2007年8月1日水曜日

☆Groop:『The Groop』(Sundazed/SC6255)

以前『Soft Rock Ultimate』の中で紹介したグループの唯一のアルバムがシングルB面曲に未発表曲も含めリイシューされた。最近、この手のマイナーなソフトロック名盤の再発が停滞していただけに嬉しいニュースだ。もう日本のレコード会社には期待できないので、海外にアンテナを張っていくより他がなかったが、頼みの海外も鈍化していたからね。男女4人組のコーラスグループであるグループは、1969年にベルからアルバム1枚とシングル2枚がリリースされただけの短い存在だったが、アルバムにも収録されたセカンドシングル「The Jet Song」があまりにも素晴らしい出来だったので、我々の間で「聴いた?」「いいねー」なんていう会話が飛び交うようになり、みなこのアルバムを探していたことを思い出した。基本はフィフス・ディメンション・スタイルのハーモニーとサウンドの曲が多く、その究極に位置するのが、シンコペーションを目一杯使い、疾走感溢れる「The Jet Song」だった。これ以上の曲はないのだが、ボーンズ・ハウ組のソングライター、ジェフリー・コムナーの書いた「A Famous Myth」は高揚感がある快作で、これも大きな聴きもの。この曲とアルバム未収録で本CDに収録された「Tears And Joy」は映画「真夜中のカーボーイ」のサントラ盤にも収録されていたので、サントラファンの間でも知る人ぞ知る存在だった。余談だが、「真夜中のカーボーイ」は「2001年宇宙の旅」、「太陽の王子ホルスの大冒険」、「七人の侍」と並ぶ、私が心酔した大映画のひとつで、この切なく悲しいストーリーは何度見ても涙を抑えることができない。この映画をはじめて見たのは高校の時だったが、10代で知ったこの絶対的な貧しさへの憤りは今も途切れることがないまま残っている。だから格差社会を生み出し、自己責任などとほざいていた政治家や経済人が今、糾弾されているのは溜飲が下がる思いだ。目障りな連中が表舞台から消えていくのは精神衛生上もいい。で、アルバムに戻るが、同じくコムナー作の「Nobody At All」も、イントロがグレン・キャンベル、歌はアソシエイションという、最高の組み合わせになっているので、この曲も要チェック。(佐野
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