2007年2月24日土曜日

Radio VANDA第83回選曲リスト(2007/3/1)


Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集:The Ventures


1. Caravan('63)

2. Slaughter On 10th  Avenue('64)

3. Walk Don't Run('60)

4. Bulldog('61)

5. Driving Guitars('62)

6. Telstar('63)

7. Mariner No.4('64)

8. Fugitive('64)

9. Scratchin'('64)

10. Night Train('64)

11. Pedal Pusher('64)

12. She's Just My Style('66)

13. Secret Agent Man('66)

14. Action('66)

15. Stop Action('66)

16. Comin' Home Baby('66)

17. El Greco('68)

18. Summertime Blues('68)

 

 

2007年2月1日木曜日

☆Don & The Goodtimes:『So Good』(Rev-Ola/142)


「ソフトロックA to Z」でおすすめしていたドン&ザ・グッドタイムスのソフトロック時代のCDがリリースされていたことに気づいたので、ちょっと遅くなったが紹介させてもらいたい。このグループは1964年から66年までのWand,Jerdenレコード時代は、最強レベルのヘヴィなビートのR&Bナンバーをリリースし、ガレージ系のロック・バンドとして素晴らしいシングル、アルバムを生み出していた。しかし1967年にメジャー・レーベルのエピックへ移籍し、ジャック・ニッチェがプロデュースを担当すると、それまでのスタイルとまったく違う、ポップ・バンドへ変貌する。ロック・バンドは数あれど、これほどスタイルを変えたバンドは稀有だ。まずアルバム『So Good』の冒頭の「I Could Be So Good To You」は、3連譜のピアノのバッキングに乗せた、ゲイリー・ゼクリーのイエロー・バルーンを彷彿とするような曲想のポップ・ナンバーで、全米56位とグループ初のヒットになった。他のアルバム曲はポップながらハーモニー、演奏ともにB級感があるものが大半だが、その中で「If You Love Her,Cherish Her And Such」は、ハープシコードのバッキング、牧歌的なメロディと優しげなヴォーカルで、最上級のソフト・ロック・ナンバーに仕上がり、この1曲だけでも購入すべき価値があるだろう。そして本CDが素晴らしいのは、エピック時代の直前のPiccadellyBurdetteのシングル2枚と、アルバム後にリリースされたアルバム未収録の5曲全てがボーナス・トラックに入ったことだ。PiccadellyBurdette2枚はオリジナル・ナンバーで、ガレージっぽいがゾンビーズ風のポップな仕上がりで、ジャック・ニッチェ以前にも既に変化の兆しが現れていたことが分かる。そしてエピック2枚目のシングル「Happy And Me」は、シャッフル・ビートの陽気なオリジナル・ナンバーで、98位と僅かにヒットした。ヒットはしなかったが内容的にはエピックの34枚目のシングルが上回る。それは作曲・プロデュースをフォー・シーズンズのソング・ランティングを手がけるサンディ・リンツァー=ダニー・ランデルが担当、アレンジはチャーリー・カレロと、まさにフォー・シーズンズを支えた最強スタッフの作品となったからだ。まず「Bambi」は高揚感のあるメロディが魅力で、ハーモニーに彩られたキャッチーなフックは愁眉の出来。ただサビの後のテンポ・チェンジした部分がどうにも不要。続く「May My Heart Be Cast Into Stone」はわくわくするようなビートに乗せ、さらに高揚感のあるメロディによって作られた文句なしのソフト・ロック・ナンバーに仕上がった。お徳用のこのCD、購入する価値は十分過ぎる。
(佐野)
商品の詳細

☆Various:『New Music From An Old Friends』(Target/OEM00004-2)


ブライアン・ウィルソンがバート・バカラックの大ファンだったことは知られているが、このポップスの2人の巨人の共作がついに実現した。まず、本CDの概略から紹介しよう。このCDはターゲットから独占販売で発売された、ポップ・ミュージック・シーンの偉大なミュージシャンによる新録の作品集である。バート・バカラックを中心に、ブライアン、キャロル・キング、ポール・ウィリアムス、ウィリー・ネルソン、ケニー・ロギンス、クリス・クリストファーソン、リチャード・マークス、ピーボ・ブライソン、ステファン・ビショップなどの錚々たる面々が、曲を書き、カバーし、そして歌う。プロデューサーはフィル・ラモーンだ。凄い顔ぶれでこれだけでため息が出てしまう。キャロル・キングとポール・ウィリアムスが共作し、キャロル・キングが歌う美しいバラード「Say Goodbye Today」があったり、ステファン・ビショップが書いて歌う心地よいボサノヴァ「Save It For A Rainy Day」はバックのアコギがエリック・クラプトンだったりと、組み合わせも楽しい。CDのタイトル・ナンバーは「New Music From An Old Friends」はポール・ウィリアムスが書いたナンバーで、ジェーン・モフィットのヴォーカルにより極上のバラードに仕上がった。ポール健在である。そしていよいよブライアンへ移ろう。まずは「God Only Knows」のセルフ・カバーだ。ベースの音色などかなりオリジナルに忠実なバッキングで、ブライアンの素晴らしく透明感のあるヴォーカルにより、この名曲が蘇る。ソロ活動を始めてから20年、いや、しわがれた声に変わってしまったと認識させられた1977年の『Love You』より30年、ブライアンの声はついに天使の歌声に戻った。少なくともこの曲ではそうだ。『Pet Sounds』で録音したかのような歌声に、胸がいっぱいになる。本当に素晴らしい。そしてブライアンとバカラックの夢の共作「What Love Can Do」だ。アカペラのハーモニーから曲はスタート、そしてゆったりとした優しげなメロディの歌が始まり、ぞくぞくするような転調で曲が一気に盛り上がる。魔力のような展開の妙、ブライアンの新作としてはここ10年で最高の曲だろう。サビの後のファルセットのハーモニーも、お得意のパターンとはいえ、メロディとサウンドが極上なので、心地よさでため息が出るほどだ。こんな素晴らしい曲に出会えて本当に幸せだ。なお、バカラックはピアノでも参加していた。ターゲットの独占販売で、先のHallmarkCDと同様に日本には輸出してくれないので、eBayで買いましょう。(佐野/Special Thanks To 伊藤博道)
Various Artists: New Music From An Old Friend

☆Brian Wilson:『A Tribute To Brian Wilson』(ビデオアーツ/VABG1226)DVD


グラミー賞を運営しているレコーディング・アカデミーが、誰からも福利厚生面の支援を受けられない個人事業主であるミュージシャンに対して、困窮した時の無償の支援を行うために設立したのがミュージックケアーズという組織である。そのミュージックケアーズが音楽界に多大な貢献をし、慈善活動、社会のためにも奉仕した人物をPerson Of The Yearとして表彰しているのだが、2005年にはブライアン・ウィルソンが選出された。授賞にあたってチャリティ・コンサートが実施され、その模様を収録したのが本DVDである。ブライアンをリスペクトするミュージシャン達がブライアンの多くの曲をカバーし、華やかなライブになた。まずはレッドホット・チリペッパーズが「I Get Around」を歌い、その完コピぶりにまずビックリ。ボン・ジョヴィのリッチー・サンボラは「City Blues」で、こちらはその渋い選曲にビックリだ。ソウルフルなジェイミー・カラムとスレッド・マーティン&リーヴァイト・キャンプによる「Sail On Sailor」もいいが、何よりも持ち前のハーモニーを聴かせてくれたバックストリート・ボーイズの「When I Grow Up」に心を奪われてしまった。バッキングがあるものの、これはアカペラだね。マイケル・マクドナルド&ビリー・プレストンの「Don't Worry Baby」は、ビリー・プレストンらしいオルガンのプレイが楽しめる。ジェフ・ベックはなんとギター・インストの「Surf's Up」に挑戦する。さすがというプレイで聴かせてくれるが、ちょっと音が抜けてしまったミスが残念。アース・ウィンド&ファイヤーは黒くソウルフルな「Don't Talk」でこれも楽しめたし、ダーレン・ラブは変わらぬ声量で「Wouldn't It Be Nice」を披露し、そのポジティブな歌声で会場を一気に明るく照らした。そしてブライアン&ブライアン・ウィルソン・バンドで「Pet Sounds」、「Heroes And Villains」、「Good Vibrations」、「Fun Fun Fun」、「Love And Mercy」の5曲を歌うが、演奏、ハーモニーといつもながら完璧で、本当に素晴らしい。こんなうまいバッキングがいるのだから、ブライアンはビーチ・ボーイズとは一緒にプレイできないな。最後のブライアンのソロに近い「Love And Mercy」を聴いて、ブライアンの歌の力がこんなに戻っているなんて、ソロ活動を始めた時と比較し、感動しながら聴き入ってしまった。素晴らしいよ、ブライアン。また新しいアルバム、出してくれないかな。なおこのDVD、曲のMCの日本語字幕が欠けていて、そこが残念。値段の安い輸入盤で十分かも。(佐野)
トリビュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン [DVD]