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2018年7月1日日曜日

ウワノソラ:『陽だまり』アナログ盤(Kissing Fish Records/KMKN13)


ウワノソラが昨年10月にリリースしたセカンド・アルバム、『陽だまり』をアナログ盤2枚組で7月4日 にリリースする。
彼等のファンならご存じのように昨年7月末日をもってメンバーの桶田知道がバンドを脱退しソロに転向したため、角谷博栄といえもとめぐみの2人となり、ウワノソラとしてその活動が第二章に入った。



このアルバムは、そんな転換期を象徴するアルバムであり、プロデュースからアレンジまでを担当する角谷のカラーが一層強くなったといえる。
本作では2人のサイド・プロジェクトであったウワノソラ'67の『Portrait in Rock'n'Roll』(15年)で展開されたソフトロック的エッセンスがフィードバックされている曲も聴かれたが、ファースト・アルバムをより洗練させたサウンドに耳を奪われた。今回アナログ盤としてリリースされたことで、そのサウンドの細部までを聴き込んでほしいばかりだ。 
 
 
収録曲については昨年の筆者のレビューを一読して頂くとして、ここでは初回特典CD-R収録のレア音源について解説しておく。
「午睡-Prelude-」は、アルバム冒頭の「陽だまり-Prelude-」のアレンジ違いで、ハープとコーラス類がオミットされており、代わりに深町仰によるシンセサイザーのアルペジオがアクセントになっている。またストリングスには新たにチェロを加えてレコーディングしており、角谷曰く「午後の眠りに入っていくような世界を表現できたように感じている」とのことだ。
続く「プールサイドにて (いえもとめぐみ Demo vocal version)」はタイトル通り、いえもとによるデモ・ヴォーカル・ヴァージョンで、バッキング・トラックとコーラス(いえもと自身による)はオリジナルと同じだが、女性のいえもとがヴォーカルを取ることで新鮮に聴ける。ヴォーカリストが変わるだけで、渋めのブルーアイド・ソウルから垢抜けたシティポップにパラダイムシフトしていて面白い。 

「鳥になったようだ (Another take version)」は同曲のアウトテイクで、オリジナルでは宮脇翔平が弾くアコースティック・ピアノが印象的だったが、ここでは鍵盤がウーリツァ-とヤマハのCP-80にシフトされていて印象が異なる。Lampの最新作『彼女の時計』にも通じるサウンドであるが、いえもとのヴォーカルとの相性という点でアコピのヴァージョンが採用されたのだろう。その他オリジナル・トラックからは角谷のギターと深町のアナログ・シンセがオミットされている。


     
「夏の客船 (Off vocal version)」と「渚まで (Off Vocal version )」は所謂カラオケで、ヴォーカル・トラックがない分曲そのもののサウンドを堪能できるだろう。前者は70年代シカゴ・ソウル経由のAOR、後者はミナス・サウンドが色濃いヴァースとフックに60年代ウエストコースト・サウンド的なブリッジが顔を見せている。これら角谷によるリズム楽器の配置とストリングス・アレンジがどのような効果を生んでいるのか聴き込んでほしい。

なおこの特典CD-Rは数量限定であり、彼等のオフィシャルサイト・ショップかユニオンなど一部店舗でのみ扱いとなるので、興味を持ったファンは早期に本作アナログ盤を予約し合わせて入手することを勧める。

ウワノソラ・オンラインストア・リンク 

(ウチタカヒデ)


 

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