2017年8月30日水曜日

☆Favorite Musician 全音源コレクティング第3回:Bruce Johnston Related Works




ブルース・ジョンストンが通っていたLAのユニヴァーシティ高校は、ジャン・ベリー、ディーン・トーレンス、サンディ・ネルソン、ナンシー・シナトラ、キム・フォーリー、ディック&ディー・ディーなどが通っていた芸能校で、ブルースもすぐに音楽活動を開始した。1958年リリースのキップ・テイラー&ザ・フリップス(Kip Tyler And The Flips)のシングルShe’s My Witch/Rumble Rockに参加、両面ともヘヴィなR&Bで、パワフルなサックスが印象に残るがヒット性はない。1959年には高校の同級生でキム・フォーリーのプロデュースで、ブルース、サンディ・ネルソン、リッチー・パドラー、ニック・ベネットらとリネゲイデスを結成、シングルGeronimo/Chargeをリリースする。どちらも快調なエレキインストだが、A面のタイトルは白人に戦いをいどんだ伝説のインディアンのリーダーの事で、インディアン風のホホウ!という掛け声と銃声でスタート、B面の頭は白人側の騎兵隊の突撃ラッパ…これじゃ今はリイシューされないね。映画の『Ghost Of Dragstirip Hollow』で使用された。そしてブルースはジェリー・クーパーという男と組んでブルース&ジェリーというデュオを作り、テリー・メルチャ―の父親が経営してしていたArwinからTake This Pearl I Saw Her Firstで初のオリジナル曲のシングルをリリースする。両面共に古色蒼然とした、そしてポップな要素がないドゥワップのオールディーズ・ナンバーでこれでヒットは無理だ。A面はハモりながら、B面はカウンターで2人が歌う。ただこのシングルがきっかけで息子のテリー・メルチャ―と知り合いになり、ブルースは長年の相棒と知り合うことになる。同年には友人のドラマーのサンディ・ネルソンのシングルTeen Beatに参加。ブルースはピアノで参加し、作曲にも携わったというがクレジットされなかった。ドラマーのシングルなので大ヒットしたA面はドラムの強いビートが印象に残り、エレキのヴォリュームが小さい。1960年には再びブルース、サンディ、キム、ニックのチームでギャンブラーズを結成、シングルMoon Dawg/LSD-25だが、A面は犬の遠吠えをフィーチャーした軽快なエレキインストで、サーフ・インストの名曲として有名だ。B面の重めのリフを使ったいいエレキインスト。ブルースはデル・ファイ・レーベルの創始者のボブ・キーンに見込まれ専属プロデューサーの契約を結び黒人歌手、ロン・ホールデンのシングルLove You Soを担当すると、この低いバリトン歌手の曲を、軽快なタッチのバラードに仕上げ全米7位の大ヒットにする。そしてボブ・キーン・オーケストラのTeen Talk/The Toughest Themeのシングルの作曲を担当、A面はジャズ風、B面はストリングスに添った華やかなインストでB面の方が出来がいい。そして再びロン・ホールデンのシングルを担当するがGee But I’m Lonesomeはブルースのオリジナルだった。ここで初めてブルース持ち前の美しいメロディが生み出され、ピアノを生かしたバッキングで美しいシングルに仕上げた。しかしヒットは記録していない。その他では競演があり、I’m Coming Homeはジャニス・ラドー&ザ・シークインズのシングルが、歌い手がブルースの共作者なので1カ月早くリリース、ドゥワップのバラードだが後半の盛り上げはなかなかいい。もう1枚はメル・カーターのシングルで、出来はほぼ拮抗だが、ファルセットを使った分、前者が上。シングルではスタッズ・ドネガン&ザ・モブのThe Bend/ Rock N' Roll Honky Tonkは両面ともブルース作のインストで、A面はジャズタッチ、B面はカントリータッチというだけで目立つものがない地味なインストだった。ファラオスのThe Tender Touch/ Heads Up, High Hopes Over Youもブルース作で、A面は地味で盛り上がりないR&BB面の方が単純なロックンロールでまだ聴きやすかった。ミラード・ウッズのDon’t Put Me Downもブルース作、フランク・シナトラの線を狙ったというが、それほどの出来ではない。1961年のワークスは少なくリトル・シーザー&ザ・ローマンズのThose Goodies But Goodiesをアレンジだけ担当、甘酸っぱいドゥワップのこの曲は9位にランクされている。1962年にはブルース・ジョンストン名義の2枚のソロシングルをリリースする。Do The Surfer StompPart.1)と(Part.2)で、ライブ仕立ての両面歌入がPart1、歌無しがPart2で、曲は甘いブルースのヴォーカルとブルースが考案したこの当時考えた最新ステップのビートと、マッチはしていない。踊れる感じではないからだ。どちらもテイチクの『Surfer's Pajama Party』に収録されている。もう1枚のシングルほぼ同路線のSoupy Shuffle Stomp/Moon Shotは、歌い方もすこし下品な感じになった。表記はSoupy Shuffle StompPart.1/Soupy Shuffle StompPart.2)とされることが多い。テイチクの『Surfer's Pajama Party』と『One Beach Boys Original Album』『Tough Themes Disc1』に収録されているが、『Tough Themes』ディスク2Soupy Shuffle Stomp [Sessions]3分近く長いまさにセッション風景で、最後はア・カペラでSSSと練習している。もうひとつのSoupy Shuffle Stomp [Instrumental]はベーシックなトラックしか入っていない簡素なもの。その他、ボブ・キーン・ビッグ・バンドのLPTwist Album』収録のThe Twistでピアノを弾いていた。


1963年にはブルースの初のアルバムが、The Bruce Johnston Surfing Band名義で、1963年のUCLAで録音したものが『Surfers Pajama Party』としてリリースされた。ライブ仕立てで半数はインスト、ベストナンバーは文句なしにロン・ホールデンのために書いた『Gee But I’m Lonesome』が、ブルースの甘いヴォーカルではるかにいい出来になっていた。テイチク盤のCDには1962年のブルースの前述のソロ・シングル2枚のAB面にプラス、シングルB面用のPajama Party(=Surfer’s Delight)(Single Version)が収録された。これはインストだが、アルバムと違ってエレキギターが大きくフィチャーされていい出来だ。

同じ録音と思われる未発表3曲を入れたのが1991年のCDで『One Beach Boys Original Album』で、ジャズのきれいなインストチューンの「Blue Moon」や、作者不明のバラード「I Need Your Love」と、同じく作者不明のジャムセッションのようなインスト「Hold It」はこれ盤のみ。『Surfers Pajama Party』の曲順は替えられてなぜか1曲削除されている。

さらに『Tough Themes』だがディスクごと紹介すると初登場曲が8曲収録された。ディスク1のMazatlanはブルースが作ったマリアッチ風のナンバーで、なかなか快調な出来だったがオクラ入りだった。『Surfers Pajama Party』未収録のHide AwaySummertimeEd’s Number OneJohn’s Number TwoBalboa BlueSan-Ho-ZayBruce’s Number One追加。Summertimeはあの気だるい有名曲。インストではSan-Ho-Zayがギターが歯切れがよく出来がいい。Bruce’s Number Oneだけがオリジナルだ。その他にSoupy Shuffle StompMoon Shot(この盤ではこちらの名義)、Do The Surfers Stomp(Single Version)Surfer's Delight(この盤ではPajama Partyの名義ではない。Single Version)もプラスされていた。『Surfers Pajama Party』は全曲入っているものの、こちらも曲順を変えたのでナレーションが切られている。

ディスク2には1961年のブルース作の未発表インスト、Untitled Instrumentalはジャズタチのインストでブルースのピアノの腕が達者なことが分かった。ディスク1MazatlanMazatlanSessions)とMazatlanEarly Instrumental Track)も収録され、短いア・カペラの練習と、ベーシックな練習風景がその内容。その他にディスク2には前述のボブ・キーン・オーケストラ、ジャニス・ラドー&ザ・シークインズ、スタッズ・ドネガン&ザ・モブ、ファラオス、ミラード・ウッズ、ボブ・キーン・ビッグ・バンドが収録されている。

残る1963年の音源ではカバー・ガールスのシングルAction Speaks Louder Than Wordsはキム・フォリーとの共作で、コード進行も歌い方もどこか気だるげで変わった曲だった。さてここからがブルースの本領を発揮する時だ。まずはテリー・メルチャーと共同でホット・ドッガーズの名前でアルバム『Surfin’ USA』をエピックからリリースする。12曲中4曲が歌入りでその3曲がビーチ・ボーイズのカバー。他の8曲はサーフィン系などのエレキ・インスト、個人的にはWalk Don’t RunPipelineとわざと粗削りに弾いたようなエレキがなかなかカッコ良く、気に入っている。

続いてブルースの2枚目のソロ・アルバム『Surfin’ Round The World』がコロムビアからリリースされる。前作がライブ盤仕立てのシンプルな演奏だったが、こちらではテリー・メルチャーがプロデューサーをになり、サックスなどホーンを多く入れ厚みがあるが重めのサンドに作り上げた。全12曲中11曲中がブルースが書いているので、ブルースの才能の開花と意欲が感じられる。そして12曲中7曲がインストというのは当時のサーフ・ミュージックによくある配分だ。歌ものではタイトル曲とDown Underは軽快でいいが、あとは爽やかさに乏しい。インストでは後のブルース&テリーでも使われたMakaha At Midnightが、哀調のあるメロディが魅力の快作。曲の中間にボサ・ノヴァを挟み込んだSurf-A-Novaも意欲的だ。

続いてブルース&テリーは、コロンビアの子役出身のデュオ、リップコーズに取りかかる。ファーストシングルはテリーの単独だったが、セカンドのGoneからブルースが作曲・プロデュース・演奏まで携わる。そしてサードのHey Little Cobraが全米4位と大ヒット、リップコースは元の2人に2人加えて4人でライブに廻り、曲作りとレコーディングはブルース&テリーが担当という「分業」になる。Goneもいいが、キャロル・コナーズ作のHey Little Cobraの出来は素晴らしく、イントロに最も印象的なフック、歌のバックのマイク・ラブばりの低音ハーモニー、一回聴いたら忘れられないキャッチーな曲だ。この4曲を入れたリップ・コーズのファースト・アルバム『Hey Little Cobra And Other Hot Rod Hits』がリリースされる。ここにはブルース&テリーのオリジナルや、ビーチ・ボーイズのカバーなども入ったが、2枚のシングルを超える曲は収録されていない。そしてこの年はウェイン・ニュートンのSomeone's Ahead Of Youの作曲を担当したが、ブルースらしい甘く流麗なバラードで、ブルースの作曲能力の飛躍的向上が分かる。

1964年にはいよいよブルース&テリーの本名のデュオ名のシングルCustom Machine/Makaha At Midnightのシングルをリリースする。A面はもちろんビーチ・ボーイズのカバーで、ほぼ同じアレンジだが、ビーチ・ボーイズはヴォーカルが過ぎるのに比べ、ブルース&テリーの方は演奏もしっかり効かせているのでビートがあり85位とランクインした。B面は『Surfin’ Round The World』からの再録。このシングルを含むブルース&テリーの『The Best Of Bruce & Terry』のCD1998年にリリースされたが、その当時にリリースされたシングルは順に紹介するとしてこのCDの中だけの未発表曲4曲のみ、ここで紹介しておく。1963年録音のHalfwayだが、最も古い録音ながら高揚感があって出来が良く大きな収穫だった。作曲はなんとValiant創始者のバリー・デヴォーゾン作。1964年のHawaiiは冒頭に出てくる印象的なリフレインにファルセットの歌が入っていないので締まらない。Look Who's Laughing Nowは最大の収穫でファルセットのキャッチーなフックからスタート、まさに1963~1964年のビーチボーイズで、未発表が惜しい。Here Comes Summerは快調なハーモニーに乗せた佳曲で、その後にシークレットトラックのCMジングル2曲が出てくる。最後は1965年録音のHelp Me Rhondaで、微妙にメロディの一部を変えていて、Hawaiiと同じくボツで良かったというヴァージョンだった。なおこの前者のジングルはKFAM Radio Jingleで僅かに違う2テイクは、1983年に日本のM&Mがリリースした『Bruce & Terry Rare Masters』の2ndプレスに収録されていた。

さて、1964年の既発表音源へ戻ろう。ブルース&テリーの第2弾シングルはフィル・スローン=スティーブ・バリのSummer Means Fun。数多くカバーされたナンバーだが、サウンドの力強さ、ヴォーカルとコーラスの華やかさは突出していて72位のヒットになる。ブルース&テリーを超えるカバーはない。B面のYeah!はブルース&テリー作の掛け声しかないいかにもB面用のロック・インスト。

リップ・コーズのセカンド・アルバム『Three Window Coupe』はテリーの単独プロデュースで、ブルースは歌の方に回る。曲の多くはフィル・スローン=スティーブ・バリの曲を採用したので、出来のいい曲が並ぶ。ここからカットした3枚目のシングルThree Window Coupeはこのコンビの曲で、ポップなメロディ、爽やかなハーモニーが見事にマッチして28位のヒットになる。カップリングのHot Rod USAはテリーの書いた曲だが、さらにアップテンポでファルセットのバックコーラスが目立つ爽快なナンバーで、こちらをA面にしてもヒットしていただろう。スローン&バリの書いたThis Little WoodieSurfin' CrazeMy Big Gun Boardはみなキャッチーでいい出来。しかしベスト・ナンバーはブルース&テリーが書いた美しいバラードのBeach Girlだ。なお、アルバムでブルース&テリーが書いたOld Car Made In '52のみ、歌がブルース&テリーではない。

次のシングルOne Piece Topless Bathing Suite/Wah-Wahiniはどちらもスローン&バリの作品で、ハーモニーはどちらも十分、ちょっとコミカルなA面は96位に僅かにランキング、アップ・テンポでサビのファルセットの爽快感が素晴らしいB面の方が出来が良かった。

他のグループの仕事で出来がいいのがカスタム・キングスのIn My ’40 Fordだ。ブルース作で歌もブルース、少しメロウなメロディ・ラインが心に残り、展開もいいし、初期のブルースの快作と言えよう。LPは『Kustom City』に収録されたが、作曲の表記はB.Johnsonと間違えており、これがブルースとすると、一緒に収録されていたStick SixSuper Fine 39Hotty 32もブルース作品となる。3曲とも特徴のないシンプルなホット・ホッド・ナンバーだった。カスタム・キングスはスティーブ・ダグラスのプロジェクトだったが、ニック・ヴェネットとスティーブ・ダグラスの依頼のヴェッツというグループの『Rev-Up』というアルバムでは、ブルースは4曲のリード・ヴォーカルを担当している。みなホット・ロッド・ナンバーだが、曲もアレンジもみなダサく、特筆すべきものはない。その後もう1枚スティーブ・ダグラスのプロジェクトに参加し、そのキャタリナズのアルバム『Fun Fun Fun』にはブルース&テリーの自作のQueen Of The Hot Rodsを提供、この曲は過去リップコーズに提供したThe Queenそのもので少し哀調を持つ佳曲。アルバムにはピアノで参加している。ヒットした仕事ではパット・ブーンのシングルLittle Honda/Beach Girlをテリーのプロデュース、ブルース&テリーがバッキングを担当した。A面はご存知ビーチ・ボーイズのカバーだが、やや低いパットの声が合う訳もなく、ドライヴ感も薄かったが72位とランキングした。出来がいいのはB面のBeach Girlの方で、リップ・コーズのヴァージョンと違ってコーラス部にはっきりとしたメロディがあり、よりバラード色が出ている。ブルース&テリーがきっちりバックを担当したのがウェイン・ニュートンのシングルComing On Too Strongで、サビのファルセットのハーモニーなど見事で出来で65位にランクされている。

またブルース&テリーとしてのデュオ・ワークスだが、ロックンロールのカバーはロッグスの名前でリリースすると決めたようで、第1弾のバディ・ホリーのロックンロール全開のカバーEverydayB面もブルース&テリー作のR&BインストRoger’s Reefだった。

1965年に遂にブルース・ジョンストンの完全ソロ・シングル、サイドウォーク・サーファーズ名義のSkate Board/Fun Last Summerがリリースされる。アップテンポでスリリングにファルセットでハモるA面は、これまでのブルースの作品の中で最も進化した姿になった傑作。B面はミディアムの親しみやすいメロディがいいポップ・ナンバー。続いてリップ・コーズの5枚目のシングルDon’t Be Scared/Bunny HillA面はテリー・メルチャー作のナンバーで、歌いだしはロック調だが、サビではファルセットとハーモニーが一気に付くなかなか聴かせるナンバー。B面はブルース&テリーもからんだインスト。

ブルース&テリー3枚目のシングルCarmen/I Love You Model "T"A面はスパニッシュギターがフィーチャーされたちょっとエキゾチックなフォークタッチのニック・デカロ作のナンバー。B面はホットロッドだが、ビートも歌も重いので爽快感はない。ブルースはマイク・クリフォードのDon’t Make Her Cryの作曲も担当する。ストリングスに乗せた甘いバラードで、ブルースの作曲能力の向上がこの曲でも分かる。ロッグスの2枚目のシングルはリッチー・バランスのカバーCome On Let’s Go。ロックンロールだがこちらにはハーモニーも付いた軽快なもの。B面はテリーの書いたRogers Reef Part Twoで、ミディアムの美しいギターインストだった。映画『A Swinging Summer』のサントラ盤にリップ・コーズのLittle Red Roadster(Version 1)が収録された。Version1にしたのは、CDの『The Best Of Bruce & Terry』収録のものと明らかに別テイクだったからだ。このサントラのものはライブ仕立てで拍手から始まりエンディングはコードで終わる。しかしCDは歓声が無く最後はフェイドアウト。しかし何よりも違うのは、最後のリード・ヴォーカルがファルセットになる前のメロディがVersion1では上昇して歌っているのに、CDの方が逆に下降して歌っているので完全な別テイクだった。またいつもプロデュースはテリー・メルチャーにまかせるか、テリーとの共同プロデュースだったのに珍しくブルースが単独プロデュースしたのが、女性歌手マンディ・マーティンのDon't Let Him Get Away From You/This Is Goodbye Foreverで、ガール・ポップを気楽に作っていた。ブルース&テリーの4枚目は、アコースティック・ギターとパーカッションをフィーチャーしたバディ・ホリーで知られるRaining In My Heartのカバーと、ストリングスも入ったボビー・ベアーのFour Strong Windsでよりフォーク色が強くなった。

1966年にブルースはビーチ・ボーイズに加入するため、テリーとのコラボも解消し、ワークスも少ない。しかしこの年のクオリティは、ブルースをなぜビーチ・ボーイズが欲しがったのかよく分かる。まずCome Love/Thank You Babyは、A面はハーモニーがからんでドラマティックに盛り上がっていく快作、ブルースの書下ろしのB面は、流麗な甘いメロディのブルースそのものの名曲だった。そして6枚目の最後のシングルDon’t Run Awayは、この曲を山下達郎がオマージュしてOnly With Youにしたほどの、ブルース作の5本の指に入る傑作中の傑作。流れるようなメロディながら複雑なドラムパターン、サビの見事な転調、文句のつけようがない。B面のGirl,It’s Alright Nowはバリー・マン&シンシア・ワイルの作品で、後半に徐々に盛り上がっていく佳曲だった。自作自演のボブ・スレッド&ザ・トボガンズのHere We Goは進行と共にハーモニーがどんどん増していきキャッチーなリフレインになる快作で3枚どれもが素晴らしかった。(B面のSea And Skiは同曲のチープなインスト)そして同年の『Pet Sounds』ではブルースはビーチ・ボーイズのメンバーとして歌っているのだ。

1967年のものはその前に録音されていた音源だ。グラハム・ボニーが歌ったシングルThank You Babyはブルース&テリーのシングルのカバーだ。テンポチェンジもあるが出来はブルース&テリーが上。他ではサジタリアスのMy World Fell Downのバック・コーラスに参加していたので、ゲイリー・アッシャーがこの年にシングルと『Present Tense』に収録した。シングルとアルバムではヴァージョンが違う。

さてここからはもう基本的に紹介しない。ブルースはビーチ・ボーイズの一員として70年代初頭にDisney Girlsという超名曲を含め傑作をを残し、その後6年間、ビーチ・ボーイズを脱退、テリー・メルチャーとRCA-Equinoxプロダクションを作り、その間には自作のI Write The Songsをバリー・マニロウが歌ってグラミー賞最優秀楽曲賞を獲得するなど栄誉も得るが、ビーチ・ボーイズ復帰後は目立つ仕事をしなくなってしまい、今はマイク・ラブとの2人で「どさまわり」のビーチ・ボーイズを細々続けるだけになってしまった。ビーチ・ボーイズ脱退後の仕事で最良の仕事はバリー・マンとの『Survivor』だと思うが既にソロのバリー・マンで紹介済みだ。ビーチ・ボーイズ脱退後の1972年以降の作品は地味なものが多いがほとんどCD化されている。シングルのみのリリースで終わっていたEquinoxのプロジェクトでブルース本人がメンバーになっていたカリフォルニア・ミュージックは1974年にブルースの絶妙のアレンジのDon’t Worry BabyB面には美しくメランコリックなバラードのTen Years' Harmonyをピアノの弾き語りで収録し、豪華な組み合わせでシングルを作っていた。1975年のセカンド・シングルは、ブライアン・ウィルソンに依頼してまったく新しいアプローチのWhy Do Fools Fall In Loveをリリースしたが、1976年のサード・シングルJamaica Farewellはカート・ベッチャー中心に移り、この前の前回のCurt Boettcher Related Worksで紹介したようにグループ名もカリフォルニアになってここのリストから消えている。ただし1977年にカートがまとめたカリフォルニアのアルバム『Passion Fruits』にはブルースの、堂々としたバラードのBrand New Old Friendsが収録されていて、2002年の25年後のリリースでやっと陽を見ることができた。このEquinoxでは、ビーチ・ボーイズ系のカバーを多く手掛けるPapa Doo Run Runというユニット名でディーン・トーレンス中心に色々なメンバーでアルバムが出ているのに、あえてブルースはこの名前でシングル1枚をリリース、B面にはDisney Girlsの完全ピアノ弾き語りヴァージョンを入れた。こういったシングルはずっとレア盤だったが、『California Music-Disney Girls』のCDでまとめられた。変わったユニットではディーン・トーレンスが主体のLegendary Masked Surfers1972年と1973年に2枚、3曲をシングルでリリースしている。ここにはブルースら仲間がみなコーラスで参加していてGonna Hustle YouSummertime Summertimeは、日本のEMIのコンピ『Golden Summer Vol.3』に収録されたが、Summer Means Funはシングルのままだ。ただし8年前のBruce & Terryのヴァージョンの方がはるかに出来がいいのは皮肉。もう1曲、これは出来がいいのが1976年にブルースやカートなど多くのメンバーがバックに参加して録音されたのがデイブ・エドモンズのLondon’s A Lonely Town、そうトレードウィンズのNew York’s A Lonely Townの舞台をロンドンに変えたものだ。リード・ヴォーカル、華麗なハーモニー、爽やかなサウンドの全てが揃い最高の仕上がりだったが、ボツで終わってしまう。最初、アナログのコンピに入ったがエンディングが短い不完全版で、1996年になってようやくオムニバムのCDPebbles Vol. 4』で完全版を聴く事ができた。デイヴはこのボツはよほど悔しかったようで、後にSwanからオリジナルのNew York’s A Lonely Townの歌詞に戻して再録音し、シングルを切っている。ただし出来はこのLondonの方が上だ。そして1977年にブルースは最後にひと花を咲かす3枚目のソロ・アルバム『Going Public』をリリースしている。ここに収録されたのはバリー・マニロウでグラミー賞を取ったI Write The Songsのブルース・ヴァージョン、ビーチ・ボーイズ時代のDisney GirlsDeirdre、ハドソン・ブラザースに書き下ろしたRendezvous、このアルバムと同年リリースの同年のジャック・ジョーンズの『The Full Life』にも収録したDon’t Be Scared、ブルース&テリー時代のThank You Babyで、書下ろしはRock And Roll Survivorの1曲だけだ。メロウなバラード系ナンバーが集まった甘―いアルバムになったが、6年間のソロ活動期に書いたのはこの中のI Write The SongsRendezvousDon’t Be Scared3曲に、前述のTen Years HarmonyBrand New Old Friends、キャプテン&テニールの『Dreams』用に書いたIf There Were Timesのたった6曲しかない。余りに少ない。賓作もここに極まれりというところ。このIf There Were TimesLet’s Visit To Heaven Tonightとブルースが歌う音の悪いデモを聴いたことがあったが(ブートにはなっていない)、ボツにしたのか、されたのかは分からないままだったが、2002年にキャプテン&テニールの『More Than Dancing & Much More』にこのLet’s Visit To Heaven Tonightがひっそりと収録されていた。デモと同じく明るく弾けるような歌とサウンドで、楽しい出来だった。ビーチ・ボーイズに戻ってからのブルースが書いた曲は、Endless Harmony(Ten Years Harmony,の使いまわし)She Believes In AgainHappy EndingsSlow Summer Dancin‘とバラード系の4曲のみで、かつて『Sunflower』『Surf’s Up』でDisney GirlsDeirdreTears In The Morningとアルバムのハイライトの曲を書いていた時代から比べると寂しい限り。ただこうしてまとめてみると、ブルースがいかにLAでいい仕事をして人脈を築き、実力を一気に上げてブライアン・ウィルソンの目に留まって自分の代わりのメンバーに誘われ加入する訳だが、そこまでのサクセスストーリーをまとめられたのは楽しかった。


Bruce Johnston Related Works

◎プロデュース、〇共同プロデュース(テリー・メルチャー)、◇インストでミュージシャンとして参加。*インスト。無関係のB面曲などはカットした。△リード・ヴォーカル(Bruce JohnstonBruce & Terry名義は当たり前なので△マークは表記せず)、▲バック・コーラス。1990年以降はCDが基本なので「CD化」のクレジットはしない。ブルースが作曲した曲のみ共作者名があればクレジットした。

1958 Kip Tyler And The FlipsShe’s My Witch/Rumble Rock(EBB/154)

1959 RenegadesGeronimo/Charge*(American International/536

1959 Bruce & JerryTake This Pearl B.Johnston/I Saw Her FirstB.Johnston=B.Cooper)(Arwin/1003

1959 Sandy NelsonTeen Beat*…US4/Original/5

1960 GamblersMoon Dawg/LSD-25(World Pacific/815)

1960  Ron Holden:Love You SoUS7/My BabeDonna/1315)※『Love You So』収録。

1960 Bob Keen Orchestra:Teen Talk*(B.Johnston/The Toughest Theme*(B.Johnston=M.Emrich)(Del-Fi/4144)※『Tough Themes』収録

1960 Ron Holden:Gee But I’m Lonesome(B.Johnston)/Susie Jane(B.JohnstonR.Holden)(Donna/1324) ※『Love You So』収録

1960 Janis Rado And The SequinsI’m Coming Home(B.Johnston-J.Rado)/Edsel/45-782)※『Tough Themes』収録

1960  Mel Carter:I’m Coming Home(B.Johnston-J.Rado)/(Arwin/25)

1960 ◎Ron HoldenLove You So』(Donna/2111)※2006年にCollectableからCD

Here I Come(B.JohnstonR.Holden)/Everybody’s Gonna Be Alright(B.JohnstonR.Holden)/ Gee But I’m Lonesome(B.Johnston)/ Suzie Jane(B.JohnstonR.Holden)/ Let No One Tell You(B.JohnstonR.Holden)/Love You So/My Babe/True Love Can Be(B.JohnstonR.Holden)/Seeing Double((B.JohnstonR.HoldenKuhn)/Do I Have The Right(B.JohnstonR.Holden)/Your Line Is Busy(B.JohnstonR.Holden)

※その他アルバムからあと3枚シングルが出たが、みなアルバムの曲。シングルのみのWho Says There Ain’t No Santa ClausThe Big Shoeはブルースは無関係。

1960 Studs Donegan And The MobThe Bend(B.JohnstonG.Quesada)/ Rock N' Roll Honky TonkB.Johnston(Donna/1329) ※『Tough Themes』収録

1960 PharaosThe Tender Touch(B.Johnston)/ Heads Up, High Hopes Over You(B.Johnston=Fowley)Donna/1327)※『Tough Themes』収録

1960 Millard Woods:Don’t Put Me Down(B.JohnstonS.Randolph)/Del-Fi/4150)※『Tough Themes』収録

1961 ◎Little Ceasar And The Romans:Those Goodies But Goodies/(DelFi/4158)※アレンジ担当。プロデュースではない。『All American Hit Del Fi Collection』収録。 

1962 Bruce Johnston:Do The Surfer StompPart.1B.JohnstonJ.Hartnett/ Do The Surfer StompPart.2)*B.JohnstonJ.Hartnett)(Donna/1354)※『Surfer's Pajama Party』収録のものは150秒長く別ヴァージョン。Part.2はインスト。テイチクのCDSurfer's Pajama Party』に収録。

1962 Bruce Johnston:Soupy Shuffle Stomp(B.Johnston-Emrich)/Moon ShotB.Johnston)=Soupy Shuffle StompPart.2)*(Donna/1364)※『Surfer's Pajama Party』『One Beach Boys Original Album』『Tough Themes Disc1』に収録されているが、『Tough Themes Disc2』の「Soupy Shuffle Stomp [Sessions]」は3分近く長いまさにセッション風景で、最後はア・カペラでSSSと練習している。もうひとつの「Soupy Shuffle Stomp [Instrumental]」*はベーシックなトラックしか入っていない簡素なもの。同年のBob Keene Big Bandのアルバム『Twist Album』収録の「The Twist」*(Del-Fi/1222)はピアノ担当で『Tough Themes』に収録

1963  Cover GirlsAction Speaks Louder Than WordsB.JohnstonK.Fowley/(Conte/829)

1963 Bruce Johnston:The Original Surfer Stomp= Do The Surfer StompPart.2)*)Pajama Party(Single Version)

1963 The Bruce Johnston Surfing Band:『Surfers Pajama Party(Del-Fi/1228)1963年にUCLAで録音。1992年にテイチクからCD化の際に5曲のシングル・ヴァージョンがプラスされた。

Rumrod/Last Night/Surfers StompB.Johnston-J.Hartnett)(カウンターにギターが入るAlbum Version。冒頭にLadys & Gentlmen The Original Surfer Stomp 1 2 3 4と入るのはこのオリジナルの曲順のこの盤のみ)/ What’d I Say/Something On Your Mind/Surfer’s DelightPajama Party)*(Album Version/Kansas City/Mashin’ The Popeye/Gee But I’m Lonesone(B.Johnston)/Green Onions//Soupy Shuffle Stomp(Part1) (B.Johnston=Emrich)/ Soupy Shuffle Stomp(Part)=Moon Shot(B.Johnston)/Do The Surfers Stomp(Part1) (B.Johnston-J.Hartnett)/ Do The Surfers Stomp(Part2)(B.Johnston-J.Hartnett)/ Pajama Party(Single Version)

1991 One Beach Boys Original AlbumWoodford Music/5632)※『Surfers Pajama Party』から「Kansas City」が外れ未収録曲3曲とSoupy Shuffle Stomp(Part1)Soupy Shuffle Stomp(Part2) *をプラスしたもの。

Blue Moon/I Need Your Love/Hold It*で、I Need Your Loveだけ歌の入ったバラード。

1999 『Tough Themes-The Del-Fi/Donna Years』(Air Mail/1001/2)※Del-FiDonna時代の録音の決定版。まずはDisc1だが『Surfers Pajama Party』の10曲に、Soupy Shuffle Stomp(Part1)Moon Shot(Soupy Shuffle Stomp(Part)の表記にはしていない)The Original Surfer Stompのシングル、Surfers Delight(Pajama Partyの表記にはしていない。Single Version)がプラスされ、この当時の未発表の8曲がプラスされた。196212月にブルースが書いた軽快なマリアッチ風のナンバーのMazatlanB.Johnston)、『Surfers Pajama Party』未収録のHide Away*、SummertimeEd’s Number One*、John’s Number Two*、Balboa Blue*、San-Ho-Zay*、Bruce’s Number OneB.Johnston)*追加。

ディスク2にはまず1961年に録音した未発表インスト曲Untitled InstrumentalB.Johnston)*と前述のBob Keen OrchestraJanis Rado And The SequinsStuds Donegan And The MobPharaosMillard WoodsBob Keene Big Bandの音源、さらにこれも前述したSoupy Shuffle Stomp(Sessions)(Instrumental) *、さらにディスク1MazatlanSessions)とMazatlanEarly Instrumental Track)*も収録され、短いア・カペラの練習と、ベーシックな練習風景がその内容だった。

1963 Hot Doggers:Surfin’ USA』(Epic/24054)※ブルースとテリー・メルチャーのユニット。2006年にソニーよりCD化済。ソニー盤のみ、テリー・メルチャーがTerry Dayの名前でリリースしていたシングル2枚もボーナストラックで収録。

Surfin’ USA/Let’s Go Trippin’/Balboa Blue/Surfin’/The Original Surfer StompB.Johnston)*/Pipeline/Misirlou/Surfin’ Safari/Surfer’s Stomp/Walk Don’ Run/Peppermint Man/QuasimotoB.Johnston)*

1963 『Surfin’ Round The World』(Columbia/2057)※CD1997年ソニー

Surfin' 'Round The WorldB.Johnston=T.Melcher/Makaha At Midnight(Maksha At Midnight)B.Johnston)*/Down UnderB.Johnston=H.Blaine/CapetownB.Johnston/BiarritzB.JohnstonJ.Hartnett)*/Jersey Channel Islands - Part 7B.Johnston)*/The Hamptons/Virginia BeachB.Johnston=E.Carter)*/Surf-A-NovaB.Johnston)*/Hot Pastrami, Mashed Potatoes, Come On To Rincon-Yeah!!! B.Johnston/ MalibluB.Johnston)*/Surfin's Here To StayB.Johnston=T.Melcher//Down Under (Unissued Instrumental) B.Johnston=H.Blaine)*/The Hamptons (Unissued Instrumental) /Surfin' 'Round The World (Unissued Alternate Version) B.Johnston=T.Melcher

1963 〇Rip Chords:Gone(B.JohnstonT.Melcher)US88/She Thinks I Still Care(Columbia/442812)CD1996SundazedHey Little Cobra

1963 〇Rip Chords:Hey Little Cobra…US4/The Queen(B.JohnstonT.Melcher)Columbia/4429221)※CD1996SundazedHey Little Cobra

1963 Wayne Newton:Someone’s Ahead Of You(B.JohnstonLovejoy)(Capitol/5058)1989年『The Capitol Collector's Series: Wayne Newton』でCD

1964 Bruce & Terry:Custom MachineUS85/Makaha At MidnightB.Johnston)*(Columbia/442956)※CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1998 Bruce & Terry:『The Best Of Bruce & Terry』(Sundazed/11052)※1964~1966年のBruce & Terry6枚のシングル(『Surfin’ Round The World』からの使いまわしの「Makaha At Midnight」はダブりなのでカットされた)、Roguesの変名の1964~1965年の2枚のシングル、1963年録音1曲、1964年録音3曲、1965年録音1曲の未発表を収録。シークレットでLittle Deuce Coupe風の1964年のKFAM Radio Jingle 25秒、ファルセットのア・カペラ・ジングル38秒あり。

Hawaii(1964年、未発表)/Summer Means Fun/Come On,Let’s Go/Carmen/Don’t Run Away(B.JohnstonM.Love)/Custom Machine/I Love You Model "T"(B.JohnstonT.Melcher)/Raining In My Heart/Everyday/Roger’s Reef(B.JohnstonT.Melcher)/Yeah! (B.JohnstonT.Melcher)/Thank You Baby/Girl,It’s Alright Now/Roger’s Reef Part Two/Halfway(1963年、未発表)/Come Love/Four Strong Winds/Help Me Rhonda(1965年、未発表)/Look Who’s Laughing Now(1964年、未発表)/Here Comes Summer(1964年、未発表)/

1964 Vettes:Rav-Up』(MGM/4193

△(Little Ford Ragtop/Devil Driver/4.56 Sting Ray/’55 Ford4曲でリード・ヴォーカル)

1964  Kuscom Kings: In My ’40 FordB.Johnston/(Smash/1883)※リード・ヴォーカルと作曲を担当。CD1993年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)収録

1964 Kustom Kings:『Kustom City』(Smash/271051

In My ’40 FordB.Johnston)収録。LPの表記はB.Johnsonとなっており、これがブルースとするとStick Six(B.JohnsonS.Douglas)Super Fine 39(B.JohnsonS.Douglas)Hotty  32(B.Johnson)もブルース作品になる。

1964 Rip Chords:Hey Little Cobra And Other Hot Rod Hits』(Columbia/2151)…US56CD1996SundazedHey Little Cobra

Hey Little Cobra/Here I Stand/The Queen(B.JohnstonT.Melcher)/409/ Trophy Machine(B.JohnstonT.Melcher)/Gone(B.JohnstonT.Melcher) /Little Deuce Coupe/'40 Ford Time(B.JohnstonT.Melcher) /She Thinks I Still Care /Shut Down/Drag City/Ding Dong//Karen/Bunny Hill(B.JohnstonT.Melcher) /Don’t Be Scared

1964 △「Rip Chords:Three Window CoupeUS28/Hot Rod USA(Columbia/443055) CD1996SundazedThree Window Coupe

1964 Bruce & Terry:Summer Means FunUS72/Yeah! (B.JohnstonT.Melcher) *(Columbia/443055)※CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1964 △Rip Chords:Three Window Coupe』(Columbia/2235)※プロデュースはテリー単独。CD1996SundazedThree Window Coupe

Three Window Coupe/Bonneville Bonnie/Gas Money/This Little Woodie/Hot Rod USA/Old Car Made In '52(B.JohnstonT.Melcher)/Surfin’ Craze/Beach Girl(B.JohnstonT.Melcher)/My Big Gun Board/Surf City/Summer USA(B.JohnstonT.MelcherJ.Lovejoy)/Big Wednesday(B.JohnstonT.MelcherJ.Lovejoy) //One Piece Topless Bathing Suite/Wah-Wahini/Red Hot Roadster(Version 2)

1964 Rip Chords:One Piece Topless Bathing SuiteUS96/Wah-WahiniColumbia/443093)※同上収録

1964 Pat Boone:Little HondaUS72/Beach Girl(B.JohnstonT.Melcher)Dot/16658)※ブルース&テリーがバックアップ。90年代にコンピの『Surfin' & Draggin'』でCD化されていたが2012年にUMEから再発された。

1964 Catalinas:Fun Fun Fun』(RIC/1006)※ブルースはピアノでクレジットされている。

Queen Of The Hot Rods(B.JohnstonT.Melcher)Rip Chordsの「The Queen」と同じ曲。

1964 Wayne Newton:Coming On Too StrongUS65/(Capitol/5338) 1989年『The Capitol Collector's Series: Wayne Newton』でCD

1964  Rogues: Everyday/Roger’s Reef (B.JohnstonT.Melcher) (Columbia/443190)Bruce & Terryの変名。※CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1993 Various:Bruce & Terry Rare Masters』(M&M/1001

2ndプレスには1964年のKFAM Radio Jingle 1、♯2収録

1965 Sidewalk Surfers:Skate Board(B.Johnston)/Fun Last Summer(Bruce Johnston)/Jubilee/455469)※ブルースの自作自演のソロ・シングル。現在では『Warner Surfin' & Hot Rod Nuggets』のCDで聴ける。

1965 Rip Chords:Don’t Be Scared/Bunny Hill(B.JohnstonT.Melcher=P.Stewart=S.Stuwart) (Columbia/443221) CD1996SundazedHey Little Cobra

1965 Bruce & Terry:〇Carmen/I Love You Model "T"(B.JohnstonT.Melcher)Columbia/443238)※CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1965 Mike Cliford:Don’t Make Her Cry(B.Johnston)/(United Artists/794)CD1993年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)収録

1965  Mike ClifordFor The Love Of Mike(United Artists/3409)

Don’t Make Her Cry(B.Johnston)CD1993年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)収録

1965 Rogues: Come On Let's Go/Rogers Reef Part Two(Columbia/423353) CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1965 OSTA Swinging Summer』(Hanna Barbera/8500

Rip Chords:Little Red Roadster(Version 1)収録。節回しも違う別テイク。※CD1993年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)収録

1965 Mandi Martin: Don't Let Him Get Away From You/This Is Goodbye Forever(Columbia/443254)

1965 Bruce & Terry:Raining In My Heart/Four Strong Wings(Columbia/443479) CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

Paul Revere & The RaidersSteppin’ OutUS46Just Like MeUS11のバックに参加。1966年のアルバム『Just Like Us!』…US5のバックにも参加。

1966  Bruce & Terry:Come Love/ Thank You Baby(B.Johnston=D.Didley)(Columbia/443378) CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1966 Bob Sled & The Toboggans:Here We Go(B.Johnston)/Sea And Ski(B.JohnstonE,Slivers) (Camao/400) ※ブルースの自作自演のソロ・シングル。CDA面のみ1993年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)収録

1966 Bruce & Terry:Don’t Run Away(B.Johnston=M.Love) /Girl,It’s Alright Now(Columbia/443582) CD1998Sundazedの『Best Of Bruce & Terry

1967 Graham Bonney:Tkank You Baby(B.JohnstonD.Dudley)/Columbia/8111)…UKのみ。CD1992年『Bruce & Terry Rare Masters』(M&M)の1stプレスのみ(M&M)収録

1967 Sagitarrius:My World Fell Down(Single Version)US70(Columbia/444163)※現在は2013年ソニーからCD

1967 SagittariusPresent Tense』(Columbia/9644)※現在は2013年ソニーからCD

My World Fell DownAlbum Version

1971 Cyrus Faryar▲『Cyrus』(Elektra/74105)※2015年ワーナーからCD

1972 Cass Elliot:Cass Elliot(RCA/4619)1988RCAからCD

Disney Girls(B.Johnston)

1972 Legendary Masked Surfers: Gonna Hustle You/Summertime SummertimeUnited Artists/50958)※1990年『Golden Summer Vol. 3(EMIミュージック収録)

1973 Legendary Masked Surfers: Summer Means Fun/Gonna Hustle YouUnited Artists/270)※B面のみ上記に収録。

1973 Roger McGuinnRoger McGuinn(Columbia/31946)2004年にSundazedからCD

Draggin’

1973 Shaun Harris;Shaun Harris(Capitol/11168)2005Rev-OlaからCD

Love Has Gone Away

1973  AmericaHat Trick』(Warner Bros./2728)※1996WEAからCD

Hat Trick

1974 〇California Music:△Don’t Worry Baby/Ten Years Harmony(B.Johnston)(RCA-Equinox/10120)※メンバーはブルース他で、リード・ヴォーカルもブルy、ース。B面は完全なソロ作品。ビーチ・ボーイズ復帰後にEndless Harmonyに歌詞を変えて再度録音している。※2000年に『California Music & Disney Girls RCA-Equinox Productions(BMG)

からCD

1974 〇△Terry MelcherTerry Melcher』(Reprise/2185)※1998WEAからCD

Dr,Horowitz(B.Johnston=T.Melcher)

1974  〇▲Bill HouseGive Me A Break(RCA-Equinox/10786)2000BMGからCD

1975 〇▲Barry MannSurvivor』(RCA/)※2005年のBMGジャパンのCD化では、シングルのみ、US2ndプレス違いで収録曲が違っていたI’m A SurvivorNothing But Comes EasyWoman Woman Womanを全て収録

1975 ▲Hudson BrothersBA-FA』(Rocket/2169)US165

Randezvous(B.Johnston)アレンジも担当。▲Bernie Was A Friend Of Ours、▲Gabriel

1975 Terry Melcher And Bruce JohnstonTake It To Mexico/RebeccaRCA-Equinox/10238)※翌年Terry MelcherRoyal Flash』に収録

1975 California Music:Why Do Fools Fall In Love/〇△Don’t Worry Baby(RCA-Equinox/10120)B面は前述と同じ曲。A面のプロデュースはブライアン・ウィルソン。※2000年に『California Music & Disney Girls RCA-Equinox Productions(BMG)

からCD

1975 Papa Doo Run Run:◎▲Be True To Your School/◎△Disney Girls(B.Johnston) RCA-Equinox/10404)※B面はブルースのピアノ弾き語り。2000年に『California Music & Disney Girls RCA-Equinox Productions(BMG)からCD

1975 David CassidyThe Higher They Climb,The Harder They Fall』(RCA/11066)※2003BMGCD

〇(Get It Up For LoveLove In BloomWhen I’m A Rock And Roll StarI Write The Songs(B.Johnston)Darlin’This Could Be The Night

1975 Barry Manilow:I Write The Songs-US1(Arista/0157)CD化済

1975 Art GarfunkelBreak Away』(Columbia/33770)※1989ColumbiaからCD

Break Away、▲Disney Girls(B.Johnston)

1976 California Music:Jamaica Farewell/California Music(RCA-Equinox/1057) 2000年に『California Music & Disney Girls RCA-Equinox Productions(BMG)

1976 David CassidyHome Is Where The Heart Is(RCA/11309)2009BMGCD

〇▲(TomorrowBreaking Down AgainOn FireBedtime

1976 Terry Melcher▲『Royal Flash(RCA-Equinox/10948)2012年にSMJCD販売

1976 Elton JohnBlue Moves』(MCA-Rocket/211004)※CD化済

▲(ChameleonCrazy WaterBetween Seventeen And TwentySomeone’s Final Song

1992 VariousPebbles Vol.4』(AIP/5021)※デイブ・エドモンズが1976年に録音して未発表に終わったNew York’s A Lonely Townの替え歌でブルースも参加した。素晴らしい出来栄え。CD

London’s A Lonely TownDave Edmunds

1977 Jack Jones▲『The Full Life(RCA-Equinox/120679)2000年にBMGからCD

Don’t Be Scared(B.Johnston)/ Disney Girls(B.Johnston)

1977  Bruce JohnstonGoing Public』(Columbia/34459)※ブルース通算3枚目のソロ・アルバム。プロデュースはゲイリー・アッシャー。2012年ソニーCDは完全版

I Write The Songs)B.Johnston)/Deirdre(B.Wilson=B.Johnston)/Thank You Baby(B.Johnston)/Rendezvour(The Hudson Brothers=B.Johnston)/Won’t Somebody Dance With Me/Disney Girls(B.Johnston)/Rock And Roll Survivor(B.Johnston)/Don’t Be Scared(B.Johnston)/Pipeline//Pipeline(Single Version) /Pipeline(12inch Disco Mix)

1977 Eric CarmenBoat Against The Current』(Ariata/4124)※『Boat Against The Current/Change Of Heart/Eric Carmen』の3in12010年にCD

▲(Love Is All That Matters/She Did It/I Think I Found Myself)プラス1977年のシングルで翌年のアルバム『Change Of Heart』に収録された▲Somedayも収録

1977 Bill QuatemanNight After Night(RCA/12027) 2014CD BabyからCD

▲(Au Claire/Dance Baby Dance

1978 Captain & TennilleDreams』(A&M/2027)※1995年ポリドールからCD

If There Were Times(B.Johnston)、▲I’m On My Way、▲Love Is Spreading Over The World、▲Back To The Island

1979 Pink FloydThe Wall』…US1(Columbia/236183)CD化済

Another Brick In The Wall Part2US1、▲One Of My Turns

1979 Nigel Olsson▲『Nigel』…US140(Bang/35792)2002年ソニーからCD

1980 Elton21 At 33(MCA/5121) CD化済

Dear God

1980 TremblersTwice Nightly』(Johnston/36572)※エクゼクティブ・プロデューサー

1981 Dean Torrence▲『Music Phase2 1977-1981』(JVC/6786      

1983 VariousRock’n’Roll City』(Realistic/513009)※カセットのみだが日本のみLPで『Listen To The Air(ビクター/5004)で発売。

Sealed With A KissBruce & Terry名義

1997 Kings Singers◎『Sprit Voices(RCA-Victor/090266843692)

Life The Wing、△Please Let Me Wonder(Mike Loveと共同リード・ヴォーカル)、△Kokomo、△She Moved Through The Fair/The Lord’s Prayer

1998 ◎VariousSymphonic Sounds:Music Of The Beach Boys』(Platinum Entertainment/9343)※オーケストラのみ3曲、マイク、ブルースの歌入り6

Overture/Kokomo/God Only Knows/Wouldn’t It Be Nice/Disney Girls※ブルースがリード・ヴォーカル/Darlin’/All Surf/The Warmth Of The Sun/The Water Planet Suite

2001 CaliforniaPassion Fruit』(TYO/0046

1977年リリース予定でボツになった同名のアルバムからBrand New Old Friends(B.Johnston)収録。歌もブルース。

2002 Captain & TennilleMore Than Dancing & Much More(Raven/146)

Let’s Visit Heaven TonightB.Johnston

2011 Doris DayMy Heart』(Sony/888697927752

Disney GirlsB.Johnston)、Heaven TonightB.Johnston)、Happy EndingsB.Johnston=T.Melcher)、The Way I Dreamed It、(B.Johnston=T.Melcher)、My HeartB.Johnston=T.Melcher


(作成:佐野邦彦)







2017年8月25日金曜日

☆Favorite Musician 全音源コレクティング第2回:Curt Boettcher Related Works Part.2


ここからがカート・ベッチャーの最もコアなワークスだ。Part.1はみなCD化されているが、Part.2のシングル担当編は1965年、1966年、1967年、1969~1970年の大半がCD化されていない。アルバムでも未CD化のものが残されている。今回はそのコアな部分について詳細に紹介していこう。

 

1964~1966年 GoldebriarsSummer’s ChildrenCurt Boettcher Productions

1964年~1965年はカート本人が参加したゴールドブライアーズのアルバム2枚をリリースする。メンバーにはその後長くカートと一緒にコーラスで参加していくドティ・ホームバーグがいた。ファーストは、ハーモニーは美しいがポップな感覚はほぼないフォークそのもの。1965年のセカンドではハープシードなどを入れたカートも作曲に参加した「Sea Of Tears」からスタートし、ポップな曲が多くなってシングルカットした「Castle on The Corner」では、歌にただ機械的なハーモニーを付けるようなものではなく、複雑なコーラスワークを付けてカートらしさを発揮した。日本に住んでいたこともあるカートは「HAIKU」という曲を書いていたが、カートはポップな曲を書けるようになったのは後の話なのでこの時点ではつまらない曲だ。なお1964年暮れにはサード・アルバム用の曲も8曲録音していて2009年に日本でリリースされている。カートは別に女性シンガーとサマーズ・チルドレンというデュオを作り、1965年に「The Summer’s Long」「Everybody’s Been Talkin’」をリリース、A面はデュオにしてはポップできれいなハモリ出来はいい。B面はもっともビートに乗せたナンバーでキャス・エリオットの曲だった。1966年のセカンドはもうOur Productionsのカートのプロデュース名義になっていて「Milk And Honey」の方は少しエキゾチックな雰囲気のナンバー。「Too Young To Marry」はA面より少しキャッチーなリフレインを持つナンバーでトミー・ロウの曲だった。カートとずっとメンバーを共にすることになるリー・マロリーの1966年のシングル2枚はリーのCDに収録されたが、1966年の「That’s The Way It’s Gonna Be」は不安なビートに乗せて歌が始まると不協和音ギリギリに迫るサイケデリックなナンバーで、でもトータルでポップというとことが絶妙。「Many Are The Times」はゆったりとした曲想に、虚空からふっと現れるような幽玄なコーラスが素晴らしく、隣でレコーディングしていたブライアン・ウィルソンが驚いて飛び込んできたというエピソードがあるほど。こちらはリーのオリジナル。2枚目の「Take My Hand」は一転ポップな曲でカートのハーモニーも目立たない。「The Love Song」はリー作の曲のロック・ナンバーだった。

1966年のカートのベストのワークスはアソシエイションだ。ヴァリアントでくすぶっていた彼らのプロデュースを担当し、高度なハーモニーを学び実際に「Cherish」が1位、「Enter The Young」が7位になるなど成功を収めると学ぶことは学んだと1作でカートを離れてしまうが、案の定セカンドでは低迷する。同年にはユア・ギャングというグループのアルバムに、プロデュースのゲイリー・パクストンの依頼だと思うがアルバム『Your Gang』に「Tomorrow’s Dream」という牧歌的なインスト曲を提供していた。ゴールドブライアーズの同僚、ドティ・ホームバーグのために1966年にカートは4曲をプロデュースしていた。2002年になってSometimes Happy Times』のタイトルでようやくCD化されたがコーラスにCurt BoettcherSandy SalisburyLee MalloryMichele O’Malleyなどを揃え、「I Sing My Song」はサウンド・ハーモニーとも実に爽やかで曲はミシェル・オマリーの曲。「Sea Of Tears」はゴールドブライアーズのトップを飾ったカートのオリジナルだが若干スローで重いイメージにアレンジしていた。「Foolish Times」はカートのオリジナルで、爽やかだが単調な曲。他にもう1曲「It’s Not Worth It All Out」がありここまで準備していたのに惜しい。

 

1966年 Curt Boettcher Singles Productions

1966 カート・ベッチャーといえばOur Productionsのプロデューサーという時代が長く続く。その仕事で特に多くのシングルのプロデュースを担当、明らかにカートと分かるサウンドで作りあげ、これだけ特徴的なサウンドに染め上げるプロデューサーは数少ないといえるだろう。Action Unlimitedの「Thinking To Myself」はバッキングに小さく鳴り続ける同じキーのハイトーンのコーラスがいかにもカート。B面の「My Heart Cries Out」はカートの持ち味のポップ・サイケ色が少し強くなり、イントロと最後にサイケ風のSEが入る。バリトン系の声の地味な曲なので、SE,コーラスは曲中は控えめ。Candy Companyの「The Happies」はホーンを入れた牧歌的な曲で、カートらしさは皆無。B面の「Sugar Stone」になるとカートらしさを入れ込んできてバッキングに同じ音で鳴り続けるマリンバ、同じパターンのコーラスが続いてポップ・サイケになっていた。Lou Berrington & The African Campの「The Kwella」だがメロディはあるようなないような、語りの部分も多く、「The Kwella Stroll」はほぼ同じ作りで、中間部にテンポを落としたサイケなコーラスのパートが加わりよりポップ・サイケになっていた。Plastic Peopleの「It’s Not Right」は、ヴォーカルがしっかりしていてサウンドも十分なので、カートはこの軽快なナンバーにオーソドックスなアレンジしかしていない。B面の「This Life Of Mine」は単調な曲なので、メロディをなぞった楽器が鳴り続け、1SE風の電子音が聴こえる。曲全体はポップ・サイケ。Something Youngの「Oh Don’t Come Crying Back To Me」はメロディ自体がいいのでアコギとハンドクラップ、ハーモニーで普通の爽やかなソフトロック系ナンバーに仕上げた。「The Words I’m Seeking」も同じく正統派のアレンジで、コーラスがやや過剰気味についているのがカートらしいか。Bootiquesの「Mr.Man Of The World」と「Did You Get Your Fun」は曲自体がよくできているので、カートのコーラスワークでとても爽やかな仕上がりになっている。Jonathan Mooreの「London Bridge」は冒頭にロンドン橋落ちたのメロディが入り、あとはポップな歌がコーラスなしに進行する。B面の「I Didn’t Even Know」は珍しいカートの曲で、シンプルなメロディながらサウンドとコーラスは厚く、A面よりも気合が入っている。Lyme & Cybelleの「Song #7」は高音で鳴り続けるハーモニーと、最後はさらに厚くなったコーラスが重なるところがいかにもカート。「Write If You Get Work」は牧歌的な曲で、カートにしては控えめなコーラスでアレンジされている。

 

1967年 Curt Boettcher Singles Productions

1967  Oracleの「The Night We Fell In Love」は、私がスカパーのStar digioの月1回の番組『Radio VANDA』で10年間、最後までテーマソングにしたソフトロックの傑作中の傑作。キャッチーでポップなメロディ、ハイトーンのリード・ヴォーカルとハーモニー、ペダルで鳴り続ける鉄琴の音も効果的で、最高の1曲なのにカートの多くのシングルと同様にCD化されていない。同じ暗いメロディーを繰り返すサイケな「Don’ Say No」の方だけRhinoのコンピCDに収録されているのは、選者の趣味の悪さを感じるだけ。 Goodtimes Singersの「Come On Train」は、冒頭からメロディとは別のパターンのコーラスを付けまくり、不協和音ギリギリで攻めるこれぞカートというポップ・サイケそのもののナンバー。B面の「Let The Middleman Win」は逆に明るくポップな曲想を支えるサウンドで、後半にコーラスがどんどん厚くなりバックに食器の音なども入ってくるところが少しカートらしいか。Ray Whitleyの「Take Back Your Mind」は張りのあるリードだが、凝ったサウンドとバックに薄っすらとはいるコーラスでポップ・サイケに仕上がった。B面の「Here Today,Gone Tomorrow」も途中から入るコーラスでポップな雰囲気だけは出ている。Jacobson & Tansleyの「Dream With Me」はハンドクラップとカウンターのコーラスが印象的な曲でサビのハーモニーはいかにもカート。「I Knew You Back When Babe」はロックテイストの強い曲で、カートのハーモニーもオーソドックス。Brother Cainの「Better Times」は、カートのオリジナルだが珍しくキャッチーな曲なので、メロディの良さを生かすオーソドックスなメロデュースで作っている。

 

Tommy Roeなど1967~1968 Curt Boettcher Productions

1967年の音楽的な収穫はトミー・ロウだ。1966年のアルバム『Sweet Pea』にはSteve Clark For Our Productionsとだけあるのでこの当時のシングルB面も含めカートが関わっていた可能性はあるがサウンド的に可能性は低い。音楽的収穫は1967年の『It’s Now Winter’s Day』だ。このトミー・ロウというビッグ・ネームのアルバムを、カートのヴォーカル・アレンジにより自分のアルバムのように変えてしまったからだ。一曲の「Leave Her」のヘヴィなサンドに負けないコーラスの嵐は凄いの一語。「Moon Talk」の自在なパターンのハーモニー、美しいメロディの「Sweet Sounds」には後半に幾重にもコーラスを重ね、シングルの「It’s Now Winter’s Day」にも幽玄なコーラスを付けた。ハーモニーはCurt BoettcherSandy SalisburyLee MalloryMichale O’MalleyJim BellDotti Holmberg等の完璧なメンバー。しかしトミー・ロウはカートのヴォーカル・アレンジは自分のヴォーカルを阻害すると判断(賢明)、次作の『Phantasy』は同じOur ProductionsJim Bellを指名し、カートを外した。ただコーラスは同じメンバーがかなり残ったので検討している。サンディの書きおろしも2曲あったほどだ。同年にはジェームソン(Bobby Jameson)のアルバム『Color Him In』のプロデュースを12曲中10曲を担当。全面的にカートらしいハーモニーを入れこむが、その中ではポップな「Know Yourself」「Right By My Side」「Candy Colored Dragon」がいい。フライアー・タックのFriar Tuck And His Psychedelick Guitar』もカートが全面プロデュース、コーラスCurt BoettcherSandy SalisburyMichale O’MalleyJim BellDotti Holmberg等これもまた最強のメンバーを揃えたものの、このバンド自体、演奏が中心で歌はハーモニーのみ(たまにリード・ヴォーカルがあってもまともにメロディを歌わない)で、サイケデリック過ぎて宝の持ち腐れだった。

1968年にはカートでこのレコードでしか聴けないシングルはなかった。まずはエタニティーズ・チルドレンだ。前年の67年にA&Mから「Wait And See」と「Rumors」のシングルを担当、前者はハーシコードとハーモニーが上手く被ったポップサイケ、「Rumors」はまさに開放感とハーモニーが溢れるソフトロックでカートらしさは少ない。1968年は彼らのデビューアルバム『Eternity’s Children』をプロデュースする。アルバム全体を漂う少し陰鬱な雰囲気に、カートの幻想的なコーラスはピタリとはまる。特にヒットした「Mrs.Bluebird」は幾重にも重なるハーモニー、幽玄なギターなどポップ・サイケの傑作になった。アルバムには美しいボサノヴァの「My Happiness Day」もありバラエティにも富んでいる。ちなみにこのバンドのセカンドの『Timeless』ではプロデュースがゲイリー・パクストンに変わるが、バンドの持ち前のポップさが全開で、こちらはソフトロックの名盤中の名盤として知られる傑作に仕上がった。なおこの中の「Christina In My Dreams」という曲は、2015年になてゲイリー・パクストンの未発表音源集『Happy Lovin’ Times Sunshine Pop From The Garpax Vaults』の中でカートのプロデュースのテイクが披露された。テンポが遅くオルガンの暗い間奏などカートのがボツが正解。同年にはゴードン・アレクサンダーのGordon’s Buster』の3曲のプロデュースを担当、ロック色が強いがその中では「Windy Wednesday」がもっともカートのハーモニーも幻想的で色が出ていた。

 

19691970年 Curt Boettcher Singles Productionsなど

1969年のカートがプロデュースしたシングルは、カートとキース・オルセンの作ったトゥゲザーレーベルからリリースされたモーゼス・レイクの「Ooblake」は不気味なビートのリフに乗せて中間まではメロディがない語りのような歌により最もサイケな曲、「Moses」はR&B系のロック。Bards名義のCDThe Moses Lake Recordings』に収録されているが、他の曲にも参加しているかは不明。もう1枚ニューライフというバンドがミレニウムの名曲「There’s Nothing More To Say」の替え歌の「Canterbury Road」をリリースするが、ソウルフルな歌声でミレニウムらしさは皆無、プロデュースはサンディ・リンツァー、アレンジはチャーリー・カレロでカートは無関係だった。アルバムはサジアリアスなどで一緒だったミシェル・オマリーがミシェルの名前で『Saturn Rings』というソロ・アルバムをリリース、ミシェル以外にもカートの曲が4曲あるなど興味深いものだったが。カートは制作にはタッチでしていない。内容はアシッド・フォーク。

1970年のカートがプロデュースしたシングルは、マーク・リチャードソンのシングルでジミー・ウェッブ作の「I Keep It Hid」。ワルツのリズムの歌いだしがサビで堂々盛り上がるジミーらしいナンバーで、カートも実にオーソドックスにプロデュースしている。このGlobal Theatreというレーベルだがこの1枚しかなく、レコード番号も101なのでこの1枚しか出ていないのだろう・

アルバムは1971年にソングというバンドのアルバム『Song』をリリースするが、ロックバンドなんのでカート得意のコーラスはオーソドックスで特徴的なものはなかった。

 

19761978年 Bruce Johnstonとの『CaliforniaWorksそしてBeach Boysなど

ここからはカートが交流していたビーチ・ボーイズを脱退中のブルース・ジョンストンが作ったRCA-Equinoxプロダクションと以降の交流がカートの最後の華になる。初めはカリフォルニア・ミュージック、その後カルフォルニアに名前を変えた2年の共同作業を追っていこう。1974年にカリフォルニア・ミュージックで始めたこのRCA-Equinoxのプロジェクトは先の2枚のシングルが出ていて、1976年の3枚目をカートが担当した。何よりも素晴らしいのはリード・ヴォーカルをカートが担当した事だ。ハイトーンの美しいヴォーカルを歌わせたらカートの右に出るものはいない。ファルセットを使わないで酔わせてくれるのだ。「Jamaica Farewell」は、ラテンのビートのこの曲をファルセットで歌いハーモニーも素晴らしいエキゾチックな出来だった。カップリングの「California Music」はインスト。同年、グループ名はカリフォルニアになり、さらにラテンビートとハーモニーを効かせた「Music Music Music」のシングルをリリース、B面の「Happy In Hollywood」はトロピカルな雰囲気の素敵な曲で穏やかな気持ちになれる。続くシングルはカリフォルニアの最高傑作の「Just To Let You KnowI Love You So」で、穏やかな美しいメロディと極上のハーモニーが一体となったこれこそ理想の1曲。そしてこれらの曲を入れたアルバム『Passion Fruit』を1977年にリリースする予定で、録音も終わっていたがリリースされることはなかった。そのアルバムには追加曲でラテンの「Happy In Paradise」、激しいパーカッションの乗せて爽快に歌われるのが「Banana Boat Song」で、サビのコーラスが何重にもからみ、ドラマティックに転調し、これは極上の1曲。「Iko Iko」ももちろんラテンのビートで軽快にアレンジ、その後は夢見るような穏やかな「Come Softly To Me」、続いてなんとビートルズの「Words」をディスコビートに乗せて歌う。その後にドラマティックなバラード「Brand New Old Friends」が登場するが、ブルース・ジョンストンの曲で、このリード・ヴォーカルはブルース本人だろう。「We Can, Yes We Can」はハーモニーを重ねていく軽快なラテン・ナンバーだった。ここに前述のインスト曲の「California Music」のみ外した4曲がプラスされた。この大傑作アルバムだが、ディスコビートに傾倒していたカートと、穏やかな曲を望んでいた当時のプロデューサーの一人のゲイリー・アッシャーと意見が合わず、完成品はマイク・カーブへ持っていたが発売を拒否されお蔵入りになってします。しかし2000年になってPoptonesからようやくリリースされた。1978年にこのプロジェクトの後にRSOで同じカリフォルニア名義で作られたディスコの「I Can Hear Music」とB面の「Love's Supposed To Be That Way」もCDには収録され、今は全ての音源を聴く事ができる。

カートのディスコへの傾倒は、ブルース・ジョンストンが7年ぶりにビーチ・ボーイズに復帰したアルバム『L.A.』でかつての『Wild Honey』の「Here Comes The Night」をディスコヴァージョンにしてUS44位、UK37位のヒットになる。

70年代後半のカートのワークスは1977年のブルース・ジョンストンの『Going Public』では「Pipeline」のディスコミックス、1978年のニジェル・オルセンのアルバム『Nigel』(Bang/35792)で「Say Goodbye To Hollywood1曲のみプロデュース、1981年のマイク・ラブのアルバム『Looking Back With Love』のプロデュース、1977年のセイラーの『Checkpoint』、1979年のGeno WashingtonMy Money Your Money/Get Some Bad Tonight」(DJS1DJS18005)、「Baby Come Back/Caught In The Middle」(DJS18008)、「That’s Why Hollywood」(DJS20561)と、1981年のVoices In The Darkの『Five Track LP』(Martian/1716)があるが1枚ずつ紹介するレベルのレコードではないので、記述もカットする。

 

Curt Boettcher Related Works Part.2

 

GoldebriarsCurt BoettcherDotti Holmberg etc

1964 『The Goldebriars』(Epic/M/S24087/26087)※2006年ソニーでCD

Railroad Boy/He Was A Friend Of Mine/Come Walk Me Out/Alabama Bound/Pretty Girls And Rolling StonesBoettcher=Nelson=D&S.Holmberg/A Munblin' Word/Old Time Religion/Long Time Trabellin'/Shenandoah/No More Auction Block/Sing Out Terry O'DayBoettcher/Voyager's LamentBoettcher=Nelson=D&S.Holmberg//Shenandoah (Mono Single Version)/ Pretty Girls And Rolling Stones (Mono Single Version)

 

1965 『Straight Ahead』(Epic/M/S24114/26114)※2006年ソニーでCD

Sea of TearsBoettcher=Goldstein/Macdougal Street/I've Got to Love Somebody/Jump Down/Sweet Potatoes/HAIKUBoettcher/No More Bomb/Queen of SHEBA/Joy, Joy, Joy/Castle on The Corner/Zum Gale Gale/Ride That Chariot//Love Somebody (Mono Single Version)/ Castle On The Corner (Mono Single Version)/ June Bride Baby(Mono Single Version)…シングルのみ/I'm Gonna Marry You (Mono Single Version)…シングルのみ

 

2006 『Climbing Stars』(Sony Music Direct/MHCP1136)※196412月に録音されていた未発表のサード・アルバム用音源9曲(上記のシングルのみ2曲含む)に、ファースト・セカンドのボツ曲8曲、さらにサード用の別テイク4曲で構成

Hush,Hush/Nothing Wrong with You That My Love Can't Cure/Licorice/Walkin' Down The Line/Last Two People on Earth/Tell It To The Wind/Nothing More to Look Forward to/ I'm Gonna Marry You/June Bride Baby/ Subshine Special/My SongBoettcher/We Shall Overvome/ Linin' Track/ Que Bonita/ Salo Jane/ NoahBoettcher/ Freight Train Blues/ Nothing More to Look Forward to(Alt.Ver)/ Hush,Hush(Alt.Ver)/ Tell It To The Wind(Alt.Ver)/ I'm Gonna Marry You(Alt.Ver)

 

Summer’s ChildrenCurt Boettcher )※カートと女性のデュオ。カートが4曲全てプロデュース。2枚目はOur Productions

1965 The Summer’s Long/Everybody’s Been Talkin’(Apt/25092)

1966 Milk And HoneyBoettcher/Too Young To MarryDate/1508)※この2曲はBallroomの『Magic Time』のCDに両面収録。

 

Lee Mallory 2000年リリースの『That’s The Way It’s Gonna Be』(TYO)にカートがプロデュースしたシングル24曲全て収録。Our Productions

1966  That’s The Way It’s Gonna Be /Many Are The TimesMallory(Valiant/751)

1966   Take My Hand/The Love SongMalloryNaylor(Valiant/761

 

◎その他1966年にOur Productionsでカートがプロデュースしたシングル集

1966 Action UnlimitedThinking To Myself/My Heart Cries OutParkway/115

1966 Candy CompanyThe Happies/Sugar Stone(ABC/10854)

1966 Lou Berrington & The African CampThe Kwella/The Kwella Stroll(Parkway/114)

1966 Plastic PeopleIt’s Not Right/This Life Of Mine(Kapp/789) ※両面ともJim Bellと共同プロデュース

1966 Something YoungOh Don’t Come Crying Back To Me/The Words I’m Seeking(Fontana/1556)

1966 BootiquesMr.Man Of The World/Did You Get Your Fun(Data/1513)

1966 Jonathan MooreLondon Bridge /I Didn’t Even KnowMoore-Boettcher(Columbia/43658)B面のみ1993年にVariousOh, Split!』(Sony)に収録されCD化済。

1966  Lyme & Cybelle: Song #7/Write If You Get Work(White Whale/245)2004年にVariousIn The Garden: The White Whale Story』(Rev-Ola)で両面ともCD化。

 

Association

1966 『And Then Along Comes』(Valiant/S/M/25002/5002)…US5位。1999年にワーナーからCD

Enter The Young7/Your Own Love/Don’t Blame It On Me/Blistered/I’ll Be Your Man/Along Comes Mary/Cherish1/Standing Still/Message Of Our Love(BoettcherAlmer)/Round Again/Remember/Changes

シングル※2012年の『The Complete Warner Bros. & Valliant Single Collections』(NowSounds)等収録

1968 Just About The Same(Fennelly=Rhodes=Stec)/Look At Me Look At You(Warner Bros/7372)

 

Your Gang

1966 『Your Gang』(Mercury/M/S/21094/61094)※プロデュースはGary Paxton

Tomorrow’s Dream(Boettcher)

 

Dotti Holmberg

2002 『Sometimes Happy TimesSundazed/11114)※1966年~1970年に録音した未発表集。

1966年録音 I Sing My SongO’MalleyAdams/Sea Of Tears(Boettcher=Goldstein)/Foolish Times(Boettcher)/It’s Not Worth It All Outはカートがプロデュース、バックコーラスは(Curt BoettcherSandy SalisburyLee MalloryMichele O’Malley etc)。他では1967年録音のAnd We’re Oneはサンディ・サルスベリ―とドティ・ホームバーグの共作。

 

◎その他1967年にOur Productionsでカートがプロデュースしたシングル集

1967 OracleThe Night We Fell In Love/Don’ Say NoVerve/5075)※カートがKeith Olsenと作ったMee-Moo Production。出来の悪い方のB面のみなぜか2009年の『Where The Action Is』(Rhino)でCD

1967 Jacobson & TansleyDream With Me/I Knew You Back When BabeFilmways/106

1967 Brother CainBetter Times(Boettcher-Mallory)/A面は無関係(Acta/810

1967 Ray WhitleyTake Back Your Mind/Here Today,Gone Tomorrow(Columbia/43980)※両面ともJim Bellと共同プロデュース。A面のみ1993年にVariousOh, Split!』(Sony)に収録されCD化済。

1967 Goodtime SingersCome On Train/Let The Middleman Win(Smash/2079)

 

Tommy Roe ※コーラスアレンジを受け持ち、メンバーはボールルーム、サジタリアス系。Our Productions

1966 『Sweet Pea』(ABC/575)…94位※プロデュースがSteve Clark/Our Productionsだけあるのでカートが関係している可能性あるというだけ。シングル3枚のAB面がOur Productionsで、このアルバムにはHooray For Hazel6/Sweet Pea8/Kick Me Charlie収録。1966年のHooray For HazelシングルB面のNeed Your Love(ABC/45-10852)Our Productionsのクレジットはないが同年のSweet PeaシングルB面のMuch More Love(ABC/45-10762)はこの同時期のシングルのみの曲なので、カート参加の可能性がある。

 

1967 「It's Now Winter's Day」(ABC/594)※CD2006年にFallout/FOCD2016159

※カートはVocal Arrangement。コーラスは(Curt BoettcherSandy SalisburyLee MalloryMichele O’MalleyJim BellDotti Holmberg etc)

Leave Her/Moon Talk/Aggravation/Golden Eyes/Misty Eyes/Have Pity On Me/Sing Along With Me91/Long Live Love/Nighttime/Cry On Crying Eyes/Sweet Sounds/It’s Now Winter’s Day23

 

1967 『Phantasy』(ABC/610)※CD2009年に『It’s Now Winter’s Day』と2in1で『Paisley Dreams』(Rev-Ola/269

Vocal ArrangementJim Bellに変更。コーラスはLee MallorySandy SalisburyDotti Holmbergなどだがカートの名前はない、

ちなみにThese Are The ChildrenGoodbye Yesterdayはサンディ・サルスベリ―の作詞・作曲。

 

Jameson

1967 『Color Him In』(Verve/6-5015

Jamie/Know Yourself/(Windows And Doors)/Right By My Side/Who’s Putting Who On/The New Age/Jenny/(Do You Believe In Yesterday)/I Love You More Than You Know/ See Dawn/Candy Colord Dragon/Places Times And The People)

 

Friar Tuck

1967 『Friar Tuck And His Psychedelick Guitar』(Mercury/61111)※CD2007年 Fallout/FOCD2038

Vocal Arrangementはカート。コーラスは(Curt BoettcherSandy SalisburyMichele O’MalleyJim BellDotti Holmberg etc)

Sweet Pea/Louis Louis/Work Song/Alley-Oop/All Monked Up/Ode To Mother Tuck/A Record Hi/Fendabenda Ha Ha Ha/A Bit Grey Lost/Where Did Your Mind Go

CD Bonus Track(by Flower Pot)

Mr.Zig Zag Man/Black Moto/Wantin’ Ain’t Getting’/Gentle People

 

Eternity’s Children

シングル

1967 Wait And See/Rumors(A&M/698)

アルバム

1968 『Eternity’s Children』(Tower/5123)※CDは上記シングルと共に2005年リリースの『From Us Unto You: The Original Singles』(Rev-Ola/CREV87)収録

Again Again/Rupert White/Flowers/My Happiness Day/Lifetime Day/Mrs.Bluebird69/Your World/You Know I’ve Find A Way(Boettcher)/Little Boy/Sunshine Among Us

 

Gordon Alexander

1968 『Gordon’s Buster』(Columbia/9693)※3曲のプロデュースを担当。CD2011年にKismet/4015

Looking For The Sun/Windy Wednesday/Miss Mary

 

Michele ※Michele O’Malleyのソロ・アルバム

1969 『Saturn Rings』(ABC/684)※CD2006年にFallout/FOCD2003ProduceMike Deasyでカートの名前はない。

Would You Like To Go/Blind As You AreO’Malley/Songs To Magic FrogO’Malley/Fallen AngelO’Malley/Spinning Spinning SpinningBoettcherMallory/Know Yourself/Musty DustyO’Malley=Almer))/Lament Of The Astro Cowboy(Boettcher)/White Linen(JamesonO’Malley)/Misty Mirage(Boettcher)/Believe You(Boettcher)

 

◎その他1969年にカートが関係したシングル集

1969 Moses Lake:Ooblake/MosesTogether/113)※カートとKeith Olsenの共同プロデュース。CD2002The Bards:The Moses Lake Recordings』(Gear Fab/183

1969 New Wave: Canterbury Road (Christy=Boettcher=Mallory=Fennely)※メロディは「There’s Nothing More To Say/B面無関係(Epic/10538)※プロデュースはサンディ・リンツァーでカートは無関係

 

◎その他1970年にカートが関係したシングル集

1970 Mark RichardsonI Keep It Hid※カートとKeith Olsenの共同プロデュース。Jimmy Webbの曲/Lord Baltimore(Global Theatre/101)

 

Song

1971 『Song』(MGM/4714

10×10/Like We Were Before/Eat Fruit/Whenever I Think Of You/Banana High Moon/I’m Not Home/Wife/Sugar Lady/Meatgrinder/Medicine Man

 

California MusicCalifornia

1976 California MusicJamaica Farewell/California Music(RCA-Equinox/10572)

1976  CaliforniaMusic Music Music/Happy In Hollywood(Warner-Curb/8253)

1976  CaliforniaMusic Music Music(Disco Mix)(Warner-Curb/PRO642)12インチのプロモのみ

1976 Curt Becher & California:(Just To Let You KnowI Love You So/Happy  In HollywoodSingle Version(Warner-Curb/8307)

1978 CaliforniaI Can Hear Music/Love’s Supposed To Be That Way(RSO/901)

1978  CaliforniaI Can Hear Music(Special Disco Version)(RSO/PRO1001) 12インチのプロモのみ

2000 Various:『California Music & Disney Girls RCA-Equinox Collection(BMGビクター)

Jamaica Farewell(Single Version)/California Musicに加えカート以前のブルース・ジョンストンのワークスでカリフォルニア・ミュージックでリリースしたしたシングルDon’t Worry BabyTen Years HarmonyWhy Do Fools Fall In Love収録。

2001  California:『Passion Fruit』(TYO/46)※1977年の未発表アルバム

Happy In Paradise/Happy In Hollywood/Just To Let You KnowI Love You So/Jamaica Farewell(Boettcher Trad.)/Music Music Music/Banana Boat Song/Iko Iko/Come Softly To Me/The Word/Brand New Old Friends/Yes Can,Yes We Can(Boettcher=Batteaux)//Head Shampoo(Boettcher)Yes Can,Yes We Canの歌詞を変えたCM/Happy In HollywoodSingle Version/I Can Hear Music/Love’s Supposed To Be That Way/ I Can Hear Music(Special Disco Version)/ Music Music Music(Disco Mix)

2001 California:『California Music』(Poptones/5037

Will You Ever See Me(Version2)SagitarriusThe Blue Marble』より40秒長い。なぜかこの盤に収録されている。

 

Beach Boys ※カートは担当はこの『Wild Honey』収録曲の「Here Comes The Night」のDisco Versionを作成

1979 『L.A.』(Caribou/35752)…100/UK32位 ※CD化済

Here Comes The NightsUS44位、UK37

1979 「Here Comes The Night/Here Comes The Night(Instrumental)」(Caribou)12インチ・シングル。『L.A.』のものは8秒でシンセが入り、42秒でコーラス、35秒でカールの歌が始まるが、12インチではドラムが長く続き22秒でシンセ、58秒でコーラス、カールの歌は322秒と遅めになっている。ただし12インチのエンディングは盛り上がってオーケストラでピタッときれいに終わるが、『L.A.』のものはそのあとにシンセの余韻のようなリフが17秒近くあり最終的な尺は7秒長くなっているが、いらないエンディングだった。。B面はただのカラオケではなくカールの歌の部分にサックスのソロが入るなど、それだけで聴ける作りになっている。構成は『L.A.』のヴァージョンだが、演奏は136秒短くなっている。どちらも未CD化。

 

1976年以降は上記以外は目立つ仕事をしていない。タイトルのみ記す。

1976 Kathy Atwater:『L.A.Sound Track ‘76(K-West/43446) ※1曲のみ担当

San Fernanndo Valerie

1977 Bruce Johnston:『Going Public』(Columbia/33359)※1曲担当。CD化済

Pipeline

1977 Bruce Johnston:Pipelice(Special Disco Mix)(Columbia/2310567) CD化済

1977 Sailor:『Checkpoint』(Epic/82256CD化済

Stay With Me/Romance/Keep Off The Street At Night/Checkpoint Charlie/Joe's Piano/Down By The Docks/Put Your Mouth Where The Money Is/My Girl/Istanbul/Nothing Has Changed

1978 Nigel Olssen:Nigel』(Bang/35792)※1曲担当。CD化済

Say Goodbye To Hollywood

1979 Geno Washington:My Money Your Money」「Get Some Bad Tonight」(DJS/18005

1979 Geno Washington:Baby Come Back」「Caught In The Middle」(DJS/18008

1979 Geno Washington:That’s Why Hollywood」(DJS/20561

1981  Voices In The Dark:Five Track LP』(Martian/1716

Da Doo Ron Ron/Connection/All The Way/Yes I Wanna Dance Tonight/Why Not Get Serious

1981  Mike Love:Looking Back With Love』(The Boardwalk Entertainment/33242

Looking Back With Love/On And On And On/Runnin’ Around The World/Over And Over/Rockin’ Man In The Boat/Calendar Girl/Be My Baby/One Good Reason/Teach Me Tonight/Paradise Found

 
(作成:佐野邦彦)