2017年9月27日水曜日

☆Brian Wilson:『The Brian Wilson Anthology』(ワーナー/WPCR17877)


ブライアン・ウィルソン初のレーベルをまたいだベスト盤がリリースされた。アルバム9枚からセレクトされ、プラス未発表の2曲で全18曲という構成だった。最も多くセレクトされたのがファースト・ソロの『Brian Wilson』から4曲で、後半の4枚のアルバムは1曲ずつのみ。なぜかライブ盤の『Live At The Roxy Theater』から2曲入っている。肝心な未発表曲は「Some Sweet Day」で、共作者がアンディ・パレイなので、2000年代前半の録音か。全体的にはホーンを多く使ったハッピーな曲で、印象はオールドタイミーな佳曲。「Run James Run」はあの『Pet Sounds』時代とは無関係の曲で、共作はジョー・トーマス。重ね合うハーモニーを生かしているが、コーラスのミックスがかなり大きく、中間のギターソロは60年代そのもの。歌詞の内容とは異なるアップテンポのハッピーなサウンドの曲で、アルの息子のマットのファルセットが大きくフィーチャーされている。その他、収録曲で僅かに異なる曲が2曲あった。1曲は「Heroes And Villains」で、アルバムではイントロにホーンが被るが、このアルバムでは被らずに歌からすっきり始まる。もう1曲は「Midnight’s Another Day」で、アルバムでは歌の後のピアノのリフレインが1回だが、本CDでは2回入るので7秒長い。この2トラックもコレクターには見逃せない。(佐野邦彦)


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