2007年4月30日月曜日

☆真島昌利:『LIVE Another Summer』(Meldac/MEBR1004)DVD


最近、ザ・クロマニヨンズでTVにしばしば出演、また新曲「紙飛行機」は私の地元のスーパーでBGMとしてガンガンかかっているなど、マーシーにしょっちゅう出会えるのはファンとしては本当に嬉しい事だが、その動きに呼応したかのように今まで廃盤だったマーシーのソロ時代のCDと映像がリイシューされた。マーシーのソロアルバム4枚は、ソニー時代の2枚がひどいことに廃盤になっていたが、ようやくソニーは心を改め、『RAW LIFE』をリイシューした。正式タイトルは『RAW LIFE-Revisited』(ソニー/WHCL1077-8)で、ボーナス・ディスクとして同タイトルのアルバムからカットされたシングル2枚のアルバム未収録曲2曲と、1993年の渋谷公会堂でのソロライブのアコースティック・セットの6曲がプラスされた。ソロライブは5曲がソニー以前のMeldacからリリースされたソロアルバムからの曲でこれは裏技?でも音源としては初CD化なので嬉しい限り。合わせてLDでリリースされていた同時期のライブ映像『RAW LIVE』が、ソニー時代の3枚のソロシングルのPV集『2nd Rated』と一緒にして『RAW LIVE2nd Rated』(ソニー/MHBL35)としてDVD化されたのも朗報だ。DVDだと見やすいからね。あとは残されたソロアルバム『人にはそれぞれ事情がある』をリイシューする必要があり、ソニーは早くにリリースしなければならない。罪滅ぼしだね。そしてついにビデオだけでリリースされていた『LIVE Another Summer』もDVD化された。こいつはとんでもなく嬉しいし、みんなにも是非見て欲しい。この1991829日に日清パワーステーションで行われたソロライブは、私も実際に見に行っていたが、バックのメンバーがとにかく最高だ。ギターの篠原太郎、ドラムの大槻敏彦は、マーシーがブルーハーツ以前に活動していたブレイカーズのメンバーで、この3人が並ぶカットは伝説のブレイカーズの姿であり、目が釘付けになってしまう。ベースの古川英俊は、篠原、大槻がその当時組んでいたBrick's Toneのメンバーで、VANDAでもしばしばBrick's Toneを紹介していたので覚えていらっしゃることも多いと思う。ヒットがなく、解散してしまったけど、カッコいいビートバンドだったなあ。ハンサムな篠原さんや、みんなは元気なんだろうか。マーシーがソロ活動をしていたこの頃、マーシーは篠原さんの家へ行って二人でこれらのソロアルバムの曲のデモを録音していた。篠原さんに聴かせてもらったけど、大量のデモテープがあり、この二人の仲の良さが強く感じられた。グループが解散しても友達でいられるって本当に素晴らしい。そしてもう1人のギター、山川のりをは、ヒロトがブルーハーツ以前に活動していたコーツのメンバーで、気心の知れたマーシーの旧友によるライブのため、とてもアットホームな雰囲気がある。そして彼らはみなテクニシャン揃いだったため、演奏の質も高い。ブレイカーズ時代のオープニングナンバーである「Everybody Needs Somebody To Love」から、キンクスの「I Need You」を改作した「うな重」まで8曲しかないが、どれも最上級のロックナンバーばかり。マーシー、篠原、山川の順にギターソロを回していく「うな重」なんて本当に最高だぜ。見ないと本当に損をするよ。(佐野)
LIVE Another Summer [DVD]

2007年4月24日火曜日

Radio VANDA第85回選曲リスト(2007/5/3)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集:Motown時代のFrankie Valli & The Fou Seasons


1. Love Isn't Here ('72)

2 .Walk On(Don't Look Back)('72)

3. A New Beginning(Prelude)('72)

4. Sun Country('72)

5. When The Morning Comes('72)

6. The Night('72)

7. How Come('73)

8. Thank You('75)

9. Hickory('74)

10. Life And Breath('73)

11. With My Eyed Wide Open('75)

12. Charisma('73)

13. Just Look What You've Done('75)

 

 

2007年4月1日日曜日

☆Moody Blues:『Every Good Boy Deserves Favour』(Decca/984550-6) ☆Moody Blues:『Seventh Sojourn』(Decca/984550-7) ☆Moody Blues:『Live At The BBC』(Deram/984720-2)


昨年、ムーディーブルースは未発表トラック満載でファースト(もちろんジャスティン・ヘイワードが参加してからが我らのムーディーブルースだ)の『Days Our Future Passed』から5枚目の『A Question Of Balance』をSACDでリイシューしてくれたが、残された6枚目と7枚目のアルバムがようやく同じ仕様でリイシューされた。このあとムーディーブルースは6年間アルバムを発表せず、再始動後にはキーボードのマイク・ピンダーが抜けたため、今回で完成した7枚のアルバムこそが、ムーディーブルースだと言えよう。私はこの7枚で十分。さて、今回のボーナストラックはそれぞれ2曲、4曲と、1枚目から4枚目が19曲、15曲、9曲、11曲とアルバムの曲数をオーバーするような大サービスぶりに比べあまりに少なく、5枚目の6曲に比べても相当少なく、首を長くして待っていただけに残念だった。ではさっそくボーナストラックの紹介をしよう。名盤『童夢』(こっちの方がしっくり来るな)のボーナスはまずジャスティンの名曲「The Story In Your Eyes」(Original Version)。オリジナルというよりオーバーダビング前のアーリーヴァージョンで、まずリード・ヴォーカルがシングル、そして盛り上がる部分のポイントである叩きつけるように入ってくるピアノがない(もしくは聴こえない)。メロトロンだけなので、あの緊張感がなく、しまらない感じだ。もう1曲の「The Dreamer」はジャスティンとレイ・トーマスの共作の未発表曲で、マイナー調のエチゾチックな雰囲気の佳曲だったが、ライブで録音されたままなのでアレンジはシンプルそのもの、まさにオマケの1曲だ。もう1枚の『Seventh Sojourn』のボーナストラックはまず210秒も長い「Isn't Life Strange」(Original Version)。中間にメロトロンによる牧歌的な間奏が加えられていたが、総尺810秒はあまりに長すぎ。「You And Me」はオケで、2分以上長い。ただしそれだけ。「Lost In The Lost World」もオケだが、イントロの印象的なギターリフが入っていないので、はじめは別の曲かと思ってしまった。ラストは嬉しい未発表曲。ジャスティンの「Island」は重厚なムードを持つマイナー調の佳曲で、マイクがうたえば陰鬱な気持ちになってしまっただろうが、ジャスティンの軽いヴォーカルだと聴きやすい。007のようなメロトロンの半音進行が印象的だ。さて、もう1枚は、ムーディーブルースが1967年から1970年までの4年間にBBCの番組で披露した41曲を集めた嬉しい未発表音源集。既にビートルズ、キンクス、フー、スモール・フェイセス、レッド・ツェッペリンなども同様のリリースが行われている定番がようやく回ってきたという感じだ。この中で23曲は既に上記のリイシューのボーナストラックとして収録されていて(『On The Threshold Of A Dream』収録の「The Tony Brandon Show」での「Are You Sitting Comfortably」だけは未収録と思われる)、そのコアな部分は既に聴いたものが多い。ただいくつか重要なポイントがあり、その曲を紹介しておこう。1969年の「Top Gear」で披露されたジョン・ロッジの未発表曲「To Share Our Love」は、ジャスティンと並ぶグループ内の最重要ソングライターのジョンにしては珍しくマージービート風の単純なビート・ナンバーで、オクラ入りの曲を引っ張り出したような感じだった。そして1969年の「The Tony Brandon Show」でのジャスティンの快作「Lovely To See You」は、いかにもスタジオライブというエネルギーがあり、これはなかなかの聴きものだ。1968年の「Tom Jones Show」での「Nights In White Satin」と「The Morning:Another Morning」も完全なスタジオライブで、息遣いが聴こえるような臨場感のあるいい出来だった。1970年の「Lulu TV Show」でのジャスティンの名作「Question」は、フェイドアウトするのでバッキングはオケだが歌はライブで一部歌いまわしが違う部分などが楽しめる。残りの「Colour Me Pop」の曲などはレコード音源と思われいまいまいち。しかしどちらにしても購入すべき最重要盤であることは間違いない。

(佐野)
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