- 憧れの八重山ツアー(1999、2000、2001)
佐野邦彦
私は北海道が好きだった。妻と最初に旅行したのは北海道、子供が2人とも小学校に入りやっと遠くの旅行が出来るようになった時に最初に選んだのもやはり北海道。どこまでも広がる緑の海、地平線まで伸びる一直線の道、雄大な緑の大陸が大好きだった。都合4回北海道へ行った。しかし沖縄方面は皆無。沖縄というと夏になると出てくるテレビCMのように、若い女の子が群れ集い、それを目当てのアホな男どもが集まる「ナンパ」な場所だと思い込んでいて、まったく選択肢にはなかった。
4回目の北海道で、それまで見る事が出来なかった晴れた摩周湖の青い青い湖面を見ることが出来たときに、私の中での北海道は一息ついたのである。
北の端も行ったし、利尻・礼文にも渡った。もう行きたいところは特別残っていない。
でも次の旅行もやはり遠くがいい。
本州じゃ満足できん。
じゃあ逆はどうだ。
九州もそんなに心を動かさない。でも沖縄じゃあなあと思っていた時に、そうだ、どうせ行くのなら沖縄本島ではなく、もっと先へ行こう。確か日本の端っこは与那国島って行ったな。そこまで行ってみよう。国境まで行くんだと考えたらわくわくしてきた。しかしどうやって行けばいいんだ?こうして私は旅行ガイドと旅行のパンフを読みあさった。パンフは安上がりで済ませるためだ。3回目までの北海道はすべて単独でチケットを取った完全な手作り旅行だったが、その費用はかなりかさんでいた。その点、ツアーは安い。添乗員付きやバス観光でなければ、行き帰りの飛行機と宿泊ホテルがセットになっているだけで手作り旅行とまったく変わらない。団体行動が苦手な私にとっても何の問題もないと気づいたのは4回目の北海道であり、今回もツアーを利用しようと思っていた。総予算は家族4人で
40万、そのためには宿泊地までの往復の航空券とホテルの料金がセットになった基本ツアーの上限はレンタカー込みで25万だ。その基本、いわばベースキャンプは与那国の近くで最もリーズナブルな料金が設定されている石垣島だと分かる。そして石垣島へ行けば隣は西表島だ。以前、職場の女性から「西表島はよかったよ。マングローブが生い茂りジャングルみたいでとても日本とは思えなかった。」と聞いたことを思い出していた。そんな秘境にも簡単に行けるんだ。これはますます楽しみが増えたと自分の頭はすっかり「八重山モード」に変わってしまったのである。
八重山とは石垣島以降の8つの島々を指し、先島諸島とも言われる日本のもっとも南の島々である。なにしろ石垣島は沖縄から450kmも離れており、東京まではなんと
2,126kmもある。東京から札幌までが822kmなのだから北海道までの2.6倍の距離だ。その距離を知りわくわくはさらに増していく。そうしてと…石垣と与那国は127km、なに与那国と台湾は125km!そんなに近いのか。まさに最果てだ。この基本ツアー、行く時期によって値段は倍以上違う。特に7月20日から8月下旬までの夏休み期間は最悪だ。よってここは避けないといけない。旅行は職場の都合もあり土日をはさむ3泊4日が限界なので、子供達は2日間学校を休ませればよい。9月以降のケースは、沖縄方面は8月〜9月が台風シーズンなので、せっかく行っても台風で台なしというケースがしばしばありリスクが大きすぎる。なにしろツアーは20日前からキャンセル料が
20%
かかるのでリスクは出来る限り減らさないといけない。そのためすべての面でベストシーズンは梅雨が明ける6月下旬から夏休み前の7月上旬だ。そして行く時期は6月の下旬と決定した。どこの旅行代理店に問い合わせてもさすがにこの時期はほとんど空いていて選び放題。
次に値段の比較である。まったく同じホテル、同じ時期なのに企画している旅行会社で値段がまた全然違う。一見安いようで利用しやすい時間帯、土日発着などリーズナブルだとその都度割増になるものもあり、よく検討しないと損をしてしまう。そしてその島のベストホテルがどのパンフでも大きく出ているが、そんなところは目の前がエメラルドグリーンの海であり景色は抜群の反面、港のある島の中心部からは離れていて、夜の町で食事をしたり、買い物をしたりする楽しみに乏しい。よって港にある大きなホテルがベスト。パック料金が安い上に、夜の食事と買い物、さらに朝は他の離島へ行く船に乗るのにホテルから歩いていくだけという便利さがたまらなく、メリットの方が大きい。ホテルの前のビーチでずっと遊ぶならともかく、大半の人は毎日、他島へ渡って一日を過ごすのだから、迷わず港のホテルにすべきだ。私はホテルミヤヒラという石垣港にあるホテルを選んだ。これでホテルも決まった。あとは肝心な天気。どこでも空いている状況に安心して、キャンセル料がかかる期間になっても大丈夫だろうとグズグズしていたら、最も安い東急観光の「あ!熱帯アイランド石垣島」というプランが満席になってしまっていた!まずい!次に安価で空いているプランを探して、なんとか「サンシャイン沖縄」というプランにすべり込むことが出来た。日程は1999年6月26日(土)-29日(火)
の3泊4日。朝食とレンタカー込みである。ここでこれから八重山へ行く方のために料金を具体的に記載しておこう。価格は当然、その都度変わるのだが、基本的なラインは大きく変わらないからだ。まず大人60,300円、子供(3〜12歳)55,300円という料金は一見安いが、この割増なしプランだと当日の夕方に出て、帰りは午前中という実質2日をつぶしてしまうつまらないものになってしまう。よっていい時間を選ぶと一人につき5,500円もアップしてしまった。よって総額は253,200円。
次に空港までのアクセスである。以前の北海道では羽田までJR、モノレールで行ったが、帰りの時間が遅くなるため眠くなった子供を抱え疲労こんぱいした苦い経験があった。ツアー利用者だと車で空港まで行って3泊4日預かってもらって6,800円、往復の公共機関の運賃が4人で5,000円くらいかかるのだから、これは安い。
以降、羽田空港へは車で行くことにした。車を預けるのには3通りのパターンがあるのでついでに紹介しておこう。まず2、3回目の八重山旅行で利用した羽田空港内の駐車場に止める方法。一番楽だが、これは旅行会社が割引のクーポンを出してくれる(11,000円)のであり、万が一パーキングが満車でも保証はないそうだ。まあそんな事はほとんどありえないが。次に初回で利用した空港の駐車場に車を止め、あらかじめ待機していたパーキング会社の人に車のキーを渡す方法。帰りは到着後、携帯で電話をしておくと、行きと同じ場所に係員が車を持ってきてくれる。行きと帰りの便名はあらかじめ知らせてあるので車が来ないということはないのだが、ワンクッションあるのがちょっと面倒。3つ目に羽田空港に近い駐車場へ止め、行きはそこから空港までバスで送ってくれるもの(10,000円)もある。帰りは2と同じ。さて、残るはオプショナルのツアーだ。2日目はJTBより安栄観光主催の西表島「マリュウドの滝&海水浴プラン」を申し込む。大人10000円、子供6500円で4人で32,000円。3日目は最初の目的、与那国島の日帰りレンタカープラン。こちらは4人で56,800円だ。ただし、この日帰りプランは1日2往復、石垣=与那国間のフライトがあった99年6月30日までのもので、ジェット機が飛ぶかわりに1日1便になった7月以降は日帰りは出来なくなっている。この申し込みもJTB。こうしてツアー料金総額は342,000円となった。
なおこれから写真と共に日ごとに紹介していくが、家族旅行なので家族が写っている事はご容赦いただきたい。こういうプライベートな写真を公開するのは個人的には好きではないのだが、他に選択肢がないのである。我が家は私も含めそれぞれ病気がちなので、こうやって旅行に行けるのはとてもラッキーな事だ。1年間、こうやって無事でいられた自らのご褒美でもある。行く喜びよりも行ける喜びの方が大きいし、また行けた喜びもあるのがちょっと他の方と違うかもしれない。でも1年1回、目標を決めておくのは私としてはいい励みになる。
では第1回八重山ツアーから振り返ってみよう。
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