2002年3月25日月曜日

Radio VANDA 第 24 回選曲リスト (2002/04/04)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
第一特集Association 特集

1. Come On In ('68)
2. Baby Can't You Hear Me Call Your Name ('65)...Jubilee
のシングル。未CD化。

3. Cherish ('66)
4. Windy ('67)
5. Never My Love ('67)
6. Happiness Is ('67)
7. Rose Petals,Incense And A Kitten ('68)
8. Like Always ('68)
9. Everythings That Touches You ('68)
10. Carry On...Bijou ('75)
11. Dreamer ('81)

 
第二特集Collage 特集

12. Mine Forever More ('71)...以下4曲はCreamレーベルのCollage
13. I'm Gonna Try ('71)
14. Not Just For A Day ('71)
15. Can't You See I Love You ('71)

 

Radio VANDA 増刊号・公開録音スペシャル SOFT ROCK CONVENTION at BRANDIN Part2 (2002/04/19)

※茅ヶ崎:Brandinでの公開放送第2回

 
第一特集Round Around The Beach Boys Part.2(佐野邦彦:VANDA

1. We Got Love ... Beach Boys オクラ入りなのにドイツ盤 "Holland" 1st Pressのみ混入。
2. On Christmas Day ... Brian Wilson
Walmart店内販売のCDのみ収録された。

 
第二特集サウンドトラック古今東西(佐々木雄三:音楽ライター)

3. The Theme From Ride The Wild Surf ... Astronauts
4. Thru Spray Colored Glasses ... Dino,Desi & Billy
5. Move Over Darlin' ... Doriss Day
6. Alfie ... Andy Williams

 
第三特集Anders=Poncia Works (宮治淳一: Brandin管理人)

7. Mr.Lonely ... Videls
8. How Does It Feel ... Ronettes
MONO
9. Summertime Girl ... Tradewinds
10. A Lifetime Lovin' You ... Vic Dana
11. Love Don't Let Me Down ... Bobby Bloom

 

2002年3月20日水曜日

☆Neil Sedaka:『Let The Good Times In』(Brill Tone 555)

ブリルトーンによる驚異の未発表音源集も、バリー・マン、キャロル・キング、ジェフ・バリー、エリー・グリーンウィッチに続いていよいよニール・セダカの登場となった。
個人的に最も切望していた上に、オールディーズ時代ではない66年から70年代前半のデモが中心と、これ以上ない最高の作品集になった。曲のクオリティはバリー・マンを凌ぎ、このシリーズのハイライトと断言できる。
ハーモニー・グラスが歌った "Teach Me How" やフランキー・ヴァリの "Make The Music Play" 、モンキーズ "The Girl I Left Behind Me" 、シェール "Don't Hide Your Love" 、ウィッシュボーン "Let The Good Times In" 、ホンデルス "Kissin' My Life Away" 、レスリー・ゴーア "Magic Color" 、ボビー・シャーマン "Cold Girl" などなどニールが書いた66年から70年の隠れた名曲をピアノ弾き語りで歌ってくれるのだから夢のよう。ニールはピアニストとしても嘱望されていたピアノの名手であり、ピアノの弾き語りはそんじょそこらのレベルと違うのだ。
もうこれを読んだ方、特にソフトロック・ファンは泣くでしょう。信じて黙って買うこと。おまけに57曲中32曲が未発表曲・未発表ヴァージョンだ。完全な未発表曲でもいかにも70年代のニールらしい爽やかさに溢れた72年の "Don't Hide Your Love" やアップのビートとキャッチーなメロディが心地よい68年の "Where Do We Go From Here" 、67年の気品漂う "Plastic Dreams And Toy Balloon" 、70年代のセダカ流ホワイト・ドゥ・ワップ "Sayin' Power" など素晴らしい曲が一杯。 "Sayin' Power" はホワイト・ドゥ・ワップが苦手な私も◎だった。
68年のシングルS.G.Cでの2枚のシングルの内 3 曲、そして69年にオーストラリアでリリースされた『Sounds Of Sedaka』が全曲収録されている。S.G.C.のシングルでのベスト・ナンバー "Jeannie" が入らなかった事だけが謎だが、個人的には2002年のリシュー大賞は、この CD がリリースされた3月で既に決定してしまった。
という流麗なメロディ、巧みな転調、ハイトーン、ノンビブラートで伸びやかなヴォーカルと全てが揃ったニール・セダカ、いつでも最高だ。(佐野)

Let the Good Times in

☆Griffin & Sylvester:『Griffin & Sylvester』(record-store.com 502320)


あのテリー・シルベスターとジェームス・グリフィンのユニットによる82年のアルバムが CD 化されていた。
この中の6曲は既に紹介済みの名盤『Terry Sylvester Complete Works 1969-1982』に収録されているが、 "Till Midnight" , "Rozanne" , "Wolf River" , "The Light That Shone" , "If You Give Your Love To Me" とボーナストラックの "I'll Be There" , "Aruba Town" の7曲がこの CD のみ収録である。
この7 曲のみに絞って紹介していきたいが、曲はすべて二人の共作クレジットなので誰の作品かはよく分からない。ただ、テリー・シルベスターのソロのようなメロディアスさを期待するとちょっと違う。ファンキーなロックナンバーやカントリー、レゲエもあり、この中では "The Light That Shone" が最もメロディアスか。ただいい曲は『Complete Works』で使われたという印象だ。
(佐野)
Griffin and Sylvester


☆Love Affair:『The Best Of The Good Times』(Columbia 504419-2)

ラヴ・アフェアーは何枚か CD が出ているが、なぜかヒット曲の "Bringing On Back The Good Times" が入らないままだった。
スティーヴ・エリスというソウルフルなヴォーカリストを擁するラヴ・アフェアーは、ヒット曲はキャッチーなメロディにパワフルなストリングスというトニー・マコウレイばりのサウンドなのに、それ以外の曲はヘヴィな R&B という両極端な個性を持つグループだった。というより、ヒット曲は「やらされてた」という気がしないでもなかったが。どちらにせよ、私にとって魅力的なのは全英トップ10に入った4曲、 "Everlasting Love" "Rainbow Valley" "A Day Without Love" そして "Bringing On Back The Good Times" だった。そしてこの CD はその4曲が初めてまとめて入った決定盤である。
曲の雰囲気はさらに声量を持ったジェファーソンといったところ。この4曲は一回聴いただけで誰でも好きになる最高のブリティッシュ・ポップなので、おすすめ。
(佐野/Special thanks To 浅田洋
)

Love Affair, The Best of the Good Times

2002年3月13日水曜日

☆Jeff Barry & Friends:『Chapel Of Love』(Image ID1110DF)

あのジェフ・バリーを囲んで、彼の曲を歌ったアーティストが集まったコンサートの CD 版がリリースされた。先に同タイトルの DVD (Image ID0468DFDVD) が出ているが、これはそれをそっくりそのまま CD にしただけなので、 DVD を買った方が絶対にお徳。
さて登場するのはブライアン・ウィルソン、ロニー・スペクター、クリスタルズ、ディキシー・カップス、マリー・ウィルソン、アンディ・キム、レイ・ピーターソンらだが、 DVD で見られて嬉しかったのがなんといってもロン・ダンテ。初めて動いている彼を見られた。歌うはもちろん "Sugar Sugar" 、そして "Hanky Panky" も。この年になっても若々しく、溌剌としていて楽しいステージだ。
ブライアン・ウィルソンは "Be My Baby" を歌うが、ジェフリー・フォスケットとダリアンが左右を囲んでいたものの、他のメンバーがいないのでハーモニー、演奏は、来日メンバーに比べてかなり劣る。
見ない方がよかったというのがロニー・スペクターの歌にブライアンがコーラスで参加している "I Can Hear Music" 。夢の組み合わせだし、 CD で音だけ聴けばいいのだが、上半身が見事に太ったロニーを見るのはちょっとつらいかも。私は六本木のスウィート・ベイジルでのコンサートを見たので "免疫" が出来ていたが、知らないとビックリだ。ブライアンとロニー、39年前は美男・美女だったが、年齢とはいうものの二人とも見事に太ったものだ…。
最後の "Doo Wah Diddy Diddy" は全員で歌う。
(佐野)


2002年3月10日日曜日

☆Turtles:『Solid Zinc』(Rhino R278304)

アソシエーションに続きタートルズもライノから CD 2枚組のアンソロジーがリリースされた。
全51曲の各曲別の詳細な解説、満載の写真はさすがライノだが、タートルズは Repertoireから全曲、それもステレオとモノがあるものは両ヴァージョンを入れるというライノ顔負けのこだわりで CD 化されているため、この CD で初めて聴くテイクはほとんどない。だからRepertoireで揃えている方はほとんど不要だが、これからタートルズを聴く人にとっては最もおすすめの充実した選曲になっている。
" Happy Together" , " Me About You" を始め多様な音楽性を持ち、ポップで、そしてロック・バンドでもあるタートルズは、60年代のロックが好きな人なら絶対の、最重要アーティストのひとつである。各曲の内容はかつてVANDA本誌でも特集しているのでそれを読んでもらうとして、未発表の2曲のデモ音源のみ、紹介しよう。
1曲は『Turtle Soup』収録の " How You Love Me" のデモ・ヴァージョン。もともとロックテイストの曲なので、演奏がシンプルになっても何の遜色もない。
もう1曲は完全未発表の " Marmendy Hill" 。生ギター1本とパーカッションだけのまさにデモだが、気品のあるメロディにファルセットのキーで歌うヴォーカルがよくマッチしていた。(佐野)

Solid Zinc: Turtles Anthology

2002年3月9日土曜日

☆Happenings:『I Got Rhythm』(Magic 3930161)

B.T.Puppy という個人レーベルが災いしてか、 CD 化が遅れているハプニングスだが、94 年の Sequelからのベストに続き、ようやく 2 枚目の CD 化が実現した。
このアルバム一見ベストのようだが、25 曲中 1~12 曲目まではセカンドアルバム『Psycle』そのままので、ようやくオリジナルアルバムの CD 化が実現したと言ってもいいだろう。この『Psycle』は3枚ある彼らのアルバムで音楽的にベストの作品なので価値がある。ペダルのコーラスが最高に決まった大ヒット "I Got Rhythm" から始まるこのアルバム、ハープシコードのバッキングとベース、ハーモニーのからみが最盛期のビーチボーイズを彷彿とさせる "That Cold Feeling" でいきなり頂点を迎える。キャッチーなメロディが魅力の "I Believe In Nothing" 、ハーモニーが美しい "I'm Always Chasing Raibows" など聴きどころ十分。フィリップスのフォー・シーズンズ、ビーチ・ボーイズが好きな人には絶対だ。そしてボーナストラックには "See You In September" "Go Away Little Girl" という大ヒットした名曲を始め、ファースト・アルバムのベストナンバーである "The Same Old Story" "You're Coming On Strong, Babe" というボブ・ミランダの書いたオリジナルがしっかり収められていた。イタリアのサンレモ祭でリリースされたイタリア語によるシングル "Quando Verdo" という貴重な曲も収められている。シングルB面の "Anyway" が入っていることも見逃せない。ただ、ファースト・アルバムのベストナンバーではもう1曲、ボブ・ミランダ作の "Girl On A Swing" が落ちていたり、ヒット曲の "Goodnight My Love" やハプニングスのナンバーの中でもベストの1曲 "Randy" がないという欠点もある。これらの曲は Sequel の方には入っていた。ただこの Sequel 盤は後期の曲が多く不満足な選曲だったので、うまくいかないものだ。1枚だけ比較すればこの Magic の方がハプニングスの魅力をより伝えてくれるだろう。そしてファースト・アルバムはアナログで買いましょう。(佐野)

I Got Rhythm

2002年3月6日水曜日

☆Pete Townshend:『Music From Lifehouse』(Image ID1172MYDVD) DVD



ピート・タウンゼンドにとって宿願は未完の『Lifehouse』だった。1971年に計画されたこのプロジェクトは完成に至らず、その為の用意した曲の幾つかは『Who's Next』となり、それはフーの最高傑作になった。かけらを集めてもこのクオリティ、ピートの才能の頂点でうみだされた未完の作品は、ロック史上の最高の作品にもなり得るはずだった。
それから約30年、ピートはまずラジオドラマに仕上げ1999年12月に BBC でオンエアー、翌2000年には当時のデモを集めラジオドラマをプラスして6枚組の CD ボックス『Lifehouse Chronicles』としてリリース、2000年の2月25、26日にロンドンの Sadler's Wells で行われた「Lifehouse」のライブは2001年に『Live Sadler's Wells2000』のタイトルで同じくeel pieよりリリースされていた。そして2002年には遂にそのライブが DVD として我々の前に届けられた。
映像で見ながら聴く「Lifehouse」は格別だ。ピートのアコースティックギターとLondon Chamber Orchestraのストリングスは実に美しく溶け合う。ピートのリリカルで時に熱いヴォーカル、そしてしばしばリードを取るChyna,Cledeland Walkiss、そしてビリー・ニコルスの3人のアンサンブルの見事さ。ビリー・ニコルスの姿を見られたのも嬉しいが、脇を固める黒人ヴォーカリストの声が素晴らしい。ライブからセレクトされた18曲のクオリティは余りにも高く、うっとりと、とろとろと100分の時間は過ぎてしまった。(佐野)