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2015年1月5日月曜日

☆『宇野誠一郎ソングブックⅠ』(TV AGE)

TV AGEがリリースした『宇野誠一郎ソングブック』のCDは、宇野誠一郎の偉大なワークスを、新録音で振り返っていくシリーズの第1弾だ。宇野研究の第一人者である濱田高志が企画・プロデュースし、ピアニストの島健をミュージカル・スーパーバイザーに迎え、まず宇野の代表曲から16曲をチョイスした。宇野の追悼ライブの行ったピアニストの江草啓太と、向島ゆり子、橋本歩、伊藤ハルトシ、田ノ岡三郎、熊谷太輔という腕利きの面々による「江草啓太と彼のグループ」がインストで10曲を担当、他は彼らのバッキングで「ねえ!ムーミン」で藤田淑子、「アンデルセン物語」の「キャンティのうた」を増山江威子というオリジナルの歌手が変わらぬ素晴らしい歌声を披露してくれそれだけでも涙ものなのに、Smooth Aceの重住ひろこが「長靴をはいた猫」の名バラード「幸せはどこに」と「一休さん」の「ははうえさま」を歌い、こまつ座でも活躍したミュージカル女優の島田歌穂が「まんがこども文庫」の「よんでいる」とこまつ座の「わたしたちのこころはあなのあいたいれもの」でその素晴らしい歌声を聴かせてくれた。個人的に気に入っているのは江草啓太たちの手によるインストで、特に「ふしぎなメルモ」の主題歌と、ソフトロックの隠れた名曲と評価が高かったエンディングテーマの「幸せをはこぶメルモ」、美しいワルツの「エッちゃん」は、ジャズやクラシカルなタッチのアレンジで聴くとその新たな魅力にうっとりと聴き惚れてしまった。その他、斬新な「ネコジャラ市の11人」をはじめ、「山ねずみロッキーチャック」の「緑の陽だまり」や「長靴をはいた猫」「一休さん」のテーマ、オープニング用の「チロリン村とくるみの木」、そして未音盤化の曲と思われる「ヨットのうた」と「よだかの星」と、軽快であったり重厚であったりと変幻のアレンジでたっぷりと楽しませてくれる。あらためて宇野誠一郎の偉大さを再確認できた。(佐野邦彦)



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