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2003年7月2日水曜日

☆Eternity's Children:『The Lost Sessions』(Gear Fab/GF200)

エタニティーズ・チルドルンの待ちに待った未発表曲集がリリースされた。嬉しいことに、公式にシングルがリリースされていながら、 LP 、 CD に入らなかった5曲全てが収録され、レアリティーズ作品集にもなっていので、これは絶対「買い」である。
まずそのレアリティーズから紹介しよう。
"Rumours/Wait And See" は、Tower契約以前にA&Mからリリースされたデビュー・シングル。
A 面はブルース・ブラックマンとキース・オルセンの共作の軽快な洒落たナンバー、B 面はあのデビッド・ゲイツが書いたサイケデリックな色彩を帯びた作品。
次に "Living Is Easy" は VANDA28号でも紹介したリンダ・ロウリーのソロ・シングルで、片面はRev-Olaの CD に収録されていたが、肝心要のこの曲は未 CD 化だった。
曲はトニー・ハッチが書きそうな高揚感のあるメロディを持ち、転調も見事、そしてバッキングのピアノが実に効果的なこれぞソフト・ロックというべき傑作中の傑作。
この1曲のために本ん CD を買う価値があるといっても過言ではない。
曲はリンダとマイク・マクレインの共作。
そしてカントリー・タッチのポップな "Laughing Girl" と、ロジャー・クック・テイストの乾いた "Railroad Trestle In California" はチャールズ・ロス三世のソロ。
他の66年から71年に録音された11曲の詳細は不明だが、ライナーで分かるとおり、 "Mrs.Bluebird" までグループの中核だったブルース・ブラックマンが書いた頭の3曲は、初期のものであることは間違いない。
緊張感のある "Time And Place" など歪んだギターのなど全体的にサイケタッチで、ロック色が強い。
"A Taste Of Honey" とホリーズの "Hard,Hard Year" だが、前者でリンダのヴォーカルが聴こえることから、おそらくセカンド以降の録音だろう。
前者は少しつっかかったようにリズムがアレンジされていて、なかなかシャープ。ホリーズのカバーも快調な出来だ。
そして注目はジム・ウェッブのカバー2曲で、フィフス・ディメンションで知られる "Girl's Song" は、ストリングスもフィーチャーしてとても爽やかな仕上がり、リチャード・ハリスで知られる "Didn't We" のカバーもストリングスが入る聴かせるバラードで、どちらもリンダのヴォーカルが実に素晴らしく、彼女がこんなに声量があったのかと驚かされた。
この2曲も本 CD の目玉だ。
他の曲はセカンド・アルバムの延長上にあるポップでパワフルなナンバーばかりで、出来はいい。ランディ・ニューマンやローラ・ニーロのナンバーも歌い、ヴォーカルもソウルフルだ。
演奏も充実している。
やはりこのグループはカート・ベッチャーから離れてから、セカンド・アルバムからが本領発揮と言えよう。(佐野)


Lost Sessions

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