2006年7月1日土曜日

☆コレクターズ:『ロック教室』(コロムビア/COCP50834)

コレクターズが結成20周年を記念してリリースされた本作は、個人的に久々に聴きこんだアルバムになった。今回は作詞・作曲を一手に受け持つ加藤ひさしが曲を書かずに(1曲のみ)、仲のいいミュージシャン達が曲を書き下ろしたスペシャルな内容になっている。まずジャケットを見て欲しい。これはキンクスの『Schoolboys In Disgrace』の裏ジャケじゃないの!そしてコレクターズが5人?おお、このバンダナ、マーシーじゃないか!!凄え!ジャケの中には、曲を提供したミュージシャンがみな同じ制服に身を包み、一緒に写っている。このセンス、さすがコレクターズだなあ。さて、このアルバムで最も気に入った3曲を紹介しよう。まずは冒頭の奥田民生が書いた「悪い月」が素晴らしい。サウンド、歌詞もまさにコレクターズ、奥田は実にコレクターズの事を分かっているね。そしてこのサウンド、加藤ひさしがキンクスの曲の中でも最も好きだといっている「Do It Again」のにおいがプンプンするぞ。リフやメロディに上手に散りばめられていて、コアなファンなら思わずニヤリとしてしまうはず。そしてサンボマスターの山口隆が書いた「愛まで20マイル」。このバラードを加藤は、声を振り絞り目一杯シャウトしている。もともと声量がある加藤なので、シャウトは必要としてこなかったのだが、ここは山口の曲と意識してのことだろう。そして最も気に入っているのが、マーシー、真島昌利の「スタールースター」である。ブルーハーツ時代から時々書いていた明るくポップなロックナンバーで、サビの"スタールースター"のメロディが気持ちよく、思わず口ずさんでしまうだろう。こういうキャッチーなフックは、コレクターズにピッタリだ。ただ、加藤の声だが、私にはヒロトの声がだぶって聴こえてきてしまう。やはりマーシー。他では會田茂一&森若香織、スネオヘアー、曽我部恵一、堂島孝平、ヒダカトオル、松本素生、山中さわおが曲を競い、いい曲が一杯で、名盤となった。あと、コレクターズは映画に合わせて作られた、故ブライアン・ジョーンズへのトリビュート・アルバム『A Tribute To BRIAN JONES(エイベックス/AVCF22939)に小島麻由美と共演で「Golden Stone」を提供している。加藤ひさしの作詞・作曲でリード・ヴォーカルも全て加藤のため、「コレクターズ」と単独クレジットでもいいくらい。歌詞がいかにも加藤で、60年代のブリティッシュものは独壇場だろう。(佐野)
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