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2004年1月4日日曜日

Pecombo: 『Pecombo e.p.』(Sol Bossa Records SBCD-0001)












Pecombo(ペコンボ)は近年のトーキョー・ボサノヴァ・カルチャーを背景として、2002年に結成された男女5人によるボサノヴァ・コーラス・ユニットだ。
本作は彼らのファーストEPで、早くもその素晴らしいコーラス・ワークを堪能させてくれている。

ボッサを素材にしたコーラス・グループは60年代から本国ブラジルをはじめヨーロッパ各国にも多く存在しており、当時のポップス(ソフトロック)の影響も受けつつ独自の世界を構築していた。 その最も代表たる存在がクァルテート・エン・シーで、女子4声の無垢で美しいコラース・ワークは現在でも多くのファンを魅了している。
今回のPecomboはそんなクァルテート・エン・シーを始め、クァルテート・フォルマやヴィヴァ・ヴォズ等のボッサ・コーラス系から、ジャズ・コーラス・グループ最高峰のスイングル・シンガーズ、その原型となったダブル・シックス・オブ・パリ等のエッセンスも多分に受け継いでいる懐の深さを感じさせる。 気になる曲を紹介すると、ミッシェル・ルグラン最高峰の一つである「chanson des jumelles」の斬新なカバーを先ず挙げたい。コーラスとフルート・アンサンブルの見事なタペストリーと、ヴィオラオンとパンデイロが刻む大らかなリズムにスティール・パンをフューチャーした、”太陽の下のロシュフォール”といった趣が幸福感と爽快感を醸し出す。
これは本誌でも執筆されている濱田高志氏やルグラン本人にもお聴かせしたいところだ。 太田幸雄とハミングバーズを思わせる60年代和モノ・ラウンジ・センスのスキャットが炸裂する「cat walk」も聴き逃せない。 ここではブラウニー~ケニー・ドーハム的(褒め過ぎかな)なラテン・テイストのトランペット・ソロが良いアクセントになっている。
(ウチタカヒデ)

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