートのポスターなど2点、Ogden's Nut Gone Flakeのプレスキット、ポストカードとかメモラビリアも充実している。全世界で3000セットの限定ボックス、このマスト・バイ・アイテムは日本ではディスクユニオンの通販でしか購入できなかったが、27日現在では購入不可になってしまった。(HMVでもとんでもなく高い値段で一時期取り扱っていたが購入不可)日本のamazonは当初から取り扱いもしてくれないが、アメリカとイギリスのamazonではまだ購入できる。特にアメリカが割安で送料を入れても19000
円を切る程度。限定盤なのですぐに購入不可になるのは必須、まだの人はすぐに入手しておこう。さて、では内容を紹介しよう。

CD4+アナログEP4枚のボックス・セット。CD85曲中、41曲が初登場のテイクで、初期デモや練習風景、完成ヴァージョンもエンディングが長く自然終止している部分まで聴ける曲が多い。ディスク1は『Small Faces Singles Worldwide As,Bs and EPs』と題されたImmediate時代のシングル、EPを集めたもので、全てオリジナルのモノ・シングル・ヴァージョン。よってエディットされているものはエディットしたものが入っている。目玉はディスク2と3の『Small Faces In The Studio,Olympic,IBC and Trident Sessions』で全て初登場のヴァージョンである。まずは短いがラフな「Green Circles」の原型インストの「Shades Of Green」。(99年のCastleのアルバム『The Darlings Of Wapping Wharf Launderette』収録のWham Bam, Thank You Man (Alternate Stereo Mix)」のシークレットトラックがこれ)続いて途中で終わる「Green Circles(Take1)」と、中間にハミングが入る「Green Circles(Take 1 Alt Mix 1)」。この3曲はモノ。続いて後の「Tin Soldier」となるバッキング・セッション風景の「AnythingTracking Sessions)」と、バッキング・トラックの「Anything (Backing Track)」。ステレオで既発の「Tin Soldier(Instrumental)」と少し違う。「Show Me The WayStripped Down Mix)」はバッキングを出来るだけ小さくミックスした生のヴォーカルが聴けるヴァージョン。他に「Donkey Rides,A Penny A Glass」「Things Are Going To Get Better」「Red Balloon」のステレオのStripped Down Mixが聴ける。後の「I Can't Make It」となるセッション風景の「Wit Art Yer(Tracking Sessions)」とバッキング・トラックの「Wit Art Yer(Backing Track)」はベースがブンブン唸ってカッコいい。そして歌の入った「I Can't Make It(Alt Mix)」はヴォーカルが違うだけでなく、エンディングがフェイドアウトではなく自然終止するまで入っている。これらもステレオ。後の「Things Are Going To Get Better」のバッキング・セッション風景が「Doolally(Tracking Session)」。「Call It Something Nice」の短いラフなセッション「What's It Called?」。これはモノ。そして「Call It Something NiceTake 9)」はリード・ヴォーカルをオフ気味にしたテイク。リード・ギターもオフ気味でこちらの方が自然だ。こちらはステレオ。途中で終わる「Wide Eyed Girl」のあとは「Wide Eyed Girl On The WallAlt Mix)」で、アコースティック・ギターがオンになっていて、エンディングが30秒以上長く自然終止するまで入っている。どちらもステレオ。アコースティック・ギターが入らない初期インストの「Red Balloon With A Blue Surprise」と、「Red Balloon(Alternate Mix)」よりさらにヴォーカルがオンの「Red Balloon(Alt Mix)」。これもステレオ。そしてギターのリフを小さく演奏、2テイクのあと、ア・カペラでリード・ヴォーカルだけが入った後の「Wham Bam Thank You Mam」の「Saieide Mamoon」でディスク2が終わる。ステレオ。ディスク3は「Wham Bam Thank You MamAlt Mix)」からスタート、ギターのリフよりもオルガンを大きくフィーチャーし、ヴォーカルも生っぽいステレオ・ミックスだ。後の「Just Passing」で、時折強くかかるエコーが入らない「This Feeling Of Spring(Take 1)」。「All Our Yesterdays(Backing Track)」はブラスが入ったバッキング・トラックで既発の「All Our Yesterdays(Take 7 Backing Track)」と違う。モノで完奏する。「Talk To You(Alt Mix)」は20秒近く長く自然終止するまで入ったステレオ。キーボードを大きめにバランスよくミックスしている。「Mind The Door Please」は初登場のモノのインストで、ロニー・レーンのベースとケニー・ジョーンズのドラムのみ。ケニーのドラムが縦横無尽でカッコよく、フーではキース・ムーンとは違ってリズムを正確にキープするだけでつまらないと思っていたが、見直した。非常にサイケデリックでまるでピンク・フロイド。「Mad John(Tracking Session)」はスティーブ・マリオットとロニー・レーンだけの練習風景。ステレオ。「A Collibosher(Take 4)」はギターとブラスを中心にしたインストで、16秒長いため。自然終止まで聴くことができる。ステレオ。「Lazy Sunday Afternoon(Early Mix)」は「Lazy Sunday」のヴォーカルをオーバーダブする前のテイク。モノ。「Jack(Backing Track)」は「The War Of The Worlds」のことで、25秒長いので自然終始まで聴ける。そして「Fred(Backing Track)」は「The Pig Trotters」のことで、オルガンが大きくミックスされている。どちらもBacking Trackとあるが曲自体がインスト。ステレオで収録されている。「KolomodelomoTake 1)」は後の「Donkey Rides,A Penny A Glass」で、ラフなステレオの初期インスト。「Jenny's SongTake 2)」は「The Autumn Stone」のことだが、シタールが大きくミックスされている。ステレオ。ディスク4は『Alternate Small Faces Out-Takes And In Concert』で別テイクとライブで構成されている。その中で初登場のテイクだけ紹介するとまず「Green Circles(Take 1 Italian Version)」。スティーブ・マリオットの『Tin Soldier』で初めて聴くことができたイタリア語ヴァージョンだが、ミックスが違い最初のサビはベースだけのバッキングに聴こえるテイクだ。モノ。「Yesterday,Today And Tomorrow(Alt Mix)」は既発のAlternate Mixと同じくエンディングにノイズのようなエフェクトが入るテイクだがエコーが全体的にやや薄い。ステレオ。「Get Yourself Together(Alt Mix)」は従来ヴォーカルが片チャンネルに極端に寄ったステレオだが、真ん中からさらにオンに出てくるステレオで、ステレオでカットされていた110秒と150秒に入っていないコーラスが入った。「Eddie's DreamingTake 2 Alt Mix)」はエンディングにアドリブ・ヴォーカルが入ったAlternate Mixの方でステレオ。「Up The Wooden Hills To Bedfordshire(US Alt Mix)」はエンディングのオルガンが小さめにミックスされたモノ。「Afterglow Of Your Love(Alt Single Version)」はキーが低いのでテンポも遅く少しロング・ヴァージョンとなっている。モノ。「Picanniny (Alt Mix) [Stereo]99年のCastleのアルバム『The Darlings Of Wapping Wharf Launderette [Disc 2]でしか聴けなかった「Picanniny(Stereo)」の事で貴重。ライブは『In Memoriam』と同じものだが、「All Or Nothing(Live)」は、曲ではないがエンディングのナレーションが多く入っていて20秒長い収録である。その他の曲は同じ。続いてアナログの紹介へ移ろう。「Mystery...」と題されたアセテートは「Something I Want To Tell You」で、従来のテイクと違ってエコーがかかっており、最初の間奏でロニーのため息がカウンターのように入ってくるのが決定的に違う。モノ。なお、「(Tell MeHave You Ever Seen MeTake2 Alt.Mix1-Stereo)」はモノであり、『The Decca Years』のAlternate Take2とまったく同じものだった。(佐野邦彦)



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