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2007年4月1日日曜日

☆Moody Blues:『Every Good Boy Deserves Favour』(Decca/984550-6) ☆Moody Blues:『Seventh Sojourn』(Decca/984550-7) ☆Moody Blues:『Live At The BBC』(Deram/984720-2)


昨年、ムーディーブルースは未発表トラック満載でファースト(もちろんジャスティン・ヘイワードが参加してからが我らのムーディーブルースだ)の『Days Our Future Passed』から5枚目の『A Question Of Balance』をSACDでリイシューしてくれたが、残された6枚目と7枚目のアルバムがようやく同じ仕様でリイシューされた。このあとムーディーブルースは6年間アルバムを発表せず、再始動後にはキーボードのマイク・ピンダーが抜けたため、今回で完成した7枚のアルバムこそが、ムーディーブルースだと言えよう。私はこの7枚で十分。さて、今回のボーナストラックはそれぞれ2曲、4曲と、1枚目から4枚目が19曲、15曲、9曲、11曲とアルバムの曲数をオーバーするような大サービスぶりに比べあまりに少なく、5枚目の6曲に比べても相当少なく、首を長くして待っていただけに残念だった。ではさっそくボーナストラックの紹介をしよう。名盤『童夢』(こっちの方がしっくり来るな)のボーナスはまずジャスティンの名曲「The Story In Your Eyes」(Original Version)。オリジナルというよりオーバーダビング前のアーリーヴァージョンで、まずリード・ヴォーカルがシングル、そして盛り上がる部分のポイントである叩きつけるように入ってくるピアノがない(もしくは聴こえない)。メロトロンだけなので、あの緊張感がなく、しまらない感じだ。もう1曲の「The Dreamer」はジャスティンとレイ・トーマスの共作の未発表曲で、マイナー調のエチゾチックな雰囲気の佳曲だったが、ライブで録音されたままなのでアレンジはシンプルそのもの、まさにオマケの1曲だ。もう1枚の『Seventh Sojourn』のボーナストラックはまず210秒も長い「Isn't Life Strange」(Original Version)。中間にメロトロンによる牧歌的な間奏が加えられていたが、総尺810秒はあまりに長すぎ。「You And Me」はオケで、2分以上長い。ただしそれだけ。「Lost In The Lost World」もオケだが、イントロの印象的なギターリフが入っていないので、はじめは別の曲かと思ってしまった。ラストは嬉しい未発表曲。ジャスティンの「Island」は重厚なムードを持つマイナー調の佳曲で、マイクがうたえば陰鬱な気持ちになってしまっただろうが、ジャスティンの軽いヴォーカルだと聴きやすい。007のようなメロトロンの半音進行が印象的だ。さて、もう1枚は、ムーディーブルースが1967年から1970年までの4年間にBBCの番組で披露した41曲を集めた嬉しい未発表音源集。既にビートルズ、キンクス、フー、スモール・フェイセス、レッド・ツェッペリンなども同様のリリースが行われている定番がようやく回ってきたという感じだ。この中で23曲は既に上記のリイシューのボーナストラックとして収録されていて(『On The Threshold Of A Dream』収録の「The Tony Brandon Show」での「Are You Sitting Comfortably」だけは未収録と思われる)、そのコアな部分は既に聴いたものが多い。ただいくつか重要なポイントがあり、その曲を紹介しておこう。1969年の「Top Gear」で披露されたジョン・ロッジの未発表曲「To Share Our Love」は、ジャスティンと並ぶグループ内の最重要ソングライターのジョンにしては珍しくマージービート風の単純なビート・ナンバーで、オクラ入りの曲を引っ張り出したような感じだった。そして1969年の「The Tony Brandon Show」でのジャスティンの快作「Lovely To See You」は、いかにもスタジオライブというエネルギーがあり、これはなかなかの聴きものだ。1968年の「Tom Jones Show」での「Nights In White Satin」と「The Morning:Another Morning」も完全なスタジオライブで、息遣いが聴こえるような臨場感のあるいい出来だった。1970年の「Lulu TV Show」でのジャスティンの名作「Question」は、フェイドアウトするのでバッキングはオケだが歌はライブで一部歌いまわしが違う部分などが楽しめる。残りの「Colour Me Pop」の曲などはレコード音源と思われいまいまいち。しかしどちらにしても購入すべき最重要盤であることは間違いない。

(佐野)
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