
今回取り上げるEuphoriaは、ジェリー・ロスが手掛けた「Sittin' In The Rockin' Chair」で知られる同名グループとは一切関係のない、テキサス出身のフォーク、カントリー・ロックと実験的コラージュ・サウンドを融合させたサイケデリック・グループである。
彼らはThe War Babies、Nobody Cares(実にシニカルなネーミング)なるグループを経て、65年にEuphoriaを結成するが、69年の本作をリリースする頃には、Hamilton Wesley WattとWilliam D.(Bill)Lincolnの二人だけのラインアップになった様だ。
WattとLincolnはサイケ・ガレージ・ロックの雄として知られるThe 13th Floor Elevatorsとも交流があり、しばしばセッションもおこなっていたらしく、当時のシーンに敏感なミュージシャンだったといえ、その影響は彼らのサウンドにも滲み出ている。
本作のサウンドを端的に説明するのは難しいのだが、バーズ風のフォークロックからカントリー、ブルース等ルーツ・ミュージックを基本にしたサイケデリック・サウンドの曲間に様々なコラージュがシームレスに繋がれ、その導入部として機能しているかの様でもある。
気になる曲は、後のニール・ヤング・サウンドを予兆した様なアーシーな「Through a Window」やバッファロー・スプリングフィールド、中でもスティーヴン・スティルスの世界観に近い「Lady Bedford」。この曲ではハープシコードが良いアクセントになっている。
好事家の間ではコラージュのギミック感だけがピックアップされている様だが、バッファロー~マナサスからドノバン等サイケデリックなブリティッシュ・フォーク、ビートルズGet Back Session期を思わせる曲もあったりとなかなか侮れない。
60年代末期から70年代初期のこの辺りのロックを好む人にはお薦め出来る作品だ。
(ウチタカヒデ)
