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2013年7月15日月曜日

めかる:『カラフル』(Happiness Records/HRCD-049)



沖縄出身の女性バイオリン奏者、めかるのセカンド・アルバム『カラフル』が7月17日にリリースされる。インストルメンタルを主体したアルバムは珍しくなくなった昨今であるが、非常に面白いサウンドなので紹介しよう。

めかるは02年に音大入学のため沖縄から上京し06年に卒業後、東京を拠点に様々なミュージシャンのストリングス・アレンジ、レコーディングやライヴのサポート活動の傍ら、インストルメンタル主体のソロ・アルバムをリリースしている。本作『カラフル』は12年のファースト・アルバム『つながり』に続くセカンド・アルバムである。
アルバム収録の10曲中8曲がインスト曲で、タイトル曲の「カラフル」にはharmonic hammockのタリエ、「こえ」には樽木栄一郎が各々ゲスト・ヴォーカリストで参加している。
日本のポップス界ではバイオリン奏者のソロ・アルバムは差ほど多くないが、そのジャンルレスなサウンドには興味を惹いた。



冒頭の「Summer lights」はホーン・セクションを配した、Wack Wack Rhythm Bandにも通じるハッピーなシェイク調のリズムで、バイオリンがリードを取るインスト・アルバムという固定観念を崩してくれる。続く「スニーカー」でもファズ・ギターのリフや8分刻みのベース等ロック系のサウンドをバックとのコトラストが面白い。
タリエがヴォーカリストで参加した「カラフル」でもバッキングに徹することなく、きちんと主張していて構成が考えられている。
叙情的な「Autumn waltz」~「風のかなた」の流れ等、バイオリンのプレイそのものの面目躍如というべき曲も収録されているが、全体を通して飽きさせない工夫があって長く聴けるアルバムである。
(ウチタカヒデ)

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