2009年2月26日木曜日

Radio VANDA 第107回放送リスト(2009/3/02)


Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。
Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。
 
特集:Bee Gees 60's
 
1.    Claustrophobia
2.    How Love Was True
3.    To Be Or Not To Be
4.    All Of My Life
5.    Red Chair Fade Away
6.    Gilbert Green
7.    New York Mining Disaster 1941(Alternate Take)
8.    Birdie Told Me
9.    Massachusetts
10. Sinking Ships
11. I Started A Joke
12. Kilburn Towers
13. Swan Song
14. Melody Fair
15. Give Your Best
16. First Of May
17. I.O.I.O
 

2009年2月23日月曜日

Rob Galbraith:『Too Long At The Fair』(VIVID SOUND/VSCD3377)

 

Rob Galbraith(ロブ・ガルブレイス:カナダ出身)は、1970年に『Nashville Dirt』でデビューしたナッシュヴィルのスワンプ系シンガーソングライター。自身がアーティストとして成功を得られなかったため、早々にソングライター、プロデューサーへと活動をシフトしつつ、1976年にはセカンド・アルバムの『Throw Me A Bone』(2月4日に世界初CDリイシューされたばかり)をリリースし、ブルーアイドソウル風のサウンドを聴かせていた。その後表舞台からは消え、2004年にリリースされたのが、今回紹介する『Too Long At The Fair』である。

2004年にナッシュヴィルのインディー・レーベルからプレス2,000枚のみでリリースされ、マニアの間では幻のアルバムとしてオークションで高額取引されていた、その Rob Galbraith のサード・アルバム『Too Long At The Fair』が、この度2曲の未発表ボーナス・トラックを追加して日本初登場となった。
結論からいうと、四半世紀以上前になる前作『Throw Me A Bone』のブルーアイドソウル感を更に深化させたジャジーでメロウなサウンドで、スティーリー・ダンやベン・シドランのファンは必聴の傑作である。
今回のリイシューもプレス数が気になるところなので、興味を持った人は早急に入手して欲しい。

本作のプロデューサーは、『Angel Heart』をはじめ、『Ten Easy Pieces』『Twilight of the Renegades』など近年のジミー・ウェッブ作品を手掛けている、Fred Mollin(フレッド・モーリン)。『Ten Easy Pieces』と音像が非常に似た、バリー・マンの『Soul & Inspiration』もフレッドのプロデュース作品として知られている。
ライナーノーツに掲載されているフレッドのインタビュー記事(金澤寿和氏)によると、彼はロブが住むナッシュヴィルにわざわざ拠点を移してまで、このアルバム制作に入れ込んでいたらしく、参加ミュージシャンのクレジットにも一流どころの名前を確認することが出来る。
フランク・ザッパの The Mothers of Invention からウェザー・リポートと渡り歩き、ジェネシスのサポート・ドラマーとしても知られるチェスター・トンプソン、70年代中期から数多くのセッションをこなしデビューから全盛期の TOTO を支え、現在はナッシュヴィルを拠点として活動している、デヴィッド・ハンゲイド(但しこのアルバムではベーシストではなく、ギタリストとしてクレジットされている)。また殆どの曲でリード・ギターを弾いているのは、97年から99年までオールマン・ブラザーズ・バンドに参加し、ドニー・フリッツやダン・ペンなどのスワンプ系から、2000年にグラミー新人賞を獲得した美人カントリー・シンガーのシェルビー・リンなど、幅広いセッションで活躍しているジャック・パーソンで、このアルバムのカラーを決めているエレメントとして重要なポジションを任されている。

アルバム冒頭から AOR の名曲として知られる、ビル・ラバウンティの「Living It Up」のカバーではじまる。オリジナルはフェンダー・ローズの印象的なリフで幕を開けるが、ここではジャジーなオクターブ奏法のギターから展開される。続くロブのオリジナル作「We'll Always Have Detroit」は、活動再開後のスティーリー・ダン的なホーン・アレンジを配しており、全体のサウンド構築自体もまるでスティーリーそのもので思わず唸ってしまった。
カバーとして他に取り上げられているのは、ランディー・ニューマンの『Bad Love』収録の「Everytime It Rains」。そもそもこの曲、ニューマンがあのマイケル・ジャクソン直々(?)に電話でオファーされておきながら、ボツになったという曰く付きの曲であるが、こういう味わい深いバラードを歌いこなせるのはテクニックを持ったシンガーより、作者であるニューマンや今回のロブなど「渋系・味系」のシンガーに相応しいのだ。
他にオリジナルの書き下ろし曲では、テクニカルなジャンプ・ナンバーの「She Ain't My Baby」が素晴らしい。これも正しく、近年のスティーリー・ダン・サウンドを彷彿させる。
なお本作にはセカンドの『THROW ME A BONE』から4曲が再演されているので、アレンジの違いを聴き比べるのも面白いだろう。特にラムゼイ・ルイス風ファンキージャズに変貌した「Throw Me A Bone」は聴きものだ。
未発表のボーナス・トラック(80年前後のデモ・テイクらしい)では、イギリスのR&Bシンガーであるルルが69年にジェリー・ウェクスラーの下マッスル・ショールズでレコーディングして、スマッシュ・ヒットさせた「Oh Me Oh My」のカバーが特にいい。アープ・オデッセイのリフやローズの刻みなどキーボード類のアレンジには、ボビー・コールドウェルの匂いがする、爽やかでメロウなAORに仕上がっている。
最後にまた念を押すが、2009年上半期リイシュー・アルバム最上位候補の傑作であるので、興味を持った人は早急に入手して聴いて欲しい。
(ウチタカヒデ)

2009年2月8日日曜日

クノシンジ:『光のアルバム』 (Dreamusic/MUCT-1021)

 

日本の若きポップ・プリンスのクノシンジが、待望の1stアルバム『光のアルバム』(メジャーファースト・フルアルバム)を2月25日にリリースする。2007年のメジャーデビュー以来、ミニアルバム1作とシングル4作をリリースし、その動向に注目が集まっていた。
1月18日にリリースされた最新シングル『光と影』(TVアニメ『キャシャーンSins』エンディング・テーマ)を含む全13曲は、これまでのクノ・サウンドの集大成といえるものだ。

自らもコアな洋楽ポップス・ファンを自認する彼のアルバムだけに、多くのWEBVANDA読者も手にして聴いて欲しい。
音源を入手して早2ヶ月になるが、聴く毎にシンガーソングライターとして大きく成長した現在進行形の彼のサウンドに魅了されてしまった。
今回そのサウンドをバックアップした共同プロデューサー&アレンジャーは、元カーネーションの棚谷祐一氏や鳥羽修氏を筆頭に、椎名林檎の成功から現在最も注目されているプロデューサーの一人として知られ、東京事変のベーシストでもある亀田誠治氏、最近はギタリストとして小泉今日子の最新作へ参加している石崎光氏、キーボーディストとして堂島孝平やCHEMISTRYの作品へ参加している渡辺シュンスケ氏といった、実に豪華な布陣が曲毎に参加しており、このアルバムのクオリティーを更なる高みへと導いているのだ。
因みに棚谷氏と亀田氏は、クノがファンと公言している、スピッツの諸作品のサウンド・プロデューサーとしても手腕を発揮していたことで知られる。

アルバムのオープニング「タイムカプセル」は、ギターの弾き語りにオールドタイミーなストリングスをあしらった美しいバラード。印象的なストリングス・アレンジのモチーフは、ポピュラーなバロック・クラシックとして知られるヨハン・パッヘルベルの「カノン」あたりか。
続く「ヒカルミライ」は一転してアッパーで近年的(ウィーザー以降)なパワー・ポップ風で、アクセントになっているシンセのリフにはブリットポップの影響を感じさせる。
アルバム中最も70年代の王道的ポップス(MOR的)の色が濃い「BFO(ビューティフルフェイドアウト)」は極めて完成度が高く、アレンジ細部に渡って素晴らしいセンスを感じさせる。ギターソロがブライアン・メイ(クイーン)しているのはクノ・サウンドらしくて微笑ましい。
一方「君は君」は最もビートルズの影響が強く、ポルタメントを利かせたチェロの進行などは、「I Am The Walrus」~その後の初期ELOにも通じる。この曲でのギターソロはサウンドにマッチした、ジョージ・ハリスンの「Isn't It A Pity」に通じる泣きのフレーズが聴ける。
80年代初期ネオ・アコースティック・サウンドがモチーフになった「FRIEND-SHIP」も特筆すべきサウンドといえるだろう。最近では相対性理論からacariまでと幅広く、この手のサウンドを引用しているが、リバイバルさせた渋谷系から周期がまた一回りしたということなのだろうか。非常に興味深い傾向である。
最新シングルで、インディーズ時代のアルバム『FULL COURSE OF POP SONGS』に収録されていた「Happy?」のリメイクである「光と影」は、ピアノの弾き語りにストリングスが寄り添う感動的なバラードで、リメイク前から既に光を放っていたが、今回更にその輝きを増したといえる。揺れ迷う心情をそのままストレートに吐露した歌詞は、誤解を恐れずに書くと、ジョン・レノンの「マザー」にも通じる崇高な思いを感じさせる。正に名曲とは、こういう曲のことをいうのだ。
そしてアルバム・タイトルの「光」とは、彼が作り出した、金色に縁取られた作品のことを表しているのである。
(ウチタカヒデ)


2009年2月3日火曜日

☆Bee Gees:『Odessa』(Reprise/R2-516139)

英国出身男性ボーカルグループ、ビージーズ(The Bee Gees)の最高傑作と名高い1969年リリースの2枚組アルバム『Odessa』(オデッサ)がリイシューされた。以前のCD化では、CD1枚にしたため、時間の関係で「With All Nations(International Anthem)」がカットされてしまっていたが、今回は完全版でステレオ、モノで各1枚、そしてデモ音源集1枚の3枚組という豪華仕様でさらにアマゾンで3187円という超格安価格、是非、持っていたい1枚だ。
これで『Odessa』以前の1967-1968年にリリースされた『1st』『Horizontal』『Idea』がステレオ/モノ+デモ&レア音源集で各2枚ずつ、計6枚のボックス・セットとなった『Bee Gees The Studio Albums 1967-1968(Reprise/8122-74117-2)でメジャー時代のデビューからの4枚のアルバムが完璧にリイシューされ、また『Brilliant From Birth』(Spin/D46066)でそれ以前の1963年からの音源63曲が網羅されたため、ビージーズが最もいい時期の音源は全てリイシューされたことになった。これらのアルバムも海外のアマゾンで中古を探せば簡単に、安価で入手できるので、持っていない方はお早めに。
さて『Odessa』だが、哀調を帯びたメロディアスなメロディは相変わらず全開で、さらにここにクラシカルなストリングスが入り、LP2枚組ということもあって大作という雰囲気が漂う。重厚なサウンドの曲も多い。その中でやはり光るのは、日本でメガ・ヒットとなった「Melody Fair」と、ヒットした「First Of May」が群を抜いて素晴らしい。なによりも漂う気品が魅力だ。そしてロビン・ギブがメインで歌っていないので、あのくせの強いビブラートがなく、とても聴きやすい。メロディの良さが十分に味わえる。それ以外では爽やかな「You'll Never See My Face Again」と、牧歌的で楽しい「Give Your Best」がお勧め。全て未発表のデモ音源集の『Sketches For Odessa』は、基本的にアコースティック・ギターのバックでシンプルに歌っているので、本来のメロディの良さがストレートに伝わり、こちらの方がいいという場合も多い。その中で、聴きものは「Melody Fair」のデモ2曲。こちらは完成版が完璧なので出来は劣るが、もともとバタバタしたドラムの入ったデモが洗練されていく過程見えて興味深かった。(佐野)
Odessa