Pages

2003年5月25日日曜日

Radio VANDA 第 38 回選曲リスト(2003/06/05)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集Moody Blues (Justin Hayward)

1. Candle Of Life ('69)
2. London Is Behind Me ('65) ... Justin Hayward
3. Since You've Gone ('65) ... Wilde Three
4. Tuseday Afternoon ('67)
5. Ride My See-Saw ('68)
6. Lovely To See You ('69)
7. Gypsy ('69)
8. Question ('70)
9. The Story In Your Eyes ('71)
10. New Horizon ('72)
11. Nights In White Satin ('68) ... from Tom Jones Show

おまけ

12. Lisa,But Not The Same ... Critters ('70)Project31st時代、シングルのみ。

 




2003年5月14日水曜日

☆Beatles:『The Four Complete Historic Ed Sullivan Shows Featuring The Beatles』(SOFA/A2003S) DVD

 遂に待ち望んでいたエド・サリヴァン・ショウの全てのビートルズの出演シーンを集めた DVD がリリースされた。2枚の DVD に、ビートルズが出演した4回のショウの全てがノーカットで収録されている。
今までの日米のエド・サリヴァン・ショウの DVD ボックスではその1/3もビートルズの歌が収録されていなかったため、これは絶対買うべきアイテムである。
ただしamazon.comなどでは買うことができず、
edsullivan.comで直接買わないといけない。送料が約$15と高めだが、送料込みで$55.85なのでそれでも日本の DVD より安い。
既にアメリカのエド・サリヴァン・ショウの DVD ボックスは販売していないので、この手は早めに買うに限る。
まずは視聴率が70%を超えたという第1回登場の1964年2月9日から。
これは放射状に伸びるセットがバックの回で、 "All My Loving" , "Till There Was You" , "She Loves You" , "I Saw Her Standing There" , "I Want To Hold Your Hand" の5曲が登場する。
ジョンのテロップに "Sorry Girls,He's Married" と出るだけあってか、独身のポールが3曲のリード・ヴォーカルを取り、カメラ・ワークもポール中心になっている。
残念なのはミキシングもポールのヴォーカルが大きすぎ、ハーモニーのバランスが悪い点だ。
めったに見れない "Till There Was You" が嬉しく、間奏のジョージのコード・ポジションに目を皿にしてしまった。
翌 2月16日はマイアミで録画された襟が黒いスーツの回で、 "She Loves You" , "This Boy" , "All My Loving" , "I Saw Her Standing There" , "From Me To You" , "I Want To Hold Your Hand" の6曲が楽しめる。
画質は最も良くないが、このセットは小さいのでメンバーが密集していて、ひとつのフレームに3人が入っているのが格別に嬉しい。
ひとつのマイクに3人が集まって歌う "This Boy" は涙もの。
後半の3曲は前回に比べてヴォーカルのバランスはいいが、日本公演のようにマイクが歌いながら回転していってしまうのがどうにも気になる。
そういう点で最も画質・内容ともに出来がいいのがさらに翌週の2月23日の回だ。
上下に模様(?)が伸びるバックの回で、 "Twist And Shout" , "Please Please Me" , "I Want To Hold Your Hand" の3曲しかないが、ジョンのリード・ヴォーカルが2曲聴けるし、ポジションもジョンが最も前に出ていて、ジョン中心に組んだと言えるだろう。
"Twist And Shout" がフルで入るなど、ジョンのヴォーカルも熱が入っていて、ベストの出来だ。
 最後は65年9月12日で、メンバーは一気に長髪になっているので一見して分かる。
"I Feel Fine" , "I'm Down" , "ActNaturally" , "Ticket To Ride" , "Yesterday" , "Help" の6曲が登場するが、僅か1年半でこれだけ音楽的に進歩しているのには改めて驚かされるだろう。
その間にスーパースターの座に収まったビートルズはもう余裕のパフォーマンスで、前3回にはなかったジョンのおふざけが何度も出るし、ジョンお得意の歌詞の間違いもある。
その中で、ジョンとポールが1本のマイクで寄り添って歌う "Ticket To Ride" では、泣いている女性ファンの姿が写るが、女性でなくともこのシーンは涙もの。
ビートルズ・ファンにとって至福の瞬間だ。
小学校6年(1969年)の時にビートルズに出会って以来、34年経っても私の中でビートルズはずっとナンバー1だが、だからこそこのシーンでは幸せ一杯になってしまった。ビートルズはビジュアルも最高だよね。
なおこの回にはシラ・ブラックの "Goin' Out Of My Head" も入っているので、ここも注目。(佐野)
ed sullivan

2003年5月8日木曜日

anonymass : 『opus 01』 (MIDI Creative/CXCA-1124)

 

 嘗てゴダールの撮った作品が観た者それぞれに千差万別のイメージを抱かせた様に、interestingという名のコンパスが指す方角は必ずしも一致するとは限らない。
 anonymass のサウンドもそんなコンパスを麻痺させる樹海なのだ。 しかしそれこそが、ポップスが存在する上でのパラドックスなのかも知れない。  

 anonymassは権藤知彦と山本哲也を中心に結成され、徳澤青弦と神田智子が加わり現在に至っている。 各メンバーは頑固たるバックボーンによりコンポ-ザー、アレンジャー、プレイヤーとして名を馳せているが、そんな裏打ちされた実績を超えた次元でこの希なユニットの方法論を打ち出しているのだ。 
 このファースト・アルバム『opus 01』でも彼らの飽くなき実験性が垣間見れる。 アンビエントなミニマリズムのバック・トラックに甘美な旋律が重なる「Still Life」や、ポール・マッカトニーの希代の名曲である「For No One」のビザールなカバー。 
 「The Left Arm of Buddha」に至っては、エンニオ・モリコーネの手法に見られるプリミティヴなサウンド・スケープをも彷彿させる。 又上記曲を初めとして全体的に権藤のホーンと徳澤のチェロが重要なエレメントとなっているのも注目である。
 (テキスト:ウチタカヒデ)


2003年5月7日水曜日

アン・サリー : 『day dream』 (BMG Funhouse/ BVCR-14008)

 

 この作品との出会いは、3月末にある音楽誌の原稿依頼がきっかけであったが、もうここ最近の愛聴盤になってしまっている。70年代のロック、ポップス・ファンにも楽しんでもらえる作品として強くお薦めしたい。

 アン・サリーはドクター(医療研究)を職業とする傍らで、ジャンルに囚われないシンガーとして活動しているユニークな逸材である。 2001年10月に『Voyage』でデビューし、今回この『day dream』と『moon dance』を同時リリースした。 2作とも基本的にカバー曲をアコースティック楽器によるアレンジで構成しており、内容も非常に近いテイストを持っているので、2枚組でリリースしても良かったのでは?と老婆心的な思いもしているのだが、選曲的に前者の方がより興味を引いたのでここで紹介しておきたい。 

 先ずは、ブルース・ジョンストンの最高傑作といえる「Disney Girls」(初演はビーチ・ボーイズ『Surf's Up』収録)、ここではマリア・マルダーを思わせる、ハイ・ピッチでの官能的なビブラートを随所に生かして聴き手を虜にする。 作者であるティム・ハーディンのオリジナルより、コリン・ブランストーンの『One Year』でのヴァージョンが有名になってしまった感の「Misty Roses」は、以前このコーナーでも紹介して、最近めきめき頭角を現している saigenji のギターとハーモニーをバックに情感溢れるボッサ・サウンドを展開している。 そしてこの作品の価値をより一層高めたのは、細野晴臣の隠れた名曲「三時の子守唄」を取り上げた事に尽きる。 心に響く名曲はいつの時代でも風化しない事を証明した好例といえよう。
(テキスト:ウチタカヒデ)