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2014年7月23日水曜日

☆山下達郎:『Big Wave(30th Anniversary Edition)』(ワーナー/WPCL11930)

昨年の『Melodies』の30周年記念盤に続いて、今年は『Big Wave』の30周年記念盤がリリースされた。RCA/Air時代のアルバムがボーナス・トラック付でリイシューされているので、ようやくMoon/Warner時代のアルバムもボーナス・トラック付でリマスタリングされたCDが楽しめるようになった。このアルバムと『Melodies』は自分の記憶では山下達郎の最も古いCDで、1984年に3800円でリリースされたものだった。そう、昔はCDは高価なものだったのだ。この頃、ビーチ・ボーイズはアルバムも出せず、犬猿の仲のフォー・シーズンズとのコラボもシングル1枚出しただけで空中分解し、日本ではその前のサントラ参加盤も含め店売りもしていない有様で、海外から取り寄せるしかない悲しい状況だった。その中、我らが山下達郎先生は、素晴らしい爽やかな英語のオリジナル曲にプラスして、ビーチ・ボーイズ関連のマニアックなカバーをたっぷり披露してくれ、我々熱狂的なビーチ・ボーイズファンを大いに喜ばせてくれた。
LPB面が「Girls On The Beach」「Please Let Me Wonder」「Darlin'」と続き、「Guess I'm Dumb」なのだから参った。今ならなるほどねフンフンという人も多いだろうが、この当時、ビーチ・ボーイズのカバーをやろうなんて人は皆無に等しく、ましてやグレン・キャンベルのために書いた「Guess I'm Dumb」なんてほとんど知る人がなかったのだ。「Darlin'」の中に元歌のシャロン・マリーの「Thinkin' 'Bout You Baby」の歌詞を一瞬入れるとか、マニア泣かせ。フィル・スペクター・プロデュースのMFQの「This Could Be The Night」も知る人ぞ知る佳曲だった。それだけではない。『サウンドストリート』から『サンデーソングブック』でずっと使われているテーマソングとして山下達郎を代表する名曲である「Only With You」の存在も当時は大いに盛り上がった。というのもその頃、私はフォーエヴァー・レコードの藤本さんからブルース&テリーの「Don't Run Away」のシングルを売ってもらい、ブルース・ジョンストンの隠れた名曲をまた見つけたと欣喜雀躍していた時にこの「Only With You」を聴いた。このコード進行、まさに「Don't Run Away」そのものでビックリ。特にサビのメロディはほぼ同じに聴こえる。そういえばこのシングルを売ってもらう時に藤本さんから聞いた「店でこの曲を流していたら山下君が何これ?と聞いてきたんで、ブルース&テリーの「Don't Run Away」のシングルだよって言ったら売ってくれと頼まれたんでその時は断ったんだ。じゃあテープだけでもというんで録音してテープをあげたんだ」というエピソードを思い出し、そうだったのかと納得。山下先生もこの曲は「(その)シングルを入手しそこなった悔しさで作ったオマージュ」とおっしゃっており、オマージュでも見事な名曲に仕上げていた。当時、このアルバムが出た時に、友人のとり・みきさんにこの「Don't Run Away」のテープを渡し、二人で聴いて、「同じだー」と盛り上がり、その模様はとりさんがマンガの中で私と主人公の会話という形でその名も「Don't Run Away」というタイトルで発表した。「だまって俺について来い」(青林堂)という単行本で読めるので、興味のある方は是非。さて、問題はボーナス・トラックだ。「This Could Be The Night」は中間のア・カペラのベース・ヴォイスがない初期ミックス。「I Love You」はア・カペラの120秒と30秒の2ヴァージョンでこれも初。「Please Let Me Wonder」と「Only With You」も初登場のカラオケなので、後者はこれに合わせて「Don't Run Away」を歌ってみよう。「Only With YouGuitar Instrumental)」は『山下達郎CM全集Vol.2』にも入っていた。『Big Wave』の映画の中だけで聴けた「Breakdance」のCD化は初で、当時はこの曲を持っていたくてVHSDVDを買っていた。次は2年後の『Pocket Music』だが、このCD1991年に吉田保のリミックスで全面的に出し直されているため、30周年記念盤はどのような形になるのか今から楽しみだ。(佐野邦彦)商品の詳細



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