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2015年4月8日水曜日

☆『ちびママちゃん(完全版)』第1巻が復刊ドットコムより発売!

吾妻ひでおの「ちびママちゃん(完全版)」が4月と6月に全2巻で復刊ドットコムより出版される。連載は1975年から1977年の月間少年チャンピオンで、当時秋田書店から出た単行本では11編が落ちており、後に他の単行本のオマケに4編が入ったが、7編は単行本未収録のままだったので完全版は長年の夢だった。先に復刻した「チョッキン(完全版)全3巻」は同時期の週刊の方の連載で、9編の未収録を全て収録できたが、これで胸のつかえが下りたというもの。長年の古本コレクターとして、70年代のマンガ雑誌を揃えるのは困難というか可能性はゼロに近い。週間の少年誌だけで5誌、月刊、別冊、さらに別のタイトルの月間本と母体が60年代よりはるかに巨大でカバーできない。これらの雑誌をみな収納できる場所があった人は古本屋でも皆無だろう。それもあって市場に出てこないのだ。マンガの方は初回でいきなりお母さんが病気で亡くなりお父さんはその場で失踪しちゃうとんでもないオープニング、ニートで変態、バカで怠け者のお兄ちゃんと年端もいかないが意外としっかりしている弟、そしてみんなをけなげに支える美少女、ちびママちゃんという構図のギャグ・コメディ。吾妻ひでおの魅力は「美少女」が大きなウェイトを占めているが、その美少女の原型が「ちびママちゃん」だろう。吾妻ひでお本人もお気に入りだというこの「ちびママちゃん」。3年間の連載で一気に美少女度が加速、後半は女子高生のちびママちゃんの絵を見ることも大きな楽しみになっていく。まずは第1巻を入手して、初期の吾妻ワールドを楽しんでもらいたい。なお、現在、売れ行きが非常に好調で、既に重版となった吾妻ひでお単行本未収録作品集「ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド」の続編を、私と吾妻ひでお作品リストの第一人者の倉田わたる氏、そして吾妻ひでお先生にも保管原稿を再度探していただいて「ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド2」を準備中。今回は初期作品も多く、吾妻ひでおのほぼ全作品を読める日が近いかも。そうなったら私の40年来の夢が完成となる。お楽しみに!なお、今回の復刊ドットコムのサイトからの2冊セットでの購入特典は吾妻先生の「オリジナル描き下ろしマンガ付きしおり」。ただ現時点で私も編集者も内容は見ていない(笑)1巻はamazonでは20日頃に入荷予定だ。(佐野邦彦)


ちびママちゃん 完全版 全2巻

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