黒沢健一単独のソロ・アルバムとしては実に7年ぶり、4枚目となる『Focus』がリリースされた。その間MOTORWORKSやSCIENCE MINISTRY、健'sなどとしてのアルバム・リリースはあったが、ソロ名義のものは2007年に4曲iTunesでリリース、また同年暮れにiTunes VideoPodCastで1曲披露しただけでアルバム・リリースはなかった。
今回のソロ・アルバムはその5曲(1曲はニュー・ヴァージョン)に加え、6曲の新曲が加わり、前述の5曲はiTunesのみだったので全曲が初CD化となった。美しい極上のバラード「Grow」からスタート、ビートの効いたロック・ナンバーの「Feel It」、L←→R時代を彷彿とさせるポップ・ナンバー「Love Hurts」と続き、ポップで多彩な黒沢ワールドが冒頭の3曲から全開している。ビートのある「Pop Song」や「Scene39」もいいし、ポップで軽快な「Maybe」や「September Rain」もいい。さすが、ポップスの職人、黒沢健一である。そういえば2008年にデコレ村オールスターズ名義でリリースしたオムニバス『太陽に歌って』(ウルトラヴァイヴ/TDDGI-004)の中であの「上に向いて歩こう」を完璧なウォール・オブ・サウンドで仕上げた英語版の「The First Star」(ハンキーパンキー名義)が収録されていたが、イントロからサウンド、間奏の弦までこれ以上完成度の高いフィル・スペクター・サウンドはないと感激したのを思い出す。思わず知人にこれ聞いてと配ってしまったほどの傑作カバーだった。ハンキーパンキーは弟の黒沢秀樹も参加しており、4月にはユニバーサルからデビューする予定だという。昨年にはL←→R時代の「Knockin' On Your Door」など5曲のPVを収録したその名も『PV』というDVDがリリース(1996年発表)され、若々しい黒沢の姿を見ることができる。昨年から今年にかけてリリース・ラッシュが続いており、今年の黒沢健一の活動が楽しみだ。(佐野)

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