2002年12月30日月曜日

☆Beach Boys『An American Band』/Brian Wilson『I Just Wasn't Made For TheseTime』(Artisan/12584) DVD

かつて LD でリリースされたまま、長い間廃盤だったビーチ・ボーイズの映像の最高峰、『An American Band』が、ブライアンの『I Just Wasn't Made For These Time』(こちらもかつて LD 化、後にアメリカのみで DVD 化)と2イン1で DVD 化された。
当時 LD で購入された方は、同じものなので不要とも言えるが、 DVD の方が画質がいいし (特に当時の『An American Band』の LD は、ポニーキャニオン製なので劣化が早く、スノーノイズが多い。 LD の接着面が甘いのが原因でプレス工場がよくないと言われる)、なにしろ日本のamazonで消費税込みで1929円(送料はかからない)と非常に安いので、購入しておくべき1枚である。 LD を持っていない人は、必ず購入しないといけない究極の1枚。
これはファンの義務です。内容について『The Beach Boys Complete 2001』などで何度も書いているので詳しくは書かないが、ストーリー構成も、映像の貴重さも『Endless Harmony』を遥かに凌駕する内容である。
ここでしか見られない映像として主要なものは、インサイド・ポップでの伝説のブライアンの "Surf's Up" の弾き語り(66年!)を始め、アンディ・ウィリアムス・ショーでの "Their Hearts Were Full Of Spring" のアカペラと "Help Me Rhonda" 、ジャック・ベニー・ショウでの "California Girls" 、シンディグでの "Fun Fun Fun" と "Please Let Me Wonder" 、映画『Girls On The Beach』から "Little Honda" と "Girls On The Beach" 、『TAMI Show』から "Surfin' USA" と "Surfer Girl" 、3つのライブを巧みに組み合わせた "Dance Dance Dance" 、『Pet Sounds』からは "That's Not Me" の別ヴァージョンがかかったプロモや "Wouldn't It Be Nice" のプロモ、67年のハワイ公演での "God Only Knows" 、バッファロー・スプリングフィールドの "Rock'n'Roll Woman" をカバーした68年のイギリス公演、旧ソ連の「プラハの春」の弾圧直後に行われた68年のチェコ公演から "Break Away" 、ブライアンのホームスタジオから69年の "Time To Get Alone" 、そして驚くべき映像として『Smile』から "Do You Like Worms" と "Mrs.O'leary's Cow" のプロモと、初めて見る人には目もくらむ貴重映像のオンパレード。
改めて見て、この映画を始めた見たときの衝撃をまざまざと思い出してしまった。
もうひとつの『I Just Wasn't Made For These Time』は、モノクロの映像が素晴らしい効果を出したブライアンのスタジオライブ。セルフカバー集だが、アンプラグドに近いサウンドが素晴らしく、10曲が披露される。カールや、カーニー&ウェンディも参加し、感動的だ。
デビッド・クロスビー、グラハム・ナッシュなど多くのミュージシャンによるブライアンの才能を称えるコメントが挿入されるが、誇らしく思うのはファンなら誰でも共通だろう。(佐野)


2002年12月26日木曜日

☆Paul McCartney:『Back In The U.S. Concert Film』(東芝EMI/3063) DVD

先にレビューしたポールの最新ライブの DVD ヴァージョンがリリースされた。
この DVD 、 CD とは音源の素材が異なっていて、また選曲も一部異なり、別物と見た方がいい。
事実、1回目のアメリカツアー( CD は2回目のツアー)が素材らしい。
サウンドと歌に関してはレビュー
をお読みいただくとして、ビジュアル面で気づくのはポールの若さだ。
以前のような首の回りのたるみもなく、体もスリムになり、とても60歳とは思えない。声のはりもキーも昔を取り戻している。
そして "The End" のギターバトルなんて回りの若いギタリストを逆に圧倒していた。
本編では CD には入っていないサウンドチェックの "Matchbox" がもう、自家薬籠中の出来でとてもカッコいい。
そしてツアーの最終日、 "The Lond And Winding Road" を歌い始めた時に、観衆の女性が一斉にハートマークをかかげ、それに感激したポールが声が詰まって歌えなくなってしまうところは感動的だった。
ボーナスではさらにサウンドチェック用の "Bring It To Jerome" "Midnight Special" "San Francisco Bay" も収められているので、これは買いだ。(佐野)

バック・イン・ザ・U.S.-ライヴ 2002 [DVD]

2002年12月25日水曜日

Radio VANDA 第 33 回選曲リスト(2003/01/02)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
特集My Favorite Soft Rock Part3

1. Sing Hallelujah ... New Seekers ('74) ※Tony Macaulay
2. Lead Us Not Into Temptation ... Pearls ('75) ※Tony Macaulay&Roger Greenaway
3. Alison Please ... Chris Kelly ('71) ※Tony Macaulay
4. San Diego ... Carl Wayne ('74) ※Tony Macaulay
5. The Humming Song ... Tony Burrows ('71) ※Tony Macaulay
6. Get Around Downtown Girls ... Johnny Garrett And The Rising Signs ('69) ※Greenaway=Cook
7. Runaround ... Steve Lawrence ('7?) ※Teddy Randazzo
8. Good Bless Joanna ... Neil Sedaka ('71)
9. Born To Be Bad ... Neil Sedaka ('78)
10. She Said Ride ... Tin Tin ('70)
11. Is That The Way ... Tin Tin ('71)
12. Missing You ... Popcorn Blizzard ('68) ※Produced by Pete Anders
13. Lonely River ... Popcorn Blizzard('68) ※Produced by Pete Anders
14. Love Is The People's Choice ... Smokey Roberds ('69) Produced by David Gates
15. Parking In The Kokomo ... Rondells ('65) ※Cyrkle
の前身。作曲はDanneman=DawesProduced by Jerry Ross
16.Foolin' Around ... Twinn Connexion ('68)

 

2002年12月18日水曜日

☆Mark Eric:『A Midsummer's Day Dream』(Rev-Ola/18)

 2002年の CD リイシュー大賞が決まった。そう、このアルバムなのである。
(アソシエイションの US 仕様『Just The Right Sound』も同時受賞。勝手に選びました)
マーク・エリックという無名のミュージシャンのこのアルバムを見つけたのが1995年頃。
『ソフト・ロックA to Z』などでプッシュし、中古盤店で値段がついてきて認知されてきたなとは思っていたが、こうして海外でリイシューされるとはファンとして嬉しい限りである。
聴いたことがない人はさっそく購入して聴いて欲しい。
1曲目の "California Dream" を聴けば、それだけでこのアルバムの価値が分かる。
流麗なメロディとサウンド、心地よいファルセットのハーモニー、サーフ・ロックの色を僅かに残しながら、見事なソフトロックに仕上がっている。
哀愁漂うアップの "Move With The Dawn" をはさみ、愛らしいワルツの "Laura's Changing" 、美しいバラード "Where Do The Girls Of The Summer Go" へつながるこの4曲のクオリティはどうだ。
そして6曲目の "Take Me With You" の巧みな転調、メロディ展開はマーク・エリックがいかに実力派のミュージシャンであったかを雄弁に物語る。
ライナーではリリース年が69年8月、時代はこういう音楽を求めていなかった上に、ノン・プロモーションだったこともあり、まったく売れずに終わったが、今その価値は増すばかりだ。
そして何よりも嬉しいのが、ボーナス・トラックである。未発表だった "Place For The Summer" はキャッチーなメロディ、サウンドとハーモニーが見事に一体化した傑作だったし、同じく未発表の "Build Your Own Dreams" は、転調が素晴らしい。
未発表曲が4曲、シングル・ミックスが4曲入ったボーナス・トラックは、高ポイントだった。
このアルバムを作った時、マーク・エリックはまだ19歳、順調に評価されていればと考えてしまったのは私だけではあるまい。(佐野)


2002年12月11日水曜日

キップソーン:『Montuno No.5』(HRCD-016)

 

筆者が最近手に入れたお気に入りの一つに、ハリウッドのSF映画黎明期に活躍したレイ・ハリーハウゼンの DVD ボックスを挙げておきたい。 ハリーハウゼンはその機知に富んだアイデイアと途方もない時間を費やしてストップモーション・アニメ(コマ撮り)をクリエイトし多くの名作を後世に残した特撮の魔術師である。正にかのアルフレッド・ヒッチコックと並び称されてもおかしくない映画職人なのだ。 断っておくが、金満な産業主義に転じてしまった昨今のハリウッドとは一線を画し、本来人間に宿っている創造性を極限まで駆使してエンターティメントとして結晶させていた時代の話である。

さて今回、同水準のレベルで紹介したいのがキップソーン(QYPTHONE)の『Montuno No.5』なのである。彼らは98年のデビュー以来ポストPizzicato Fiveのトップ・ランナーとして注目されているユニットで、これまでに3枚のアルバムを発表している。
現在のメンバーは、CM音楽クリエイターとしても活躍するリーダーでコンセプトを握る中塚武 (彼は「SOFT ROCK ULTIMATE」の取材企画においてもレアで良質な非英語圏ソフトロックを多く紹介した事で記憶に新しいと思う。)、個性的なヴォーカリストとして又作詞面でも一流のストリーテラー振りを発揮する大河原泉と、曲のイメージを決定付けさせるサウンド・コーディネイト担当の石垣健太郎によって構成されている。

彼らのサウンドを筆者流に端的に説明すると”ビザール(bizarre)にしてスイート(sweet)”なのだが、本作でも展開されている超up to dateなサウンド・プロダクションは、単に緻密な最新編集感覚だけを頼りにしたものではなく、コンセプチュアルでエキゾティズム豊かなサウンド・スケープ(音像風景)を重厚且つ必然的に構築した上でポップ・ミュージックとして完成させているところに志の高さと懐の深さを感じさせられるのだ。無論それは曲作りにおけるベーシックな部分でも同様であり、曲のフックに至るまでの見事なコード転回が聴く者の高揚感を増長させるのは言うまでもない。 これは極めてクリエイティヴでありながら決してエンターティメント性を失わないポップ・ミュージックの理想的な到達点といえよう。 

とにかく一曲一曲の完成度が高く、アルバムの隅々までエヴァー・グリーンな風が流れているのである。全曲解説したいのを堪えながら重要曲を紹介していこう。 瑞々しいヴォーカルとコーラスが見事なミックスの定位により、詩情豊かな歌詞を引き立て独特のサウダージ感を生むボッサ・チューンの「On The Palette」。 クラブでもヘヴィー・プレイされるフランス・ギャルの「Le Coeur Qui Jazze」の大胆なカバーでその名も「ジャズる心」。これは原曲のフェイク・ジャズを THE DOUBLE SIX OF PARIS から三保敬太郎feat. 伊集加世子をも黙らせる、圧巻ともいえるソフィスケィテッドなスキャットで見事に解釈している。 
『Montuno No.5』屈指の曲で、アフロ・キューバンとポリネシアン・リズムを有機的に複合させた独特のポリ・リズム・トラックのヴァースから、DR.BUZZARD'S ORIGINAL SAVANNAH BANDを彷彿させるエキゾティズム漂うジャイヴ感と甘美な旋律を持つフックが感動を呼ぶ必殺のダンス・チューンの「Melody」。
ここではゲスト・パーカッショニストであるロクタンセイゴの超人的な Djembe(ジャンベ)プレイも聴きものだ。 キップソーンとしては新展開ともいえるムーディーなスカ・バンド・フォーマットをバッキングに、中塚によるリリシズム溢れる歌詞が淡い恋模様を綴った「愛がひとつ(One Love)」。 
アルバムを強く印象付けているジャケット・デザインにも少し触れておこう。このノスタルジーを誘うブラック・カートゥーン的タッチのイラストレーションはアモーレ★ヒロスケによるものだ。 

最後にこの素晴らしい傑作を作り上げたキップソーンのメンバー全員から特別にコメントをもらっているので掲載させて頂く。

長引くデフレ不況、失業者の増加、北朝鮮の脅威、テロの頻発、アメリカの軍事支配など、世の中の動きなんて 全然考慮に入れずに作った11曲のラブソング集です。「音楽にメッセージを込めて」なんて言わずに、「最近の流行の音楽は」なんて言わずに、「音楽や芸術ってものは」なんて言わずに、ただひたすら、聴いた人達の気持ちが幸せになるように願って、丁寧に音を紡いでいきました。昔ながらの職人さんのような手作り感を感じてもらえたら最高ッス。
中塚 武

ひたすら音楽を奏でる楽しさを味わいながら作りました。2年間、僕も待ち遠しかったQYPの新作です。ひたすら音楽を聴く楽しさを味わって下さい。
石垣 健太郎

私は、何年か前から、なにか特別な感動を得たときに、下腹(丹田)で感じるようになった。いつもってわけではないのである。感動しても、反応しない時は全く反応しないのである。自分の体なのに理由づけができないのである。だからこそ私は、その私の丹田の反応をとても信じている。今回のキップソーンのアルバムの曲は素直に感動して歌ったのだが、それだけではないのです。歌ったときもそうだし、聴いてみても(時に体調のいい時に聴くと)丹田に響くのです。それって私にとってはかな~り特別なことなのです。類まれなことなのです。そんなことをちょっとでも気に留めて聴いてもらえたらうれしいです。
大河原 泉

(ウチタカヒデ)


☆Jools Holland & His Rhythm & Blues Orchestra:『Small World Big Band Volume Two More Friends』(Warner Music/0927494192)

 スクイーズのピアノ奏者だったジュールス・ホランドが率いるビッグ・バンドがバッキングを担当した豪華キャストによるこのシリーズの第2弾が登場した。
第1集にはジョージ・ハリスンの遺作を始め、エリック・クラプトン、ヴァン・モリソン、スティング、スティーヴィー・ウィンウッド、デイヴ・ギルモア、ポール・ウェラー、ドクター・ジョン、ビリー・プレストンなどがヴォーカル、ギターを担当したが、第2集の面子も凄く、レイ・デーヴィス、ロバート・プラント、ジェフ・ベック、ディオンヌ・ワーウィック、ボノ、トム・ジョーンズ、エドウィン・スター、ブライアン・フェリー、クリッシー・ハインド、マリアンヌ・フェイスフルなど大物が目白押しで、一歩も引けをとらない顔触れとなった。
その中で最も注目されるのが久々のレイ・デーヴィス先生の登場だ。
キンクスで使ったリフを使ってブラスの効いたラテン・ビートで登場するこの曲は、歌が始まるともう世界はお馴染みのキンキー・ワールド。
アリスタ以降のメリハリの効いたソリッドなロックンロールには、いつ聴いても引き込まれてしまう。
レイ先生、キンクスでもソロでもいいから早くアルバム出して!。(佐野)

ジュールズと素晴らしき仲間たち2

☆Various:『The Complete Monterey Pop Festival』(Criterion/167) DVD


19676月に行われたモンタレー・ポップ・フェスティヴァル。20万人を集めたこのイヴェントは翌年に映画になり、かつてはLDでも発売されていたロック・フェスティヴァルの草分け的存在である。
この3枚組のDVDボックスの内2枚は、当時上映された映画『Monterey Pop(フーの "My Generation" で、ピートがギターをネックだけ残して木っ端みじんにしてしまうもの凄いライブが見られる。私は大学の時、学祭でこのフィルムを見て興奮したもの) と、ジミ・ヘンドリックスとオーティス・レディングの出演シーンだけ集めた『Jimi Plays Monterey/Shake Otis At Monterey』で、これは既にリリースされていたもの。
残る1枚が目玉で『Monterey Pop The Outtake Performances』には初めて見る貴重なライブがギッシリと123分も収められていた。
まずはアソシエイションが登場。メンバーがロボットのような動きをするメンバー紹介ナンバー "The Machine" からメドレーで "Along Comes Mary" へ移る。エド・サリヴァンのスタジオ・ライブとは一味違う、迫力満点のスリリングなライブが堪能できる。まさにロック・バンドだ。日本調のメロディが出て "Made In Japan" のナレーションには苦笑い。
続いて『Bookend』のジャケットのように若々しいサイモン&ガーファンクルが登場する。ポールのギターのみで "Homeward Bound" "Sound Of Silence" を歌うが、二人の美しいハーモニーにただただうっとり。20万人の観客を、エレクトリックの楽器を頼らずに引き付けてしまう彼らの力は素晴らしい。ライトで真っ赤だった "The 59th Street Bridge Song" と違って普通のライトなのも
その後、アル・クーパーなどを挟んでバーズが登場、 "Chimes Of Freedom" , "He Was Friend Of Mine" , "HeyJoe" 3曲を披露する。デビッド・クロスビーがMCをやり、グループの中心という存在感を見せていた。ライブの実力もさすが。
ローラ・ニーロが "Wedding Bell Blues" "Poverty Train" を歌い、いくつか挟んで本盤のハイライトのひとつ、バッファロー・スプリングフィールドが登場する。この貴重なリアル・ライブ、 "For What It's Worth" を見ると、おやニール・ヤングがいない。そしてこの姿はデビッド・クロスビー?そう、この時はヤングはグループから離れてしまっていて、代わりにクロスビーが代役を努めていたのだ。
そしてフーだ。フーは "Substitute" , "Summertime Blues" , "A Quick One" 3曲をプレイ、圧倒的なライブを見せてくれる。なんといってもキース・ムーンのドラミングが凄い。目にも見えないほどのスティックさばき、何度もスティックが折れて宙を飛ぶシーンは圧巻だ。この頃のフーのエネルギーは他の全てを圧倒してしまう。
そしてママス&パパスがスコット・マッケンジーとの共演を含んで "Straight Shooter" , "Somebody Groovy" ,"San Francisco" , "I Call Your Name" , "Monday Monday" , "Dancing In The Street" の6曲を披露、このフェスティヴァルの顔だったことを示していた。
amazon.com
で送料を含めて$60、これは是非入手して欲しいボックスだ。(佐野)

The Criterion Collection: Complete Monterey Pop Festival [DVD] [Import]




2002年12月5日木曜日

☆Moon:『Without Earth & The Moon』(Rev-Ola/9)

ポップ・サイケの傑作、マシュウ・ムーア率いるムーンのアルバムが 2イン1でリリースされた。
このバンドは曲のほとんどを書いたキーボードのマシュウ・ムーアのカラーで染め上げられていたとみて間違いないだろう。
メロトロン、テープ操作というサイケ系の必須アイテムは使っているものの、明快なメロディとハーモニーを効かせたポップ度が高い曲も多く、特に68年のファーストはポップ・サイケの名盤のひとつになった。
ランニングするベースとハーモニーが絶妙にからみ、転調、リズム・チェンジとポップ・サイケの理想の1曲 "Mothers And Fathers" 、ハープシコードとストリングスのバッキングが美しい "Give Me More" 、ペダルのキーボードがポイントの哀調を帯びた "She's On My Mind" 、ドライヴするベースとドラムが魅力の "Walking Around" とクオリティが高い。
69年のセカンドの方はポップ度が下がりR&B度が増した分、華やかさが乏しくなった。
最後のキング・クリムゾン風の "Mr.Duffy" が力作(チープだけど)。ボーナス・トラックにはシングル・ミックスと、66-67年にリリースされたマシュウ・ムーアのソロ名義のシングルまで入り、コレクター仕様だ。
なお、グループのギタリストはビーチボーイズのメンバーだったあのデビッド・マークス。
彼の弁によるとレコーディングはスタジオに缶詰で非常につらかったそう。(佐野)

Without Earth & The Moon