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2006年11月1日水曜日

☆Who:『Endless Wire Deluxe Edition』(ポリドール/UICP9015/6)

フー名義のフル・アルバムはなんと24年ぶり、ミニ・オペラもあり、フー・ファンのためにピートとロジャーが贈ったプレゼントのような1枚だ。声の艶はだいぶ衰えてしまったが、ピートの曲にロジャーのヴォーカルは本当によく合う。やはりこの組み合わせがベストと、誰もが感じるだろう。ただし、若い頃にも一部でやっていたが、気張ったようなあの変な歌い方で全曲を通す「In The Ether」みたいな曲は勘弁願いたいが。ベースのピート・パラディーノとドラムのピーター・ハンティントンの演奏は十分なレベルにあり、アップの曲ではジョン・エントウィッスル、キース・ムーンに近いサウンドを作ることができた。個人的にはその往年のフーを彷彿とさせる「Black Windows Eye」がお気に入り。そしてやはりベストは1~2分台の曲を10曲つなぎ合わせたミニ・オペラの『Wire And Glass』になった。特にその往年のフーサウンドが炸裂する冒頭の「Sound Round」、「Pick Up The Peace」と「We Got A Hit」は文句なし。さらに今、売っている「限定盤」にはもう1CDが入っていて、こちらは20067月にフランスのリヨンでのライブが7曲収められている。嬉しいのは冒頭の「The Seeker」で、この曲はライブでは数回しか演奏したことがない「幻の」曲だった。重量感のあるいかにもフーという演奏だ。そしてピートのソロ・シングルのB面で発表されていただけの「Greyhound Girl」もレアだ。ギター1本でピートがソロで歌っていた。最後にジャケットのデザインにも触れておこう。CD2枚が収められたインレイは、それぞれ『Tommy』と『Live At Leeds』そのもので、特に後者はLeedsを赤線で消してLyonと直したしゃれっ気たっぷりのデザインだった。(佐野)
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