2003年10月29日水曜日

☆「Muscle Beach Party/Ski Party」(MGM/1004484) DVD



2本の映画が1枚になった2イン1DVD。 この内、「Muscle Beach Party」はフランキー・アヴァロン&アネット主演の青春コメディだが、このDVDを紹介するのは、ブライアン・ウィルソンがこの映画のために作曲・バックコーラスなどで参加していたからだ。この映画の作曲の依頼を受けたゲイリー・アッシャーは、ブライアンに手伝ってもらえるかを打診、ブライアンは快諾し、ブライアン、ゲイリー、ロジャー・クリスチャンの3人で、63年10月から11月の間に6曲を共作した。  "Surfer's Holiday" , "My First Love" , "Muscle Beach Party" はハリウッドのウェスタンのスタジオ3 "Running Wild" , "Muscle Bustle" はハリウッドのサンセット・スタジオで録音され、ブライアンはピアノとコーラスを担当し、バックトラックを完成している。 ここに出演者のリード・ヴォーカルを加えたものが映画で使われている。 これらのトラックは残念ながらレコードでは一切使われていないため、映画のみの貴重なトラックと言えよう。では映画のランニングタイムと、その6曲の登場シーンを紹介しよう。(2分)映画の冒頭で、海へ向かう車の上でフランキー・アヴァロン、アネットがデュエットで "Surfer's Holiday" を歌い、ディック・デイルも車上でギターソロを披露してくれる。 ブライアンらのバックコーラスがよく聞こえる。 (52分)二人が向かったクラブで、ディック・デイル&ザ・デル・トーンが "My First Love" を歌う。すぐに台詞が被ってきてしまうのが残念。 (54分)続いて同じくディック・デイル&ザ・デル・トーンズで"Muscle Beach Party" が登場。 いかにもこの時代のブライアンが書きそうな曲で、自家薬籠中の出来だが、この曲も台詞が多い。 (59分)フランキーがアネットに対して恋のさや当てを行うシーンで、フランキーが踊りながら "Running Wild" を歌っている。アップテンポの快調なロック・ナンバー。(67分)パーティーで、ディック・デイルとドナ・ローレンが"Muscle Bustle" をデュエットする。 楽しい曲で、歌もコーラスもよく聴こえる。(69分)キャンプファイヤーのシーンで、みんながディック・デイルを囲んでアカペラで"Surfin' Woodie" を歌う。(佐野)

☆Neil Sedaka『Oh Carol』(Bear Family/BCD16535HK)

2003年のリイシュー大賞は、ベア・ファミリーからリリースされたこのニール・セダカの8枚組 CD ボックスで決定だ。
そう断言できるほどの究極の仕様であり、日本のレコード会社では実現不可能な、不滅の仕事が私の手元にある。
ここ数年の中でも最高のリイシューだろう。ニール・セダカ・ファンはもとより、全てのポップス・ファンは必ず入手すべきボックスだ。ただしこのボックスは私が愛してやまない70年代のワークスではなく、60年代、それも1956年から66年までのRCA時代の全音源集である。
しかし素晴らしい内容の曲が多く、ニールのソングライティングのセンスの良さに驚嘆させられっぱなしで、ここというポイントでの華麗なメロディの展開は、ポップスの醍醐味を十二分に味わせてくれた。
まずディスク1からディスク4までは、アメリカでリリースされた、英語で歌われた通常のディスコグラフィーに掲載される全音源+未発表音源集。
特にディスク4は64年から66年のRCA後期の作品集で、ソフト・ロック・タッチの、オールディーズを脱却した曲が並び、個人的にはこのボックスのハイライトだ。
フィリップス時代のフォー・シーズンズを意識した "Sunny"からスタート、モータウン風の "I Hope He Breaks Your Heart"、ボサノヴァを使った "Blue Boy"、フラワーポップの傑作 "The Answer Lies Within"、ラテンビートを導入した "We Can Make It If We Try"とニールは時代の風を読みながら様々なタイプの曲を作り出していた。
中には後の69年のアルバム『Sound Of Sedaka』に収録された流麗な "Cellophane Disguise"の、未発表の66年ヴァージョンも聴くことができ、これは嬉しい収穫。
そしてディスク5から8までは、各国で出された、いわば「外国語ヴァージョン集」。イタリア語で歌われたものが圧倒的に多いが、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ヘブライ語、そして日本語の曲も、未発表も含め全曲網羅してある。凄いの一語。
英語ヴァージョンでは聴けない曲もあるし、特に驚いたのは日本語の未発表ヴァージョンだった。
それは "High On The Mountain"で、ニールは "涙の小径(=The World Through The Tear)"と同じく達者な発音で歌っていた。ニールの日本語の発音は、シカゴの日本語に次ぐ、トップ・クラスの実力があるね。
特に "涙の小径"は、曲自体の華麗な展開もあり、私の愛聴曲。
ディスク8は映画で使われた初 CD 化の曲が6曲あり、他にもTVショーのものや、オーケストラヴァージョン集から、当時の来日公演へのメッセージまでも収録された、コレクタブルなものだ。
CD 8枚になんと216曲、220トラックもある脱帽の仕様だ。
アートワークも、ハードカバーのLPサイズのオールカラーのブックレットが119P、フォトだけでなく、各国のジャケットの数も多いし、レコーディング・データも完備されていてほぼ完璧。
CD の曲順に合わせたクレジットがどこかに載っていれば文句のつけようがなかったが…。
ともかく、ベア・ファミリーの実力を思い知らされたボックス・セットだった。(佐野)
oh carol-the complete

2003年10月28日火曜日

☆Curt Boettcher:『Another Time-Collections』(Sound City/SCN9006)

サウンド・シティからリリースされたミレニウム関連のCDはどれも既発のCDの焼き直しで、必要ないものばかりだったが、このCDだけ「目玉」が入っていた。
それはカートのデモの "Along Comes Mary" だ。
アソシエイションのプロデューサーだったカート・ベッチャーは、タンディン・アルマーの書いたこの曲をシングルとしてリリースし、66年に全米7位と、最初の成功を収めているが、これはそのデモ。
タンディン・アルマーがピアノ、ゲイリー・アレクサンダーがギターで参加している65年に録音されたこのデモは、アセテートからの盤起こし。
音は悪いが実に貴重なヴァージョンで、この難しい曲を、アソシエイションに分かるようにカートがガイド・ヴォーカルを入れている。
デモなのでまだハーモニーも付けられていない。
カートの "Along Comes Mary" と言えば、Big Mouthなるレーベルからシングルが出ていると書かれてはいたものの、現物が出て来た事がないので、その存在自体、疑問が出ていたが、もしかするともしかして?(佐野)
Another Time

2003年10月25日土曜日

Radio VANDA 第 43 回選曲リスト(2003/11/06)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集Mike Love

1. Karen('64) ... Beach Boys
2. Almost Summer[KRTH 101 Version]('78) ... Celebration
3. Brian's Back('78) ... Mike Love(and Carl Wilson)
4. Looking Back With Love('81) ... Mike Love
5. Lightning Strikes('83) ... Mike & Dean ※
ナレーションなし。
6. California Dreamin'[Alternate Version]('83) ... Beach Boys ※
Rock'n' Roll City』収録.
7. Jingle Bell Rock('83) ... Mike Love Of The Beach Boys
8. (Bop Bop)On The Beach('84) ... The Flirts and Jan & Dean ※OST
The Moments Of Truth』収録

9. Happy Birthday America('86) ... Mike Love And Friends ※
Forth Of July』収録
10. Sumahama('79) ... Beach Boys ※
Japan Jam』より。ほとんど日本語。
11. Summer In Paradise('92) ... Beach Boys ※
ロジャー・マッギンを入れての再録音UKヴァージョン。
12. Be True To Your Bud('83) ... Mike & Dean ※Budwiser
のCM用替え歌
13. Hyatt Regency Waikiki CM('82) ... Mike Love ※Beach Boys
もかくやと思わせる素晴らしいCM
14. Hyatt Regency Maui CM('82) ... Mike Love ※
こちらはマウイ編

15. Summertime Music('82) ... Mike Love
16. First Love('78) ... Mike Love ※78
年の幻のソロ『First Love』収録曲。

 

2003年10月24日金曜日

モダーン今夜: 『赤い夜の足音』(MOTEL BLEU MBRD-004)

 

"モダーン今夜" は、リーダーでヴォーカリストのマキが大学在学中に結成したバンドを母胎に発展した、11人編成の非常にユニークなビッグ・バンドだ。
ホーンセクション3名にパーカッショニスト2名、それにヴァイオリニストまでを抱える大所帯である。 本作『赤い夜の足音』は、そんな個性溢れるバンドの記念すべきファースト・ミニ・アルバムだ。 メイン・ソングライターのマキの描く世界は、泡沫のメルヘンがシャボン玉の様に浮かんでは消え、浮かんでは消え、微かな飛沫からはペーソス溢れる人生模様が見え隠れする実にピュアなもの。 

冒頭のしなやかなブラジリアン・グルーヴ「星屑サンバ」は、夢現になるトキメキを「ああ君にとどけ このメロディ」というフックのラインと、メンバー全員によるコーダのコーラスでさらに高揚させる感動的な曲だ。 「うたかた花電車」は60年代のR&Bからブラス・ロックを経由した昭和歌謡(ピン・キラ度高し)というべきサウンドに、場末のストリッパーの悲恋を赤裸に描いた異色作。 この曲のみキーボーディストのタムが単独で作曲を担当しているのだが、その技巧的センスはマキ共々一目置く存在といえる。 「涙の雨」はオールドタイミーなビッグ・バンド・サウンド。 殆どのメンバーがジャズ・プレイヤーとしての素養を持っているので、そのスインギングさは中途半端に終わらず聴き応えのあるものだ。 この曲でも悲恋が描かれているのだが、主人公のひたむきな生き様には心打たれてしまう。 聴き終わった後には雲一つない爽快感が残り、筆者が最も気に入った曲でもある。

アルバムは全5曲であるが、曲毎にサウンドと歌詞の完成度が高いので、曲数の少なさを全く感じさせない。 寧ろこの5曲に絞った事で成功したケースといえよう。 そして何より本作の素晴らしさは、潜在的に大正~昭和期に培われた、日本特有の折衷感覚と大衆性が脈々と受け継がれている懐の深さなのだ。 世代を越えて聴き込まれるであろう優良盤である事は間違いない。
(ウチタカヒデ)

☆Various:『The Old Grey Whistle Test Volume2』(BBC/1279) DVD

イギリスBBCの70年代の人気音楽番組、『オールド・グレイ・ウィッスル・テスト』のDVD 第2弾である。
ホール&オーツ、ペット・ショップ・ボーイズのような大物から、ロギンス&メッシーナやアージェントのようなマニアが喜ぶグループまで、多数が登場するが、基本的に70年代のアーティストなので、ここでは60年代のVANDA向けの大物だけを紹介しよう。
まずはそのレア度で群を抜くのが、ブルース・ジョンストンのソロ "Disney Girls" である。これは75年に収録されたブルースのピアノ弾き語りで、ブルースがこの名曲を表情豊かに歌う。
アドリブのメロディも多い。ブルースがビーチボーイズを離れていた時期なので、ソロなのだが、こんなものが見られるとは思わなかった。(映像的には、ブルースの後ろで首をうだなてれ目をつぶり、ピクリとも動かないヒゲのオヤジがちょっと怖い。マネキンか?)
もう1曲はフーの "Relay" だ。73年の録音なので、まだキース・ムーンも人を驚かすような表情でドラムを叩いているし、メンバー全員パワフルで、画面からエネルギーが伝わってくるようだ。
フーのカッコよさには惚れ惚れ。
音は別録だが、フェイド・アウト部分が1分以上も長く、これも嬉しいの一語。(佐野)


2003年10月13日月曜日

☆Who:『The Kids Are Alright:Special Edition』(Pioneer/12103) DVD

 数あるロック・グループのドキュメンタリーでも、フーの『The Kids Are Alright』ほど、ロックの本質をついているものはない。全てのロック映像の中でもベスト1が本作と断言できる、名作中の名作。
このフィルム自体は以前 LD になり、 DVD でもリリースされたので、ここでは紹介しない。まだ持っていない人がいたとしたら必ず買うべき必須アイテムである。
これから紹介するのは、私と同じ、既にこのフィルムを持っている人が対象だ。
今回の DVD は2種類出ており、この「Special Edtion」が必要である。
アマゾンでは「Ws Spec Sub Dol Dts」と書かれている定価 $29.98 のものがダブル・ディスクで、映画以外のおまけの1枚が付いているのだ。
いくつかのメニューがあるが、なんといってもドイツのTVでの映画のハイライトだった "Won't Get Fooled Again" が6アングル、 "Baba O'Riley" が4アングルで見ることができる。
つまりこの2曲はこれだけの台数のカメラによって撮影され、それを映画のように編集した訳だが、それぞれのカメラで曲全部を見ることができるので、何倍も楽しめ新鮮だ。
また同じフィルムでジョン・エントウィッスルの "Baba O'Riley" でのベース・プレイを、ジョンの固定カメラで、ベース音のみを拾った「The Ox」というメニューもあるので必見。
ロック界で最高のベース・プレイヤーであるジョンの神業のようなベース・ランニングを堪能できる。
あと、映画で後半しか入っていなかった「ロックンロール・サーカス」での "A Quick One,While He's Away" が、完全版になっていたことも付け加えておこう。(佐野)

Kids Are Alright [DVD] [Import]

☆Hollies:『The Long Road Home 1963-2003』(EMI/07243-584856-2-2)

ホリーズ結成40周年記念でリリースされたCD6枚組のこのボックス・セット、これはコアなファン向けの内容だった。
曲目リストを見るとおや、 "Bus Stop"がないぞ、 "I Can't Let Go"がない、 "Look Through Any Wondow"も "I'm Alive"も "Stop Stop Stop"も、ヒット曲がほとんど入っていない。
これはまいった。
それでいてレアリティーズ的な内容なのかというと、レア・トラックは一部が入っただけで、様々なコンピに入っていたそれらのレア・トラックはそのまま残され、「在庫一掃」にならない。
なんとも不可解な内容で、どこにターゲットが向いているのか分からない選曲だった。
しかしブックレットには各国のシングル、EPジャケットがカラーで並べられ、貴重な写真も多く、またセッション日順のディスコグラフィーがまとめられるなど十分に手がかかっていて、アートワークはコアなファンも満足する出来。
さて、VANDAらしく60年代の音源だけで話を進めると、未発表のものは64年のキンクスばりのビート・ナンバー"She Said Yeah"、65年に録音されたデモ風の "So Lonely"の別テイクと、哀調を帯びたホリーズらしいビートナンバーの "Bring Back Your Love To Me"と "Listen Hear To Me"の3曲、そして68年録音の "A Taste Of Honey"の別テイクはビートがよりオリジナルに近くホーンも入っていた。
そしてライブだ。
66年のストックホルムでのライブは "Reach Out I'll Be There"と "Too Much Monkey Business" , "Stop Stop Stop"の3 曲。
ビートは効いているし、ヴォーカルはシャウトするし、さすがライブ、カッコいいなー。(佐野)


2003年10月10日金曜日

☆October Country:『October Country』(Rev-Ola/51)

先日Radio VANDAで特集したばかりの若き鬼才マイケル・ロイドは、マイク・カーブに呼ばれ69年に僅か20歳でMGMの副社長に就任、オズモンズやショーン・キャシディ、レイフ・ギャレット、ヘレン・レディなどのプロデュースを手掛け、80年の時点で獲得したゴールド&プラチナムディスクが56枚という驚異的な成功を成し遂げた。
そんなマイケル・ロイドは、自らもグループを作ったりソロで活動したりと、アーティストとしての活動も平行しており、実に興味深いミュージシャンなのだが、68年にはこのオクトーバー・カントリーと、スモークの両方のアルバムで、プロデュースのみならず作曲もみな手掛けるという多芸ぶりをみせてくれた。
どちらも「ソフトロックA to Z」で紹介しているのでその存在はご存じの方も多いと思うが、きちんとしたグループが存在していたのが、オクトーバー・カントリーだった。
歌は決してうまいとは言えないが、マイケル・ロイドの曲作りのセンスで、ソフト・ロックのアルバムに仕上がった。
牧歌的な "Good To Be Around" 、弾むようなベース・ランニングが耳に残る "I Wish I Was A Fire" 、サビの解放感が聴きもの "Painted Sky" もいいが、やはりシングルにもなった "October Country" , "Cowboys And Indians" の2曲がハイライト。
マイナー調のバブルガム・ソングなのだが、歯切れがよく、一気に聴かせてしまう。
CD にはボーナス・トラックにシングルのみの "Baby What I Mean" (スパイラル・ステアケースでお馴染みの曲)も収録された。ガレージっぽい仕上がりだ。
なおこの曲は17曲目であり、12曲目となっている CD のクレジットは誤り。
ボーナス・トラックの12曲目から17曲目の表記が、バック・インレイ共々、曲順を間違っている。(佐野)





2003年10月3日金曜日

☆Free Design:『Kites Are Fun』(Light In The Attic/LITA004 )☆『Heaven/Earth』(Light In The Attic/LITA005 )



 日本ではテイチクと徳間ジャパンでオリジナルの7枚のアルバムが全てリイシューされ、一段落ついた感があったフリー・デザイン。
海外ではSietaやCherry Redからリリースされるものの、コンピレーション盤だけで、オリジナル盤のリイシューには至らないのかなと思っていたら、遂にLight In The Atticというレーベルからオリジナル盤のリイシューがスタートした。
第一弾はこの2枚である。CDとLPの2種類でリリースされ、CDにはボーナス・トラックが収められた。
まずはその注目のボーナス・トラックを紹介しよう。
『Kites Are Fun』には "Kites Are Fun" と "The Proper Ornaments" のモノ・シングル・ヴァージョン。
『Heaven/Earth』にはメンバーのエレン・デドリックのソロ・シングル "Nature Boy" , "Settlement Boy" と、トニー・モトーラのプロジェクト3でのソロ・アルバム『Warm,Wild & Wonderful』で、フリー・デザインがコーラスを担当した6曲全てが収録された。
中でもエレンのソロ・シングルはその存在も知らなかった大発見で、 "Nature Boy" はヴォーカルと金管楽器の音が複雑なハーモニーとしてからむ、クリス・デドリックらしい曲。
キャッチーなメロディで始まる "Settlement Boy" は、スローに展開する間奏以降との対比がフリー・デザインらしい。
そしてトニー・モトーラのソロ・アルバムだが、これは彼がギタリストなので、基本的にインストゥルメンタル。
"Do You Know The Way To San Jose" , "With A Little Help From My Friends" , "Scarborough Fair" , "Kites Are Fun" , "Goin' Out Of My Head" , "I Found Love" の6曲にはバック・コーラスが付けられ、ここをフリー・デザインが担当した訳だが、さりげないようで、高度なコーラス・ワークを聴かせてくれた。
この2枚のCDはアート・ワークも良く、初めて見る写真に目を奪われる。
スタジオでのメンバー、ライブ・ステージでのメンバーなど、初めて見るものが多い。
解説もしっかりしているし、PPMのPeter Yarrowのコメントを取るなど、文章も充実している。
来年には2枚目と4枚目のアルバムのリリースが予定されており、今から楽しみに待とう。(佐野)

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