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2013年8月11日日曜日

KGM:『リトルファーブル』(Music Life Lab/Happiness Records/HRBD-018)



仙台在住のシンガーソングライターKGMがサード・アルバム『リトルファーブル』を8月7日にリリースした。
セカンド・アルバム『CARAMELISE』(09年)のリリースから約4年を経て完成させたこのアルバムには、息子の誕生や東日本大震災等様々なエピソードをモチーフにした楽曲が収録されており、聴く人の心をつかんで離さないサムシングがあるので紹介したい。

KGMは08年にファースト・アルバム『Life Music』でデビューし、翌09年には自らレーベルLife Music Lab.を設立し、現在もロングセラーを続けているセカンド・アルバム『CARAMELISE(カラメリゼ)』をリリースしている。
仙台在住ながら全国のカフェやバー、野外フェス等様々なイベントに出演するなどアクティヴにライヴ活動をしているのも彼の魅力なのだ。

ではこの収録曲を紹介していこう。
冒頭の「ドーナツ」はリズム・セクションと弦楽六重奏をバックに素朴に歌い込まれた、生まれてきた息子に捧げるナンバーである。弦が入ることによって70年代前半のキャロル・キングやジェームス・テイラーの匂いもする。続く「リトルファーブル」はサウンド的にはウォルター・ベッカーがプロデュースした『Flying Cowboys』(89年)の頃のリッキー・リー・ジョーンズを彷彿させ、Pedal Steelがアクセントになったリラックスした雰囲気がいい。コーラスにはKGMとの共同プロデュースでデビューした女性シンガー・ソングライターの千尋が参加している様だ。



吉田拓郎の「結婚しようよ」にインスパイアされたという「TEN」は、軽快なカントリー・ウエスタン調のアレンジが楽しいが、元々レゲエ・シーンで活動していた彼がここまで自らのスタイルを転換させたのは凄い。
前作にも収められていた「遥かなる(Back in the Days)」のリアレンジ・ヴァージョンは歌唱、演奏共に完成度が高く、長く聴き続かれるクラシックになりうる楽曲である。筆者的にもこのアルバムのベスト・トラックとして挙げたい。
「あれから」と「HOPE STREET」は、共に東日本大震災後の人生観について吐露している曲であり、ホームタウンが震災に遭ってしまったという重いテーマではあるが、直向きに生きていこうとする人生賛歌でもある。後者ではシーナアキコのハモンド・オルガンと松崎和訓のアルトサックス・ソロのプレイが出色である。
アルバムを通して感じたのは、やはり彼のヴォーカルの存在感が際立っていることだ。小坂忠を彷彿させるそのブルージーな声質は、ブルーアイドソウル系のサウンドにマッチするはずなので、是非『ほうろう』(75年)の様な傑作を作り上げて欲しい。
(ウチタカヒデ)




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