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2014年11月8日土曜日

☆Rolling Stones:『From The Vault:L.A Forum(Live In 1975)(Special Box)』(Ward Records/WADZZ-163)4CD+1DVD+4LP


ローリング・ストーンズの音源発掘シリーズFrom The Vaultは、立て続けに1975年のアメリカ・ツアーの中から712日に収録された「L.A.Forum」をDVD化してくれた。そして今、amazonでも買えるCD付ヴァージョンは、先に配信販売された713日収録のCD2枚が付属されていた。そう、それを最初に買ったのだ。もちろん解説はストーンズの第一人者の寺田正典氏。また1万字をゆうに超える素晴らしい解説を読みながらDVDなどを堪能していたら、前述のとおりDVDCDは収録日が違い、712日のCD(2)は日本のWard Recordsからのスペシャル・ボックス『From The Vault:L.A Forum(Live In 1975)Special Box)』(1000セット限定)しか入っていないと書いてあるではないか。こりゃまずい!と注文してやっと届いたのが今日のため、紹介が遅くなってしまった。またまた日本のみのリリースでファンには嬉しいのだが、713日のアナログを完全版で入れたのでプラスLP4枚。さらにTシャツ2種類(サイズ選択)にメモラビリアで厚さ数センチの分厚いLPサイズのボックスに。さらに1975年の原寸大復刻ツアーパンフが付いて、送料を入れると22000円超...。音源と映像だけが欲しい音源派の自分としてはLPTシャツ、パンフなどは全て要らないのに...。またこのデカ箱、どこにしまえばいいいのかと頭を悩ませる。2万円超えの高額商品なのに送料700
円が別というのも、「○○円以上は送料無料」というのが当たり前の現在としては、なんだかケチくさい気がしたのも確か。まあ価格に乗せこむかだけのことなので正直っていえば正直だが。さて内容に移ろう。
本作はDVDのみでBlu-rayはない。というのは画質的にBlu-rayにまでする必然性がないということで賢明だ。画質は悪くないんだけどね。ミック・ジャガーはバッチリとメイクして、時代を感じる。最初はジャケットを着ているキースが若い!この公演は、ミック・テイラーが脱退しロン・ウッドが加入した最初のライブで、お披露目でもあった。寺田さんの解説では24人の候補がいて、その中からロンになったのであり、候補の中にはジェフ・ベックやスティーブ・マリオット、ピーター・フランプトン、レズリー・ウェストなどそうそうたる面子が並ぶが、シャドウズのハンク・マーヴィンはいたのには笑った。オープニングBGMは龍の舞が会場をうごめく「庶民のファンファーレ」からスタート、メンバーは巨大な花びらを模したピラミッドのような「ロータス・フラワー・ステージ」が5枚にゆっくりと開き、その中からミックが現れるというど派手な演出。エンターテインメントを意識したストーンズはあきらかに「昔」とは違っていて、未来を見据えていた。全21曲(メドレー含む)にバッキングに参加したビリー・プレストンのソロが2曲、中間に入った計23曲の仕様。ビリー・プレストンはこの時代に大ヒットを連発していたので、特別扱いだった。21曲中、本作だけでCD化されたライブ・ナンバーは「Ain't Too Proud To Peg」「Fingerprint File」「Rip This Joint」の3曲。全体的には「If You Can't Rock Me」などこの当時の最新盤『It's Only Rock'n' Roll』から4曲入っているのが嬉しいところ。その前の『Goats Head Soup』から3曲、『Exile On Main Street』から4曲、『Sticky Fingers』から3...と、最新曲中心に勝負しているのがこの頃のストーンズらしくて良い。「Star Star」ではペニスを模した巨大な風船がステージから現れ、ミックがそれにまたがったりするが、有名なシーンだ。このあたりの演出も派手。「Fingerprint File」ではミックがギターを弾きながら歌うが、今では自然なこの光景も、これがライブでは初めてだった。「You Gotta Move」でのミック、キース、ロンにビリーなど5人でキースのリードギターに合わせて歌うシーンもインパクト十分だ。「Angie」では2回目の間奏でビリーがオルガンを弾くのを忘れバックのピアノだけになりミックに「Put them in later」と言われ、ちょっと可笑しい。最後の「Sympathy For The Devil」で、ラテンパーカッションが鳴り響き、タンバリンやクイーカなどを持った男女が踊りながら合流し、カーニバル状態になって終わる様は実に楽しい。あのロータス・フラワー・ステージが曲の終わりで閉じていき、最後は姿がもう見えなくなったミックの声だけが聴こえる演出がいいなあ。CDでは収録日が違うので「Angie」では無事、ビリーが間奏でオルガンを弾いており、「If You Can't Rock Me」のイントロではキースが間違えて半音低いフレットで弾くがすぐにスライドさせて正しいキーで弾く部分が逆にカッコ良く聴こえる効果を出していた。寺田さんの詳細な解説ではこういった事以外に、特に有名なブートレグ映像だった本作のブートレグタイトル「L.A.Friday」だったことに注目し、金曜日は711日だったが、収録映像は712日土曜日、配信は713日日曜日ということをミックが着ていた服の色の記録から判別していくこだわりが、実に面白い。さすが一騎当千のファンだ。ロン・ウッドが加入する前のギタリスト候補が最初はスティーブ・マリオットで、そのあとジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ロンに絞られ、最後にキースがロンに「お前がバンドに入るんだ」「(ロンがフェイセスのメンバーだったので)何年かは誰にも言わないつもりだ」言うあたりも、有名な話だが、寺田さんの流れを追った文章で読むと生々しくていい。寺田さんの解説だけでも十分価値があるので、このボックスにまで手を出さずとも、日本盤を是非買うべき。(佐野邦彦)



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