2004年6月21日月曜日

☆Brian Wilson:『Gettin' In Over My Head』(Brimel-Rhino/8122-76471-2)



ブライアン・ウィルソンの6年ぶりのスタジオ録音のアルバムがリリースされた。
今回はポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、エルトン・ジョンという豪華ゲストの共演、またカールのリード・ヴォーカルの曲も注目された。
さて、結論から言ってしまおう。
このアルバムの点は何点か?個人的には70点。ギリギリ合格点といったところだ。
もっといい曲を集められたのでは?もっといいアレンジができたのでは?という部分がマイナス・ポイントだ。
これだけ充実したライブをこなせているのだから、ブライアンには高い水準を期待してしまう。
エコーが浅めのせいか、ハーモニーに深さがない気もする。
そして『Sweet Insanity』からの曲が、 "Make A Wish" , "Rainbow Eyes" , "Fairy Tale" (= "Save The Day" ), "Don't Let Her Know She's An Angel" , "The Waltz" (= "Let's Stick Together" または "Let's Get Tonight" )と5曲あるが、『Sweet Insanity』のアレンジの方がよかった曲も多い。
特に大好きな "Don't Let Her Know She's An Angel" のイントロのストリングスはいただけない。
ビートも効かせ過ぎだし。本作はビート・ナンバーがけっこうあり、ロック色を出したアルバムなのに、なぜあの名曲 "The Sprit Of Rock'n'Roll" が入らなかったのだろう。
歌詞の内容を変えれば素晴らしい作品になる "Brian" (= "Thank You" )も入れて欲しかった。
次に目玉のナンバーはどうだったか。
エルトン・ジョンがリードを取った "How Could We Still Be Dancin'" は、非常に力強いヴォーカル/ハーモニーとビートが心地いいロック・ナンバーで、アルバムの文句なしのハイライトになった。
カールがリード・ヴォーカルを取った "Soul Searchin'" は、非常にソウルフルな出来で、カールの存在の大きさを改めて感じさせてくれたこれも傑作。
エリック・クラプトンがリード・ギターを弾く "City Blues" は、予想された範囲の出来で、可もなし不可もなし。
最も期待されたポール・マッカートニーとの共演 "A Friend Like You" は、出だしのブライアンとポールが交互に歌う場所など感激したが、曲の展開がブライアンならもっと広がりを持たせられたはずと思ってしまった。いい曲なのは間違いない。でもブライアンなんだからもうちょっと。
ただ、全体的にはいいんですよ。トータルでは『Imagination』よりは好きかな。(佐野)

Gettin in Over My Head                                   

0 件のコメント:

コメントを投稿