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1998年9月20日日曜日

☆Tony Rivers & The Castaways : Birth Of Harmony (EM/1002)

ハーモニー・グラスの前身であるトニー・リヴァース&ザ・キャスタウェイズの全音源が一挙にこの CD でまとめられた。キャスタウェイズは1963年から68年の間に8枚のシングルが残されているが6年間の間にたった8枚のシングルなので、そのサウンドは大きく変わっていく。
典型的なブリティッシュ・ビート・グループからスタート、ホワイト・ドゥ・ワップ調、ゲイリー・アッシャーあたりが絡んでいそうなサーフ・ビートもの、ホリーズ風、ゾンビーズ風と次々ステイルを変え、ようやく66年のビーチ・ボーイズのカバー、 "Girl Don't Tell Me/Salt Lake City" からハーモニーを最大限生かした自分らのスタイルらを発見したようだ。68年のラスト・シングル "I Can Guarantee Your Love" は爽やかで歯切れのいいアコースティックなサウンドとコーラスのからみが映える傑作で、まさにハーモニー・グラスのサウンドが実現されていた。そして嬉しいのは11曲にも及ぶ未発表ボーラス・トラックで、特に後にグレープフルーツを結成するジョン・ペリーとスウッテナム兄弟が在籍していた時の音源の素晴らしさは感動的だ。アソシエイションのハーモニーが乗り移ったような "The Grass Will Sing For You" 、パーティー風のエンディングを見せる "Summer Dreaming" の軽快なデモなどだ。驚異的なコーラス・ワークに驚かされる "Eine Kleiner" も素晴らしいし、これらのボーナス・トラックの方がよりハーモニー・グラスを彷彿とさせるだろう。(佐野
TONY RIVERS & THE CASTAWAYS / BIRTH OF HARMONY [CD]

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