2011年4月11日月曜日

ブライアン・ウィルソンが1963年にプロデュースした未発表トラック「The Summer Moon」がYouTubeに登場

ビーチボーイズ最強のファンジン『Endless Summer Quarterly』の最新号は、あのシャロン・マリーのインタビューと、「The Summer Moon」と題されたVickie Kocher(Hale)という未知の人物へのインタビューだった。

そして読んでみたらびっくり、このVicke Kocherはブライアンの誘いでボブ・ノーバーグとデュオで「The Surfer Moon」の歌詞を変えた「The Summer Moon」という曲をレコーディングしていて、そのアセテート盤の音源はYouTubeで聴けると書いてあったのだ!レコーディングはギターがグレン・キャンベル、ドラムがハル・ブレイン、ベースがレイ・ポールマン、そして8人のバイオリンとチェロ、ブライアンはピアノを弾いていたと証言していて、さっそく聴いてみたら、このオケはビーチボーイズの「The Surfer Moon」のオケと同じだった!ボブ&ヴィッキーの唄は、ボブ&シェリよりもオケがいい分、出来はいい。歌詞はsurferをsummerに変えただけではなく、サビの歌詞はまったく違う。これは貴重だ!!ヴィッキーは、当時、ミス・ロサンゼルスに選ばれていただけあって美人で、後に女優として活躍し、このYouTubeでは「ハワイ・ファイブ・オー」で文書整理係の女性としてレギュラー出演していた時のフィルムがインサートされていた。メガネフェチにはたまらない美人だろう。他でも「スパイ大作戦」で2話ゲスト出演し、「インベーダー」にも出演しており、今でも映画・TVで女優として活躍している。ヴィッキーによるとブライアンはヴィッキーの前でこの曲を歌い、すっかりこの曲に恋してしまったそうだ。しかし結局、ボツとなり、ビーチボーイズヴァージョンとしてリリースされた時には、非常にガッカリしたという。そして最後に、インタビューアーが「この曲がブライアン・ウィルソン・プロダクションズとしてリリースされたら?」と振ると「有頂天になって飛び上がって側転しちゃうかも!そうなったら光栄よ!」ととっても嬉しそうだったので、なんとかこのアセテートからでもオフィシャル・リリースして欲しいものだ。しかしこの時期、ボブ・ノーバーグがサヴァイヴァーズとレコーディングした「Pamela Jean」(こちらは少数だがリリースされた)も、ブライアンは同じオケを使って「Car Crazy Cutie」としてビーチボーイズでリリースしており、確かに自分の作った曲ではあるが、友人のためにレコーディングしたのにビーチボーイズで使ってしまうなんて、やはりアルバム2枚を二ヶ月連続でリリース(『Surfer Gir』と『Little Deuce Coupe』というのはきつかったのだろう。まずはこの「The Summer Moon」を聴いてみよう。
(佐野)

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