2008年6月28日土曜日

☆Priscilla Paris:『Priscilla Loves Billy』(Muzak/MZCF1188)


あのパリス・シスターズのリード・ヴォーカリストであるプリシラ・パリスが1969年にリリースした2枚目のソロ・アルバムが、当時のジャケットをそのままに紙ジャケでリイシューされた。ジャケットの表面はLPと同じくエンボスにしてあり、さすが日本ならではの丁寧な仕事である。
プリシラは作詞・作曲ができるので、前作はオリジナル集だったが、このアルバムでは一転、彼女が愛してやまないビリー・ホリデイのカバー集となった。バッキングはビリー・ホリデイのバッキングも担当したことがあるジミー・ロウルズのトリオにシド・フラーが指揮するストリングスが入り、ゴージャスでうっとりとさせられるサウンドが作られた。あのハスキーではかなげな声で、ビリー・ホリデイが歌ったジャズの名曲の数々をロマンチックに歌うプリシラはまさに歌姫である。パリス3姉妹の中で最も美しいプリシラ、その彼女の美しい顔のジャケットを眺めながら、ゆったりとくつろぎながら聴いて欲しい隠れた名盤である。LPは入手しづいレア盤だったので、このリイシューは朗報である。(佐野)


PRISCILLA LOVES BILLIE













2008年6月27日金曜日

☆Dennis Wilson:『Pacific Ocean Blue(Legacy Edition)』(Lrgacy/88697079162)

デニス・ウィルソンの唯一のソロ・アルバムであり、名盤と評判が高い『Pacific Ocean Blue』が、その次作として録音されていた未発表の『Bamboo』セッションの16曲にさらにボーナストラックを5曲追加、2枚組CDとして最強のラインナップで登場した。
Pacific Ocean Blue』のCD自体、長く廃盤が続いていたので、それだけでも喜ぶ人が多いだろう。重厚で静かな美しさを湛えた『Pacific Ocean Blue』は久々に聴きなおしたが、やはり傑作である。ビーチボーイズの音楽性とはまったく違うが、デニス・ウィルソンという一人のミュージシャン個人がくっきりと浮かび上がっている。曲もそれなりにバラエティに富んでいるのだが、それに比べて『Bambu』の方は魅力的な曲が少ない。重厚な感じだけでみな同じような印象の曲が並ぶ。ボツだった事がはっきり分かってしまう出来だ。おや?これは?と思うと「Love Surrounds Me」とか「Only With You」といったビーチボーイズとして発表した曲のデニス・ヴァージョンだった。
でもこれだけ大量の未発表トラック、やはり買うしかないね。(佐野)











2008年6月19日木曜日

Radio VANDA 第 99 回放送リスト(2008/7/03)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集:Jan & Dean 

 

 1.Surf City('63) 

 2.Honolulu Lulu('63) 

 3.Drag City('63) 

 4.Dead Man's Curve(Album Version)('63) 

 5.Three Window Coupe('64) 

 6.It's As Easy As 1,2,3('64) 

 7.The Little Old Lady From Pasadena('64) 

 8.Ride The Wild Surf('64) 

 9 The Restless Surfer('64) 

 10.A Surfer's Dream('64) 

 11.When It's Over('64) 

 12.I Found A Girl('65) 

 13. It's A Shame To Say Goodbye ('65) 

 14.When Summer Comes(Get A Chance With You)('63...録音年。96年まで未発表

 15.Yellow Balloon('67) 

 16.Pocket Full Of Rainbows('67) 

 17.Like A Summer Rain('67)

 

 

 

 

 

 







2008年6月14日土曜日

microstar : 『microstar album』 (Vivid Sound/VSCD-3382)

 

完璧なまでに21世紀型のソフトロックと、自信を持って紹介できるアルバムの登場である。
とにかくこのレビューを最後まで読まずとも、即座に購入して聴くことをお勧めしたい。それほど間違いのないガールポップ・アルバムなのだ。

microstar(マイクロスター)は、90年代初期~中期にビクターから4枚のアルバムをリリースしていた、渋谷系テクノユニットのナイスミュージックに所属した佐藤清喜と、そのナイスミュージックのサポートをしていたヴォーカル兼ベーシストの飯泉裕子によって、96年に結成された2人組のユニットだ。
これまでにミニ・アルバムとマキシ・シングルを2枚ずつリリースしており、中でも2001年の2ndマキシの『lovey dovey plus』は一部のポップスマニアに絶賛された傑作であった。その後2枚のコンピレーションとサントラアルバムに参加し、満を持して今回のファースト・アルバムのリリースに至ったようだ。 

この『microstar album』を聴いたファースト・インプレッションは、アルバム所々にフィル・スペクターによるウォール・オブ・サウンドから、BB5やロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズをはじめとする60年代ソフトロック、ポップの様式美と、それを日本で最初に伝導した大滝詠一氏のプールサイド・ジャケットのアルバムを彷彿させるのは容易であった。
ただそれだけではないサムシングも感じていたのは確かだ。 飯泉のあまりクセのないヴォーカルは、ともすれば凝りまくったサウンドに埋没してしまう可能性もあるのだが、聴く者と同じ目線の無垢でイノセントな声の響きが、単なるマニア向けのポップと一線を画す要素なのかも知れない。特に「東京の空から」(プロコル・ハルムの「Pilgrims' Progress」を彷彿させる名曲だ)のような、感動的でエヴァーグリーンな曲では一層引き立つ存在なのだ。
また何よりこの素晴らしいサウンドを、メンバーとサポート・ドラマーの3人だけで作り上げてしまったことに感服してしまう。究極の宅録ソフトロックというか、風流に盆栽箱庭ポップとでも呼びたくなってしまう。 最後にこのレビューを読んだあなたが、『microstar album』を聴かずにはいられなくなることを心の底より願っている。
(ウチタカヒデ)