2004年7月12日月曜日

☆Classics IV:『The Very Best Of The Classics IV』(東芝EMI/TOCP53379)

続いてクラシックスIV。こちらもインペルアル、リバティでヒットした9曲に、シングル曲、アルバム収録曲の傑作を合わせた20曲を私がセレクトした。
選曲のポイントは、デニス・ヨストの魅惑のヴォーカルを堪能できる曲という1点に絞った。
デニス・ヨストは、ハスキーというだけでなく声に色艶があり、色気がある。この色気はファンキーなナンバーよりもバラード、特にブルージーな曲で魅力が炸裂する。
全米3位となった出世作 "Spooky" もいいし、メロウな全米2位のヒット作 "Traces" もいい。緊張感のある "24 Hours Of Loneliness" も捨て難い。
しかしなんといっても憂いを帯びたイントロから引き込まれてしまう全米5位のヒット・チュ-ン "Stormy" と、哀調と切迫した曲想がサビで解放される "Midnight" の2曲が最高だろう。
これがクラシックスIVと、まず人に聴かせる傑作で、この曲を聴いて、気に入らない人がいたら私はその人とはもう音楽の話はしない。それほど魅力溢れる傑作だ。
クラシックスIVのサウンドの中心は、作曲を行うコンポーザー・チームの、プロデューサーのバディ・ビューイとリード・ギタリストのジェームス・コッブ。この二人は後にアトランタ・リズム・セクションを結成し、ヒットを放ち続けた才人だが、メロディアスで、少し憂いを帯びた曲を、巧みに書くことができる。
そしてジェームス・コッブのアタックの効いた独特のギターが、クラシックスIVのサウンドを特徴付けた。ここまでお膳立てができて、そこにデニス・ヨストのヴォーカルなのだからたまらない。
ヒット曲以外で個人的なお勧めは夢見るように美しく穏やかな "The Comic" 、寄せては返す潮騒のようなサウンドでムードたっぷりの "Rainy Day" 、お洒落でスキップしたくなるような弾むサウンドの "Traffic Jam" 。
ジェームス・コッブのギター・リフをフィーチャーし、緊張感が心地いい "Free" も素晴らしい。クラシックスIVはTaragonとRavenでそれぞれ充実したベスト盤がリリースされているが、なぜかその中に前述の "The Comic" と "Free" は未収録で、都合 4 曲が初CD化となっている。
もちろん全曲、歌詞カードと対訳付き、これも買うっきゃないでしょう。(佐野)


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