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Neil Sedaka:『Emergence/Solitaire』(BGO/BGOCD840)





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数あるシンガー・ソングライターの中で最も好きなのが70年代のニール・セダカ。アメリカではソロでレコードを出せなくなりコンポーザーとしてはそこそこ活躍していたニールが、アルドン・ミュージック時代からの「ボス」であるドン・カーシュナーのレーベルから1971年に久々のソロ・アルバム『Emergence』をリリース(1969年にはオーストラリアのみリリースの『Sound Of Sedaka』というアルバムがある)したもののヒットせず、同じアルドン時代の仲間だったキャロル・キングの『Tapestry』が驚異的なヒットを記録する中、再出発を果たすべくイギリスへ渡り1972年に『Solitaire』をリリース、そこからカットした「Beautiful You」が全英43位、「That's When The Music Takes Me」が全英18位とスマッシュ・ヒットを記録して再起を果たすわけだが、その変革期の貴重なアルバム2枚が2イン1としてようやくCD化されたのは実に喜ばしい。

ニールはその後1973年にやはりイギリスのみで『The Tra-La Days Are Over』『Laughter In The Rain』のアルバムを出しそこからカットされたシングルはみなスマッシュヒットとなっていたが、その中で「Laughter In The Rain」が1974年になって突如全米でナンバー1ヒットとなり、その後はアメリカで大ヒットを連発して本格的なカムバックを達成する。ただ、アメリカでの大活躍が始まるとともにイギリスではヒットが途絶えたのは、なんとも皮肉だ。どちらにしても1971年の『Emergence』から1980年の『In The Pocket』までリリースしたオリジナル・アルバム9枚は珠玉のアルバムばかりで、どれも名盤として再評価されるべきものばかりである。その名盤の中でも、私が最も好きなのが『Emergence』である。かつて音楽之友社から出した『ソフトロックA to Z』の名盤63選の中で、私はこのアルバムに最高点の五つ星を付けて選んでいた。稀代のメロディ・メイカー、ニール・セダカには、派手なサウンド・プロダクションは必要がなく、このアルバムのようにピアノ中心のアコースティックなサウンドの方が、ニールの歌声が引き立つ。このアルバムではオーケストラがフィーチャーされていたが、気品があり、クラシカルな雰囲気もあるニールの曲にはピタリとはまった。個人的に特に好きなのは美しいバラード「God Bless Joanna」、映画のワンシーンを見ているような広がりを持つ「What Have They Done To The Moon」、そして哀調漂うメロディがサビで解放される「Rosemary Blue」の3曲。何十回聴いだろうか、その感動は薄れることがなく、素晴らしすぎて言葉が出ない。このWeb VANDAを見ている方にニール・セダカは60年代のオールディーズ・シンガーという認識は持っている人はいないだうが、70年代のニール・セダカをCDになった「Laughter In The Rain」が入った『Sedaka's Back』から『Steppin' Out』の3枚だけでは一番いい部分を聴きもらしてしまう。カップリングの『Solitaire』はメンバーがニールとグラハム・グールドマン、ゴドリー&クレームの4人という超強力布陣で作られ、よりビートの利いたサウンドが楽しめる。浮き浮きしてしまうような「That's When The Music Takes Me」や、流麗な「Trying To Say Goodbye」、後にカーペンターズも取り上げた美しい「Solitaire」などこちらも聴きどころは十分。ニール・セダカという天才のワークスをきちんと聴かないと、それは大きな損失になる。それだけ価値があるアルバムだ。願わくは未CD化の5枚をBGOが出してくれないかな。

(佐野)

 






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このページは、Kunihiko Sanoが2008年10月15日 17:10に書いたブログ記事です。

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